●melody. 「Be as one」 80点 ジャンル:洋楽ポップス R&B ヒップホップ ハウス (2006/04/12)1.Be as one 2.see you... 3.De ja Vu 4.realize 5.Close Your Eyes -English Version- 6.Promises7.Dear Love 8.Take a Chance 9.Next to You 10.Stay with me 11.Gift of Love12.miss you (nagareboshi REMIX) ~m-flo loves melody. & 山本領平 remixed by melody. & Takuya Harada[Bonus Track]<問題点> 1・melody.屈指の名曲である「Believe me」の未収録 2・圧倒的な魅力を誇る4曲目までと比べると7曲目以降の後半曲が失速気味 3・12曲目が変なリミックスになっている 4・アップテンポの曲が少なめか・・・
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約2年3ヶ月ぶりと、この手の商業アーティストとしてはかなり間隔が空いて発表された2ndアルバム。
1stアルバム以降の彼女は、伊藤由奈、ジョエル、AI、Soweluらといったジャンルがブッキングしているアーティストを前に、若干存在が薄れていた感があったのだが・・・。
結論から言うと今作は、洋楽テイスト溢れるポップスやるアーティストの中で、melody.が突出した魅力・実力を持つアーティストであると再認識すると共に、そう思うが故の「細部の詰の甘さ」が気になった作品でもあった。
作風に関しては、前作と同様完全に洋楽的な作風に徹した曲と、気楽に聴けるJ-pop的な要素のある曲とがいい具合に合わさったものになっている。よって、本格的な要素が強すぎて聴きづらいということも、一方でいかにも洋楽の要素を取り入れたJ-pop曲のように軽くなったり安っぽくなりすぎたりして聴き応えがないということもない。毎度のことながら、この辺の所のバランスの良さは素晴らしい。様々な外部ミュージシャンを積極的に起用したからであろう。シングルを聴いた限りでは「えらく軽い作品になるのでは」との危惧があったものの、切ない魅力で溢れたアルバム発表直前シングル表題曲である2曲目や、スローでグルーブ感に溢れダークで妖しい感じを出している3曲目、ノリノリで爽快の9曲目といった曲は、そういった不安を吹き飛ばすmelody.ならではの良曲だ。今作もアルバムオリジナル曲がそれなりに充実している。
やはり、そう感じるのには曲の良さもさることながら彼女の歌唱、特に「クリスタルヴォイス」「プラチナヴォイス」と称される抜群の声質の良さがあるからだろう。癖がなく繊細な歌唱であるものの貧弱さはそれほど感じさせず、軽快なリズム感を有す曲や3曲目のようなビートの聴いた曲関係なくとにかく聴いていて心地よく体になじむ。それだけでなく、前作以上に各曲において叙情性をはじめとした感情表現に磨きがかかり、特にダークな曲においてかなりの魅力を見せている点は、他の同種アーティストとの大きな違いであろう。
本来なら、原曲よりも大きく魅力を下げている意味不明なリミックスであるボーナストラック12曲目を除き、総じて彼女の歌唱が冴え渡り、水準以上の曲がひしめく高評価に値する良作のはずなのだが・・・。
結果としてそうしなかったのにはいくつか理由がある。その大きなものは曲の構成の甘さと「Believe me」未収録である。
かなり厳しい評価なのだろうが、秀逸なダークバラードである7曲目以降の曲=9曲目以外の終盤曲が大人しめORバラード曲となっており聴いていて少したるい。1stアルバム終盤にあった「You Want This」のようなダークでアップテンポな曲があればと思わずにはいられない。また、なまじ1~4曲目までの流れがかなり良すぎたこともこのように思うのに繋がってしまったと言える。
で、ここにおいてそれを満たす最適な曲が今作未収録であるシングル「Believe me」。権利関係に影響を及ぼすであろう
「大人の事情」 があったからなのだろうが、melody.の楽曲の中でも屈指の名曲である今作を収録しなかったのは、今作の大きな減点要素となった。はっきり言って権利や大人の事情なんてものは聴き手である我々は知ったことではない。作品作りにおいて最も大事なのは、作品をより良くするために最善の努力・配慮をしたか、音楽に対する思いがあるかである。この曲の未収録を決定したであろう各関係者達にそれらがあるのだろうか。「あるに決まってるだろう」との声がきそうではあるが、それらが本当にあるのなら、このような結果には断じてならなかっただろう。
実につまらないことで、あと半歩のところで良作になり損ねた作品。せっかく出すのに2年もかかったのだから、もっと丁寧に且つしっかりと作品を作ってほしかった。
万人に勧められる優れた魅力を持つ作品ではあるが、こういった細部における詰の甘さは、実力や魅力、ルックスの良さに反しイマイチ彼女が業界において地位を確立させられていない・知名度が低い一番の理由になっていると考える。大型タイアップをもらった昨年もそれほどのヒットとはならず、さらに伊藤由奈やジョエルといった同種他アーティストのデビューもあり、もはやブレイクのチャンスは完全に逸した。今後もこの調子で行くのなら、彼女は「歌姫好き」の間で高評価されるアーティストでありつづけるだけであろう。彼女の資質には文句はないので後は売り出す側や製作側の奮起に期待したい。
・アーティスト評価 歌唱力 8 () 作曲 -- () 編曲 8 () 独創性 8 () 安定性 8 () 格 7 () 総合 8 () 熱中度 7 ()
こちらは1stアルバム。歌唱では断然2ndアルバムですが、楽曲では今作の方が好きですね。
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2006/04/30 23:30|アルバムレビュー |トラックバック:1 |コメント:0 |▲
まだまだ続きますよ~。「キレてないっスよ」と言っておきながら今回も結構キレキレの内容となります。
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・7人の女弁護士 △~○ 賀来千香子が主演だった定番シリーズを13年ぶりにキャスト一新。釈由美子が主役を演じることになったのだが。 話そのものは、弁護士もの定番の人情話や愛憎劇、仕事絡みの話など視聴者にも馴染み深いものを堅実に描いているだけあり、凄まじい良さや魅力とは無縁であるが、それなりに見ることが出来る。時代劇や戦隊モノと同様の安心感に通ずるものがあろう。 ただ、この番組を放送しているテレビ朝日系列で以前釈主演の「スカイハイ」が成功したこともあってか、これにあやかり同じような決めセリフ「もう逃げ場所はどこにもないですよ!!」を盛り込んでいるのはどうかと・・・。 意外と南野陽子がいい味出している。・弁護士のくず △~○ 上記「七人の~」と同じ弁護士もの。かねてから思うのだが、どうして毎度同系統のドラマが同クールに被ることが多いのだろうか・・・。 ま、それはともかく、真面目な作風である「七人の弁護士」と比べると、こちらは弁護士版「バディーもの」的コミカルさがある。当初はこの作品に全く期待していなかったのだが、出来としては意外にも面白い。 必ずしも真正面から事件に向き合うことや常套手段が問題解決において最適ではないということを明瞭に示していることや、常識に縛られず一方的に善悪を規定しない作りには好感が持てる。 ただ、ドラマの出来とは全く関係ないが、トヨエツの容貌の変貌ぶりは・・・。髪型といい、意味不明の「頬紅」といい、どこからどう見ても「関西のおばちゃん」 にしか見えない。かつての鋭さやアウトローさが全くなくなってしまっている。 それにしても「ほしのあき」ってすっごい体しているな~。・医龍 ××× 良作が多い医療もの漫画であるが、その中において医療の技術面と大学病院の制度疲労、醜い権力社会を鋭く描いている点が大きな特徴である今作。原作はとても面白く、高く評価しているが、原作を見ている立場としてテレビ版であるこれは全く評価することが出来ない。というか、なめるな!!と言いたい。 酷い点を挙げていけばキリがないが、特にその中でも最も酷く且つドラマの根幹の否定にすら繋がっているのは、やはり作品の中心たる朝田、加藤、霧島、里原、伊集院らのキャラ設定の酷さとキャスティングのミスマッチさであろう。もうあまりに無茶苦茶すぎて見ていて激怒してしまわずにはいられない。 まず、加藤と霧島が「男女関係」にあるのが心底理解しがたい。霧島は里原を巡って朝田と因縁浅からぬ関係にあるはずなのに、このおばかな設定は何だ!! しかも先回ぐらいから里原との絡みを匂わす描写もあり・・・。 加藤の人物設定に関しても全くもって意味不明。 加藤は若くして教授の座を狙う「野心家」であるが、その根底には、現在の大学病院の腐敗に対する強い憤りと、それに翻弄される患者に対する優しさがある。しかし、ドラマを見ている限りでは、加藤も他のじじい教授と変わらぬ単なる権力志向の低俗な人間にしか見えない。 加藤をリーダーとする「バチスタチーム」の結成に天才外科医である朝田が手を貸したのには、「バチスタ手術をやれる」ことだけでなく、加藤の真摯な人柄と医者としての実力に惚れたからである。それを思いっきり否定しているドラマ版の加藤の設定は、「医龍」という作品を否定しているとしか思えない。 で、肝心要の朝田に関しても酷い。 坂口の演技の下手さもあるのだろうが、単に上に噛み付いている単細胞な人間にしか見えない。原作の朝田はあそこまで怒りの表情を出したり声を荒げたりはしない。必ずしも反権力、反教授というわけでもなく、医療組織における権力や組織・制度すら上手く利用して、患者志向・プロの医者としての技術第一主義を突き詰めていくしたたかさと冷静さすら持ち合わせている。 坂口の演技や推測されるテレビ版でのキャラ設定では、このような朝田の魅力・実力の一端しか示せていないとしか言いようがない。 里原に関しては、童顔・巨乳で小悪魔という設定に演じている水川は完璧にあっていない。 霧島を演じている北村一輝は、先クールTBSドラマである「夜王」で演じた「聖也」のキャラが抜けきれていないし・・・。 伊集院を演じている小池徹平に関しては、「伊集院」というよりも「ハリーポッター」の「ハリー」だ。すっかり大人びてしまったラドクリフ君に代わって次の劇場版に出演したらどうだろうか。 はっきり言おう。このドラマは「医龍」の名を語ったまがい物ドラマであると。堂々と原作をパクルことが出来るはずもないから、人気漫画のネームバリューにただ乗りし、「原作ドラマ」の形を取って都合よく「別ドラマ」 を作っただけである。もはやこれは「確信犯的詐欺行為」 だと断言しよう。・クロサギ △~○ ヤンガサンデーで看板漫画となりつつある人気作品。今クールのドラマはもうその殆どが漫画や人気小説を原作としている。もはやテレビはオリジナルドラマを生み出せない「末期症状」になっている。 原作のストーリーや設定がそれなりに面白いこともあり、ドラマもまずまず。 ただ、ドラマの詐欺手口が実際にあったのをモチーフにしている点は、リアルさはあれど一方で「ドラマ作品」としての話の盛り上がりを考えるとマイナスに作用してもいるように思わないでもない。第一話のオチは、「え、こんなんでいいの?」と思ってしまったぐらいだ。まあ、この辺は何とも微妙な問題で個々人の考えにもよるのだろうが・・・。 個人的にはドラマどうこうではなく、堀北真希が出ているから見ているようなものなのだが・・・。ホリキタかわいい過ぎっス。後はどうでもいいっスよ。
2006/04/30 13:37|ドラマ・テレビ番組評 |トラックバック:0 |コメント:4 |▲
●HIGH and MIGHTY COLOR 「傲音プログレッシヴ」 53点 ジャンル:メタル スラッシュメタル プログレメタル ミクスチャー J-pop (2006/04/05) 1.一輪の花 2.for Dear 3.{Here I am}4.宝石の涙 5.水玉ラムネ 6.背徳の情熱 7.罪8.リアルワールド 9.A PLACE TO GO 10.STYLE~get glory in this hand~ 11.パールシャドゥ 12.黒アゲハ舞う丘 13.星空に降る雪14.ガーデン オブ MY ハート <問題点> 1・成長はしたものの、依然脆弱さや単調さのある歌唱 2・へヴィネス創出やポップ性創出のパターンが似通っている 3・メタルならではの美意識、様式美がない 4・4.5.8.9.14曲目といったポップな曲の聴き心地が妙に悪い 5・相変わらずたいしたことのないギター 6・曲数多すぎ 7・キラーチューン不在 8・音楽性が雑多過ぎが故に一本筋の通ったものを感じない 9・演奏技術はそれなりにあるのだろうが、耳と心に残る演奏・フレーズがない
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1stアルバムにおいて、メタルファンを大いに侮辱し怒らせたダメヘヴィーミュージックバンド、ハイカラ。そんな彼らが1stアルバム発表から約半年少しと短い間隔で送り出した2ndアルバムである。
サイトや店頭で試聴したときには、そのノリの良さもあり「意外といい作品かも」などと思っていたのだが・・・。いざきちんとCDを聴くと、それがとんだ「勘違い」であり、「やっぱりダメだ、このバンドは」と確信するしかないということがこの上なく理解できた・・・。
前作と比べると「駄曲具合」が低減され、稚拙すぎた演奏に関しても、プロ意識が少し芽生えたのか格段に向上しテクニカルな面が出ているなど、アーティストとしての成長を大いに感じ取ることが出来る。彼らの原点らしい、スラッシュメタル的ヘヴィーさが出ているのも良い。が、しかし、根本的な問題に関しては、あまり変わってはいない。
まず、かなりの向上が見られたものの依然としてひ弱なマーキーの歌唱がいただけない。1・3・7曲目といったスピーディーで且つヘヴィーなスラッシュメタル的楽曲で声量の弱さ・声の線の細さが気になる。声質そのものはいいのだが、メタル的楽曲を歌わせるに足る適性があるのかに関しては、現段階でもかなり疑問だ。
しかも、それだけでなく総じて歌唱が単調なのが、前作以上に今作で耳についた問題である。
4・5・8・9・14曲目といった、前作でもあったポップ性のある曲において、特にこのことは言える。
これら曲は、ポップ性とヘヴィネスさが上手くかみ合っていない・メロそのものが単調など曲そのものの完成度が低く、妙な気持ち悪さだけが露骨に浮き立っていて聴いていてテンションが下がってしまう。残念ながらマーキーの単調でひ弱な歌唱がその理由のかなりの部分を担ってしまっている。デビュー時こそ、その声質に惚れこんだこともあったのだが、今の彼女にはビジュアル以外惹かれるものがない。
それと、これまた「依然として」だが、しょぼい演奏がある。
確かに技術的には飛躍的な向上を見せたのだが、それに反しサウンド構築センスやメロセンスがなさ過ぎる。ただ「技術的な上手さや重厚さを見せている」だけで、各々の楽器の演奏に何ら引っかかるものがない。メタルの醍醐味である、「聴いていて体を動かしたくなってくる」「破壊的衝動に駆られる」を全く感じないのである。いくらテクニックがあっても、それによって演奏される「旋律」が大したことがなければ、気の抜けたビール、全然エロくないアダルトビデオに等しい。ヘヴィーミュージックとしての存在意義そのものが問われるところであろう。
一方、いろんなジャンルへ触手を広げようとしていることは分かるのだが、その根本にあるヘヴィネスやポップ性の創出が、特に後者において結局はパターン化しているのも問題だ。演奏(ギター)や歌唱の単調さが招いたことであろう。
また、全体の傾向として前作の「pride」「Notice」のような様式美のある良曲がなく、さらに曲数が多いのも気になる。この点に関しては前作より明らかに退化している。
もちろん、今回でも懸念材料となるユースケの歌唱であるが、以前に比べると下種ラップぶりがなくなりはしたものの、やはりどうかと思う。
で、結局このグループの根本的な問題が何なのかというのを考えると、「美意識に欠ける」なのではないだろうか。
メタルはハードロックとは違い、破壊美・展開美・構築美や暴力性・荒々しさ・重量感・疾走感を極めていく気高き音楽である。しかし、彼らの音楽にそういった何らかの崇高な美~特に様式美や破壊美~を感じ取れない。あるのは、軽薄なノリの良さと、それなりに「テクニカル」な演奏による疾走感と重さだけである。いろんな音楽性を盛り込もうとする努力は見られるものの、「何でそうするか」との「思想的な部分」の欠落が、技術はあれど中身がすかすかの「似非っぽいミクスチャー」さしか感じ取れないこのグループの致命的欠点を生み出してしまった。上記赤文字曲名はこのことを何よりも物語っているとしか思えない凡曲・駄曲。演奏技術以上に彼らに必要なのは、メタルをやるに足る精神性=「鋼鉄(メタル)魂」の養成であろう。それが出来ない限りは、この先さらに技術が向上したとしても音楽性が向上することはありえない。
・アーティスト評価 歌唱力 5 () 作曲 5 () 編曲 5 () 独創性 6 () 安定性 3 () 格 3 () 総合 4 () 熱中度 3 ()
2006/04/29 18:35|アルバムレビュー |トラックバック:2 |コメント:12 |▲
・評価:100点、いや1万点 (史上最強最高アクション映画!!) 今までこれほど映画封切日を楽しみにした映画があっただろうか? 公式サイトでぶっ飛びの「予告編」を見て以降、今作を見始めるまでの心境は、まさにリー師父やジャッキーやリー・リンチェイに憧れまくっていた幼少時のそれと全く同じであった。 マトリックスの成功以降、CGやワイヤーだらけの「インチキアクション映画」がはびこる昨今。「タイ」という、日本人にとってお世辞でも馴染みあるとはいえない国から送り出された「マッハ!!!!」「七人のマッハ!!!!」 の2作は、正真正銘のアクション映画を求める人に歓喜をもたらしたと共に、ジャッキー、リー、ドニーの3名の加齢による衰えで低迷する本家本元である中国から格闘アクション映画の盟主の座を奪った。それほどまでにこの2作の「格闘アクション映画としての完成度」はずば抜けていたのである。 しかし、偉大なるタイアクション映画製作陣はこの2作での評価に甘んじることなく、「マッハ!!!!」公開から2年の月日とこの2作で儲けたお金すべてをつぎ込み、「イカれている」「凄すぎる」 としか形容しようのないトンでもな映画を送り出してきた。それが今作「トム・ヤン・クン」なのである・・・。 リー師父。あなたはあまりに偉大で完璧であったが、あなたの魅力・実力をより引き出すであろう素晴らしい敵役がいなかったのが致命的な欠点であった。 ジャッキー・チェン。あなたの命がけのアクション&豊富なアイデアによるコミカルなアクションとカメラワークは今の格闘アクション映画の土台となっているほど見事なものであるが、作品思想が故か、作品そのものから圧倒的な暴力性や破壊の美学が余り感じ取れなかった。 リー・リンチェイ。あなたの少林寺じこみのシャープで優雅な動きは感動的だが、一部映画を除き「アクション面」での弱さがあった。 ドニー・イェン。あなたの力強く暴力的な格闘アクションは圧倒的だが、「コマ落し」というちんけなトリックを多用する作りが映画の完成度を落としていた。 だが、トニー・ジャー主演であるこの作品は、先人達の映画にあった問題点・欠点を完全に払拭すると共に、先人達が築いてったすべての要素を継承する「完全無欠にして最高の格闘アクション映画」なのである。 その素晴らしいアクション&格闘の数々を前に涙が止まらなかった・・・。
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<あらすじ> タイ辺境にあるとある村。そこには、王に献上するための象を育成し、王と象とを守るタイ最強のムエタイ戦士「チャトゥラバート」の末裔達がひっそりと暮らしていた。青年カーム(トニー・ジャー)もその一人である。 しかし、王に象を献上するという村人にとって最高の栄誉であるその日に事件が起こる。地元の名士に騙され、大切に育ててきた象を動物密輸組織に略奪されたのである。 怒りに震えるカーム。彼は日々の鍛錬により培ってきた圧倒的な暴力を駆使し、象がオーストラリアにいることを突き詰める。 単身渡豪するカーム。しかし、それは巨大マフィア組織との死闘の始まりであった。無事愛する象を救い出すことが出来るのか!!<感想など> ストーリーは至って単純。アクション映画に複雑なストーリーや思想的なものは不要。しかし、今作全編から漂っている「白人国家における白人のアジア人蔑視」や「何でもかんでも商売にし、何でもかんでも食す中国人及び中国文化」に対する強烈な批判は、中々に考えさせられるものがあった。中国人やオーストラリア人が見たらきっと怒り出すだろうが・・・。 もちろんこの作品においてストーリーなどはさして重要ではない。最も重要且つ本質でもあるアクション・格闘アクションに関し、今作は余りに凄すぎた。今作には、アクション映画・格闘アクション映画すべての要素と魅力とが詰まっている。 格闘アクション映画ファンなら思わずニンマリものであろう、 ボートの追跡シーン、ブレードやボードの使用、館での戦い、燃え盛る炎を背景にしての戦い、次々と出てくる格闘家との異種格闘技戦・・・。格闘アクション映画のファンであればあるほど、今作にある様々な仕掛けをより楽しめる、何とも憎らしい作りとなっている。思い出せるだけでも、 「燃えよドラゴン」「精武門」「ポリスストーリー」「プロジェクトA」「フィフスオブレジェンド」「奇蹟」「七福星」「スパルタンX」・・・、こういった名画のおいしいところが見事に盛り込まれている。 だが、おいしいところ総取りであるにも関わらず、亜流さや詰め込みさを全く感じないのは、主役であるトニー・ジャーの超人的運動神経を駆使した古式ムエタイ主軸の格闘とアクションが凄すぎるからである。 その凄さを、かつての政府広報のキャッチ・コピーを真似て言うと、「あなた人間やめますか、それとも格闘アクション俳優辞めますか・・・」 になるだろうか。進行方向と逆向きに回転しながら繰り出される連続蹴り、よけることを潔しとしない肉体を駆使した圧倒的な殺人技の数々、漫画やゲームの世界でしかありえないような「サマーソルトキック」や「旋風脚」の体現・・・。そこにあるのは、生身の人間の持つ無限の可能性である。 もう、彼の凄さを語りだしたら、それこそブログで1週間分以上書き続けていける自信があるが・・・。特に圧巻なのは敵のアジトである料理店進入直後の戦いと、本編終盤に行われるトニー対ボスの手下49人との戦いである。 前者は、格闘アクション映画としては前代未聞の1台のカメラだけによる「ワンカット・ノンストップ・アクションシーン」 。一切の編集もカメラの切り替えもセリフもなく、敵のアジト入り口から4階までの道のりで、襲い掛かってくる何十人もの敵を古式ムエタイの数々の技と「何故か」そこに存在するたんす・ソファーといった小道具をしてなぎ倒していくトニーと、その様を撮った映像は、まさに人間とアクション映画両方の限界を極限まで極めたものであろう。 そして、この場面以上に圧巻だったのは後者。これは間違いなくアクション映画史上に残る究極の名場面である。 並み居る49人もの敵をすべて「違う関節技」で屠っていく・・・。 体全体を駆使した、「マジで折っている」としか思えない超暴力的・破壊的な関節技の数々に唖然・・・。もう恍惚となってくる・・・。化物じみたトニーの動きは、もはや芸術の域・神の域に達しているとすら言える。 何と彼は、この場面のために2年も関節技の修行をし、千以上もの技を覚えたという。その映画にかける思いとそれを実践していく様は、真のプロと言うに足るものであろう。 そして、「マッハ!!!!」「七人のマッハ!!!!」2作で儲けたお金をつぎ込んだだけはあり、アクション場面を守り立てる音楽・音響・映像美・破壊・爆破のスケールすべてにおいて格段にアップしているから、格闘アクション映画ファンとしてもはや何も言うことはない・・・。 今作は、役者と製作陣の優れた技術と思想、映画にかけるアツイ思い、そして往年の名作やその役者に対する敬意、そういったものすべてが高度に且つ見事に結実した、文字通りの「不朽の名作」である。 映画史上に残る素晴らしすぎる作品でありながら、未だに業界において確固たる扱い・評価を受けているとは、お世辞でも言えない。しかし、今作を見ずして、いったい何を見るのだろうか・・・。 すべての格闘アクション映画ファンよ、集え!! そして今作を見よ!!*余談 この作品で中国剣術使いを演じているジョナサン・パトリック・フーはジャッキーの秘蔵っ子。出演時間こそ長くはないが、その身体能力の高さ、動きの鋭さ、速さは凄まじいものがあった。正直に言って、ジャッキーは衰えた体でアクションを見せ付ける暇があるのであれば、彼のような優秀な弟子を売り出し、そのための優れた格闘アクション映画を撮るべきであろう。その偉大さはリー師父以外に比肩しうるものがいないとは言え、既に彼が第一線で格闘アクション映画に出続ける理由は、もはやない。 そうでないと、中国格闘アクション映画は永遠にタイのそれに勝てない。ジャッキーをはじめとした、中国格闘アクション映画の歴史を築いていった御大らの奮起に期待したい。 タイアクション映画最強説を構築した記念すべき第1作目。歴史はここから始まった!! こちらは第2作目。前作とは話的に何の関係もないが、アクションの凄さに関しては何ら引けをとらない化物作品。7人のアクションシーンがメインであるため、一人一人の出演時間が短いのが残念であるが、繰り出される超絶技の数々に、タイ人の誇りすべてが詰まっている。
2006/04/28 21:11|映画評 |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
さて、春のドラマが始まってから約2週経ちました。ざっとではありますが、毎度毎度の◎○△×評価と感想とを記していきます。 結論から言うと、今回の春ドラマは近年稀に見るクソさを見せていますね。久々に上記4段階に収まりきらない遠慮無用の激辛評価&文面となります。
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・トップキャスター △ ここ最近いろんなドラマで人気と視聴率とを得てきた天海祐希にすがり付いている感がありありとしているドラマ。案の丈というか当然というか天海の魅力に支えられている感でいっぱいいっぱい。矢田亜希子をはじめ他のキャラが全く立っていないと共に、イマイチどういうドラマにしたいのかの方向性がよく分からない。最初は報道をめぐる問題を扱ったドラマかと思いきや、報道話に無理やり人情話を絡めたような安っぽいもので・・・。 そもそも、お天気キャスターをしているアナに24時間つきっきりのアシスタントをさせるという出だしの設定・展開が最悪。こういうバカ設定で話を作ろうとすることが余りに業界ではびこりすぎている。 O君とのスキャンダルで人気失墜したこともあり、今作で起死回生を狙っているであろう矢田に関しては、「マイリトルシェフ」辺りで見受けられたまばゆいばかりの輝きが全くうせていてうんざり。もうそこら辺にいるただのネエチャンの方がよほど魅力的。かつてはファンだったのに・・・。 ところで今作を見ていると、ヤングジャンプで連載中で来週最終回らしい「女子アナ魂」を思い出してしまうのだが・・・。パクリとは言わないまでも、何か参考にしている感がないでもない・・・。・アテンションプリーズ ××× 70年代の同名作品のリメイクとのこと。はっきり言って今クールのドラマどころか、今まで見てきたドラマの中でも最高レベルの「ゴミドラマ」だろう。「ドラマをなめるのもいい加減にしろ!!」とキレてしまった。 上記にもあるが、設定や話の展開があまりにアホ・クソ・バカすぎ。 大体ろくにスーツも着ず、まともに会話できない奴が客室乗務員の採用試験に受かるわけないだろうが!! ボケい。訓練時おける上戸演じる役の態度も最悪。 ドラマならではの非現実な設定やストーリーを盛り込む場合、少なくともドラマの世界においては論理性があるか、ドラマを面白くする上で非常に効果的であるかを絶えず考える必要がある。 しかし、最近、小説でもドラマでも映画でも、非現実な設定とストーリーだけが先行し、作品としての論理性と面白みに欠けるバカ作品があまりに多すぎ。これはそれが際立って出た作品だろう。よ~こんな話が企画として通ったな。 もちろん話も演出もへったくれもないので上戸の演技そのものも限りなく最悪だ。 このドラマ、どうやらJALが製作に全面的に協力しているようだが、客室乗務員をこの上なく侮辱しているとしか思えない最初の10分の内容によく納得したなと不思議でならない。いくらなんでもなめすぎ。・ブスの瞳に恋している ×× 鈴木おさむと森三中・大島美幸の夫婦生活をつづったエッセーを基にした、いわゆる王道の恋愛ドラマと違う「ブスとイケメンのラブストーリー」を扱ったドラマである。 当初は、「外見至上主義」がはびこる社会やメディアに対する批判をユーモラスなタッチで描いた作品だと思い、期待していたのだが、見事に外れた・・・。 この作品の致命的なところは、「ブスの恋愛を描いたドラマ」であるにも関わらず「ブスが故の苦労」が=特に恋愛面における相手の男の気持ちを獲得するまでのそれがない点にある。つまりは何故男がブスの女に惚れたのかという論理的説明がかなりずさんなのである。 普通こういう作品では、最初こそその醜いビジュアルもあり男主人公に邪険にされつつも、人間性の良さなり何らかの特技の提示なりで徐々に彼を惹き付け、最後はハッピエンドーとなるものだ。それが、安直ながらも「人は外見だけではない」という外見至上主義に対する一定の批判とその論理的支柱となるのである。 しかし、このドラマでは、ヒロインが「物凄い美人」の時と同様ドラマ第一回目にして男性主人公があっさりとブスのヒロインに惚れてしまう。「ブスだけど彼女の人間的魅力に惚れて」 ではなく、「彼女の容姿の醜さに惚れた」 と、彼の好みが単に変わっているだけなのである。「ブスならではの恋愛ドラマ」という作品の根幹が全く成立していない。 まあ、それでもブスが故に恋愛に臆病になっている描写があるのがせめてもの救いだが、個人的にイエロージャーナリズムで言われているような「ブスブーム」を促進するドラマでは断じてないと思う。 特に美人代表として登場している蛯原友里の、作中での扱いの酷さときたら・・・ (トップモデルをトップモデル役に据えるなんて・・・。蛯原人気に頼ったカスレベルの配役だ。私が蛯原の立場だったら「バカにするな!!」と出演を蹴るぞ。) 考えすぎなのかもしれないが、美人を作中で低く扱う作品性がよりブスに対する差別意識を増徴させているような気もする・・・。結局は従来のドラマと同様、美人ヒロイン主義から何にも抜け出せていないのではないだろうか。・プリマダム ○ 黒木瞳主演ドラマ。今クールの中では数少ないマシと思える作品。ま、並でしょう。娘役の夏帆がかわいい。 ただ、中森明菜をあの役にしたのはどうかと・・・。
2006/04/27 21:54|ドラマ・テレビ番組評 |トラックバック:0 |コメント:10 |▲
さていよいよ終盤。最後までお付き合い下さい。
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・MC ここで30歳になった心境を語りだす。ちょうど10年前に大切な人との別れ(恐らく死別かと思われる)を経験し、未だにその傷から癒えていないというショッキングな内容であった。その人がFayrayとどのような関係にあったのか最初は分からなかったのだが、話の最後に「彼」と言ったのを私は聞き逃さなかった。そのときFayrayは学生。しかし、ひょっとしたらその人との将来を考えてもいたのではないだろうか。 だが、10年の月日が流れ、ようやく気持ちの整理がつくようになり、その時の心境を表現したものが「光と影」本編最終曲である「Angel」。 それにしても別れてから10年以上たった今でも、このFayrayの心を尚揺り動かし続けているとは・・・。いったどのような人だったのだろうか。 ただ、当人にとって耐え難い程の辛い別れが、Fayrayという希代のアーティストの優れた資質を引き出し、他を寄せ付けない楽曲を生み出す原動力となったのは間違いないだろう。彼女の楽曲により素晴らしい幸せを味わっているファンとしては何とも複雑な心境である。11・Angel ライブアレンジは比較的原曲に忠実であったものの、衝撃の告白とも言えるMCの後に聴くと全く違った感じに聴こえてしまう。この曲は、大切な人への葬送であると同時にFayrayのその人に対する気持ちの葬送でもあろう。 Fayrayの歌唱はどうしようもないくらいに素晴らしく、聴いていて恍惚となってくる。地に足が着いている感じが全くしない。 怒涛のインストが展開される後奏部分はまさに王道楽土。最高の感動がここにある。 自分にとっては、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」「in my dying」、アングラの「Lasting Child」と並び、臨終の際に聴きたい曲最優秀候補曲である。12・spotlight 「光と影」収録曲の中ではプログレ指数も低い「人界レベルの曲」であるが、ライブで聴くとその感想も180度変わる・・・。 終盤において調子を崩すどころか、より伸びやかさが増している歌唱は圧巻。だが、技術的な上手さもさることながら、それ以上に「気持ち」がしっかりと入りきっている点が素晴らしい。技術はあれどどこかしら物足りなさを感じずにはいられない若手アーティストに大いに見習っていただきたいところである。 Dメロ部分の流れるようで、それでいてタメのある歌唱と、終盤のファルセット部分における歌唱は、「怒涛」と言う以外にないだろう。○アンコール 1・不明 カバーなのかFayrayのオリジナルなのか不明だが、即興でやっているとしか思えないほどの荒々しさと豪快なノリが凄まじく印象的な、アダルトなジャズ調ハードロック。これまた70年代ハードロック、サイケデリックロックを髣髴とさせる曲だ。終盤劇的に曲調が変化する様は理解不能!! だが、そんなことお構いなく「アンコール」コールでテンションの高まった会場を更に盛り上げていく。 しかし、観客以上に曲を楽しんでいたのはFayray自身ではないだろうか。彼女は本当に音楽が好きなのだなと思う。・MC ここでは「涙」について語りだす。涙には様々な種類があるとの話になるが、イマイチ観客のクイツキが悪くふてくされる彼女はとても30歳になったとは思えないぐらいにキュートだった。2・tears Fayrayの経歴を代表する名曲の一つ。Fayrayの低音歌唱が冴えに冴え渡る・・・。妖艶な雰囲気にただただ聴き惚れるだけ。3・波 流れるような即興ピアノが言いようのない郷愁を醸し出す。波を表現しているピアノの一音一音が体内のリズムとシンクロしているかのような一体感があり、心地よくなっていく・・・。海の上をプカプカと浮いているかのようだ。<総評&今後の音楽性に関して・・・> 今まで見てきた中でも最高最強レベルの素晴らしいライブであった。堂々たるパフォーマンスとサウンド構築は、かのFEEl SO BADに匹敵するぐらいの凄まじさ。前回のライブとは全く反対で、心の底から大満足である。 あえて不満を言うなら、曲数が少なかったのと、「faith」「Over」「feel」「最初で最後の恋」「口づけ」といった曲もやってほしかったぐらいか。また、バイオリンを除く演奏メンバーがレコーディングメンバーであれば・・・。まあ、これは具体的なライブに対する不満というよりも個人的な願望・妄想にすぎないのだが。 それにしても、優れたアルバムである「光と影」収録曲をライブにおいて完全再現するどころか、よりプログレ色や前衛さを強め、さらに楽曲の完成度を高めているのにはもう言葉がない。 特に今回特筆すべきは、バイオリンの大胆な導入であろう。これにより叙情性や楽曲スケールが増すと共に、ラジカルトラッドにも通ずる前衛さ、鋭さが楽曲に加わり、新たな魅力を提示している。 さらに、プログレ的路線と共に人間の本能を高揚させる60年代後半~70年代初頭のハードロック、サイケデリックロック色があるのも非常に面白い。 全く対照的な音楽性であるが一筋縄ではいかない点と、人間の本能を揺さぶるという点、そして生半可な実力ではやることの出来ない音楽という点が共通している。音楽史上で最も輝いている時代の最高の音楽を現代によみがえらせるだけでなく、独自性を盛り込みつつ進化発展させているFayrayは、間違いなく最強最高アーティストの一人であろう。 現時点でラジカルトラッドや70年代プログレを彼女ほど高いレベルでやれるアーティストは、私の知っている限りではAnza率いるHead phones presidentぐらいしかない。 ニューアルバムと今回のライブをして、個人的にFayrayは、ガーネットクロウと小松未歩という私的2大アーティストを完全に凌駕し、事実上「ワントップ」となった。新居・菅野両巨匠やCOCCOですら、今のFayrayを凌いではいない。 タイアップや着メロ・着ウタを意識した曲作りや、大人の事情によるちんけなせめぎあいに支配されているようでは、永久にFayrayの領域にはたどり着けないだろう。今の彼女は、そう言い切りたくなってくるほどに凄まじい。 次の作品がどのような音楽性になるのか現時点では全く分からないものの、ラジカルトラッドへの傾倒をはじめ、プログレとして更なる進化・深化を遂げてくれそうな気がしてならない。 今年の音楽シーンにおける個人的な関心・楽しみは、「Fayrayに迫る作品を出せるアーティストが出てくるか」の一点に尽きる。果たして・・・。
2006/04/26 23:23|ライブ・イベントレポート |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
いよいよ中盤の山場。懲りずに長文レポに付き合ってくださいまし。
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7・光と影 前曲が構築した静寂を騒々しい電子音とギターのディストーションノイズがつんざく。まるで、プログレ四天王であるピンク・フロイドの最高傑作の一つにして20世紀最高最強アルバム「The Dark Side Of The Moon」収録の「On The Run」のようだ。イカれた音像が聴き手の神経をちくちく刺激し言いようのない感覚を抱かせる・・・。 Fayray自身が公言したことはないし、どの音楽雑誌においても触れられたことがないが、誰が何と言おうと今作はピンク・フロイドからの影響を強く感じさせるプログレアルバムであり、Fayrayは優れたプログレアーティストである。CD音源以上に今回のライブでの演奏がそのことを顕著に物語っている。これをプログレといわずして、いわんや何をプログレと言うのだろうか。 電子音中心のインストから曲本編へのつなぎに関しても、上記アルバムを髣髴とさせる。 Fayray自らの手によるピアノ演奏も文句なしに素晴らしく、聴き手を幻想的で甘美な世界へと引きずり込んでいく・・・。まさに光と影が織り成す至高のアート。 原曲との決定的違いは曲の途中からギターとバイオリン、リズム隊の演奏が怒涛のように入りハードロックとラジカルトラッドが織り交ざったかのような豪快で且つ前衛的な展開になったこと。このぶっ飛んだライブアレンジとメンバーの卓越した演奏とにより、この曲が元来持ち合わせていた静かで幽玄で甘美な魅力に狂気さや激しさ、圧倒的な凄みが加わり究極の対比表現を見せる。もはやこの凄さを文章で表わすのは不可能。ただ一言、「Fayrayは化物」に尽きる。 それは、演奏の持つ迫力に押されたのか、果てまた感極まったのか、それともその両方かは確認のしようもないが、通常は演奏終了少し前か終了と同時に行われるであろう拍手が完全に遅れてしまったという点一つを見ても十分に分かっていただけるのではないだろうか。8・Heaven ここで驚きびっくりの出来事が・・・。何とFayrayがフェンダー(たぶん)ギターを抱えたのである。思わず、「マジで?」と口走ってしまったのだが・・・。 それはともかく、コードを押さえているだけの簡素な演奏ではあったが、こげ茶色に近いフェンダーギターを抱える姿が凄まじく様になっている。どっからどうみても生粋のハードロッカー。いい女はいくつもの姿を持っているなどと言われるが、そのことを痛感した一瞬だ。 曲に関してはカバーなのかオリジナルなのか分からないのだが、優れた様式美とノリを有したブルース色もあるハードロック曲。今現在において殆ど死滅している70年代のそれと言うことが出来よう。会場のテンションが一気に盛り上がり総立ちとなる。 今日本人においても英詞をふんだんに盛り込み歌うアーティストが増えているものの、この人ほど英詞を歌っていることが嫌味でなく様になっている人もいないだろう。そのたたずまい、その才能、その歌唱、その発声のよさ・・・、そういったものすべてがそのように感じさせるのであろうか。 ま、そんなことはともかくこの曲の爽快且つかっこよすぎる魅力で、曲名である「Heaven」に行ってしまったのではと思ってしまうくらいの恍惚感を味わった。しかし、実はまだ「Heaven」に行ってなどいなかったことは、この時の私が知る由もなかった・・・。9・Nostalgia Fayrayが何と16歳の時に作ったというこの曲(まあ今のものとはだいぶ違うだろうが)。この事実をラジオのインタビューで知ったとき、「選ばれた人間」と「そうでない人間」との間にある如何ともし難い決定的な差というものを思い知らされた・・・。少女時代の彼女の、日々の生活で感じた様々な葛藤や苦しみ・怒り・哀しみなどに対する自己への問いかけが例えようもなく見事に表現された「光と影」収録曲の中でも屈指の名曲である。 まあそういった話はさておき、今回のライブでは原曲よりもやや早めのテンポで演奏され、より躍動感が強められていたように思う。 それにしてもこの曲におけるFayrayの歌唱は一体何なのだろうか。退廃感に満ちたA・Bメロ、至高のファルセットが冴え渡るサビメロ、怒涛のシャウトが心を震わすラスト・・・。そのすべてが圧巻であり問答無用に痺れてしまった。特に必殺・激殺フレーズであるDメロ「分け合って譲り合ってって言うなら~」と最後の「There's no way out」とのシャウトは、根こそぎ魂を持っていかれそうなほどに凄まじい。 今回のライブに来て良かったと、心の底から思えた瞬間、至高にして最高の時間であったとすら言える。10・Shame 聴き手の興奮を削がぬよう間髪いれずに放たれたこの曲。神様ジミ・ヘンドリクスや60年代のサイケデリックロックを髣髴させる恍惚とした魅力は聴き手の脳内麻薬を一気に増幅させる・・・。 Fayray自ら演奏したリフは、お世辞でも上手いとは言えないものの、そのたたずまいやステージ上での動作は例えようもなくかっこいい。 しかし、当然ながらレイドバックした歌唱はそれ以上にかっこいい。「Shame」の連呼の何とエロティックなこと。煩悩をこれでもかと刺激する・・・。 この「Nostalgia」から「Shame」へのつながりは、今まで体験したライブの中でも最も素晴らしいものの一つであろう。歓喜の極みここにありである。 だが、余りに素晴らしかったが故に一つどうしても~まさに贅沢としか言いようのないことだが~不満があった。やはりギターがかなり全面に押し出されたこの2曲に関しては、レコーディングメンバーである「リズムの魔術師」ことマーク・リボウのギター演奏で聴きたかった。 今回は日本人ギタリストによるギターとバイオリンとの演奏でマークのギター部分を再構築する形となったが、それでも神がかったリズム感覚と表現力とを有す凄腕ギタリストである彼の演奏を凌駕出来ていなかった。もし、この2曲のギターの演奏が彼の手によるものであったとしたら、私はほぼ間違いなく失神したことだろう。 その4へ続く。
2006/04/25 23:54|ライブ・イベントレポート |トラックバック:0 |コメント:4 |▲
さて、今回も引き続き詳細ライブレポを書きなぐっていきますよ~。 ネタバレありすぎるので、あとの2公演に参加される方はご覧にならない方がよいかと思います。
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2・不明 曲名などは不明。彼女のオリジナルかどうかもよく分からないが、とにかくアップテンポのピアノバラード曲。流れるようで且つ変則的なメロディーと、泥臭さ力強さ両方を感じさせる卓越したFayrayの歌唱に私の背筋は既にゾクゾク状態。軽快さと叙情性をかもし出すバイオリンの音色も秀逸。・MC 目を閉じることの重要性やその意味について切と語りだすFayray。講釈をたれている彼女も本当にカッコイイ。ややぶっきらぼうな語り口ではあるが、言葉の一つ一つがとても深くずっしりと心に響いてくる。3・closs your eyes 原曲よりやや早めのテンポとなっていたこの曲。しかし、原曲の持つ浮遊感やスケールの大きさが損なわれるどころか、Fayrayの極上としか形容しようのないファルセットによりさらに凄みが増していた。CDで聴いた感じでは比較的おとなし目であっさりとした感があったのだが、それは大間違い。ライブにおいてはとにかくその深く包まれるかのような彼女の歌唱にただただ、曲名のように目を閉じて聴き惚れるしかない。4・pain ←前半のクライマックス!! 前半のクライマックスであり、今回のライブにおいて最も凄まじい演奏を見せ付けたのがこの曲。 Fayrayのピアノが柱時計のような音を奏でる。てっきりニューアルバムの6曲目である「波」かと思いきや、リズム隊による腹の中に響き渡るかのような重厚な演奏とボトルネック演奏によるうねるようなギターの音色が始まる。そう、アルバムにおいて最もダークな曲、「pain」である。 アダルトなピアノバラードを信条としていたFayrayにおいて、まさに異色とも言える先鋭的な曲であるが、ライブにおいてはその演奏・歌唱共にもはやCD音源と比べること自体がナンセンスとしか思えないくらいに凄く、そしてキレていた・・・。 Fayrayの歌唱は、まさに数多人が経験してきたであろう様々な痛み・苦しみ・葛藤などすべてを集約させ憑依したかのように圧倒的な凄みを見せる。切れ味、おどろおどろしいまでの低音&高音ファルセットはもう神々しいとしか言いようがない。卓越したメロにのり言葉の一つ一つがナイフとなり聴き手を切り刻んでいく・・・。 聴いていて余りに痛く、同時に凄まじい感動すらも有している・・・。 しかし、この曲を盛り上げに大貢献したのはFayrayの歌唱だけではない。 今回のツアーで帯同されたバイオリンがとにかく凄まじかった。ラジカルトラッド(トラッドを前衛的に解釈した音楽)の要素を内包したプログレメタル・プログレハードアーティスト顔負けの前衛的でキレたバイオリンの演奏とFayrayの歌唱、バックの演奏とによる怒涛のジャムセッションが筆舌に尽くしがたい圧倒的な音空間を構築し、会場を支配する・・・。 ふと周りを見渡してみると涙している人が少なからず居た。しかし、各言う自分もかなりウルウルしていることに気づく。・MC 前曲の感動の余韻をそのままに、FayrayのMCが再び入る。一生のうちにどれだけかけがえのない人に、愛する人に出会えるか。そういったことに関するFayrayならではの考え・哲学が披露される。普通の人が言えば、クサいか白々しいとしか思えないような言葉も彼女が言えば圧倒的な説得力を持つから不思議だ・・・。5・願い 正直に言って「pain」の次の曲がこの曲ということにホッとしてしまった。この曲も素晴らしい曲であるが、「pain」のような息苦しさ圧力、神がかった凄みはない。こんな曲を立て続けに聴かされたらそれこそ身が持たないので、人界レベルの優秀曲であるこの曲の存在は本当にありがたかった。というか、こんなこと言わせる時点でいかに「pain」と彼女のライブでの演奏が凄かったかということを示しているのだが・・・。 Fayrayのゆったりとした聴き手を癒す極上の歌唱が会場中に浸透していく・・・。何だろう、この感覚は・・・。 彼女の歌唱は、今までライブで少なからず見聞きしてきたどのボーカリストの歌唱とも何かが違う。それが何であるか、ライブが始まってからというものずっとその答えを考え続けていたのだが、この曲を聴いてようやくそれを見つけることが出来た。 彼女の歌唱は、どの音域・どの旋律においてもその流れ、発声、表現に関し全くといっていいほど無理さがない 。よく苦しげな表情と一体化した声を振り絞るかのような歌唱や身を切るかのような壮絶な歌唱、力がこもった熱唱が人々の賞賛対象となり、自分も何度となく賞賛してきたが、彼女の歌唱はそういった俗世間レベルの評価指標を飛び超えている。悲壮さや苦しさなどは微塵もないのである。かといって貧弱さや迫力のなさも微塵もないのだが・・・。 恐らく発声の仕方が声楽のプロ並にしっかりしているのであろう。また彼女の体型を見るに「腹筋」をはじめとした体のあらゆるところがきちんと鍛えられていることも、彼女の卓越した歌唱を支えているのだと思う。 そして、その無理さのない歌唱が生み出す素晴らしい表現力。天から与えられた資質と本人のたゆまぬ努力、そして確固たる信念があるからこそ生み出せるものであろう。・MC ニューアルバム「光と影」の製作秘話が語られる。今までのアルバムは、やはりと言うか、商業的な意向がかなり入っていたようだ。しかし、この「光と影」は先入観も商的な戦略も全く考えず彼女の「本能と感覚のみ」で作られたとのこと。「本能と感覚のみ」でこれほどまでの作品を作り上げるとは・・・、Fayray恐るべし。悟りの境地に達したとも言える彼女にとっては、商業的見地など作品の質を下げ彼女の自己表現を妨げる以外の何者でもないのだろう。 しかし、そんな彼女もやはり一人の人間。様々な失敗、苦しみ、葛藤、感情のせめぎあい・・・。そういったものを積み重ね成長してきたからこそ今の彼女がある。そのことがMCのみならず、いやそれ以上に次の曲で語られる・・・。6・愛燦燦 CD音源と比べると、より民族音楽的要素が増幅されていたように思う。曲調はいたってのどやかであるが、そこに潜んでいるのは人間の喜怒哀楽のすべてであろう。 簡素な演奏ではあるが、だからこそじっくりと歌いこむFayrayの歌唱表現の凄さが際立っている・・・。 だが、どんなに名曲であれこの曲は天才美空ひばりの曲。Fayrayの真骨頂では断じてない。このことは次の曲が完璧に教えてくれた・・・。
2006/04/24 23:04|ライブ・イベントレポート |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
前回のライブにおいて様々な不満があったが故に、「来年も名古屋での公演が行われるようだが、恐らく行くことはないと思う。」などと、過去のFayrayのライブレポで書いてしまったのだが・・・。 しかし、このような考えを翻すに至ったのには、やはり6thアルバム「光と影」の存在がある。 70年代プログレを想起させる音楽性と圧倒的な完成度の高さを有し、ちんけな業界論理やメジャーアーティストのセオリーといったものを尽く吹き飛ばし、完全に境界外へと飛び出した今作収録曲を是非とも生で聴きたいとの欲求がどうしても抑えきれなかったからだ。 そして今回、その機会を、しかも最前列での鑑賞という最高の形で手に入れることが出来た。 ライブにおいていかなるものを見せ付けてくれるか、もうここ何日もそのことで頭がいっぱいだった。 結論から言うと、予想を上回る、それこそ「最高最強レベル」と言い切れるくらいの素晴らしいライブであった。以下かなり長くなるが詳細なレポを記す。
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今回の会場は名古屋でもかなり有名なダイヤモンドホール。通常はオールスタンディングのところ、今回は強引に椅子が設けられていた。 開始30分前になると早開場は人で埋め尽くされていた。予想通り客層のメインは若い女性であったが、30代の男性や自分の親くらいの年配の方も決して少なくはなかった。彼女の音楽が幅広い層からの支持を得ている証拠であろう。 ほぼ定刻どおりに証明が落とされ、バンドメンバーとFayrayが登場する。今回のライブサポートメンバーは前回と違い全員日本人。個人的に、マーク・リボウを始めとしたレコーディングメンバーが来てくれることに期待していたのだが、さすがにそれは無理だったか・・・。残念。 しかし、今回驚いたのは、メンバーの中にバイオリンを担当する女性がいたこと。Fayrayの楽曲とバイオリンの音色・・・、いったいどのように融合するのかこのときは皆目見当がつかなかったのだが、実はこのバイオリンこそ、今回のライブにおいて肝と言える役割を担うと共に、Fayray音楽の新たなる進化形の一端を提示したのである・・・。 さて、肝心のFayrayであるが、黒のデニムに黒のタンクトップと実にシンプルないでたち。しかし、シンプルないでたちが故に彼女の圧倒的なスタイルの良さと美貌とがこの上なく引き立っている。先週30歳になった彼女だが、全身全く無駄な肉がなく、ウエストを始め恐ろしいまでに細い。二の腕のしまり具合を見るに食事と運動共にかなり気を使っていることが伺える。ただ立っているだけで凡人どもを圧倒するすさまじい美貌とそれを上回る強烈な存在感、かっこよさ、知的なたたずまい・・・。まさにカリスマ。 申し訳ないけど、巷でもてはやされているCancamモデルやエロかっこいい人など全くもって相手にならないとしか思えない。カリスマというものは、このFayrayを指して言うのだろう。ほんと、人外の美しさだ。1・home 1曲目は予想通りニューアルバムのオープニングであるこの曲。Fayray自ら奏でる優雅で壮大なピアノの演奏に、浮遊感と幻想性、伸びやかさと深遠さとを兼ね備えた美しいボーカルを重ね人間の生活の根源である「家」について哲学的に問いかけていく・・・。 プログレ指数こそ高くはないが、やはりこの曲もプログレナンバーなのだと、今回生で聴いて改めて思う。 原曲との大きな変更点はスライドギターとバイオリンの大胆な導入。より深みとスケールの大きさとを演出していた。 最初少しだけ声が裏返ってしまったが、それ以外は1曲目とは思えないほどの完璧な出来。長きにわたるツアーの疲労など微塵も感じさせない見事なまでの伸びやかな歌唱だ。5thアルバム、カバーアルバムを経て、その歌唱力、表現力、美声に更に磨きがかかったことを早1曲目にして理解させられた・・・。 だが、この曲であっても、アルバムでもライブでも所詮はオープニング、つまりは「肩慣らし」の位置づけでしかない・・・。 つづく。
2006/04/23 23:40|ライブ・イベントレポート |トラックバック:0 |コメント:4 |▲
今回はグラドルとモデル中心の紹介となります。
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●モデル編 ・徳澤直子 Cancamの専属モデル。エビちゃんやら山田優やら押切もえやらの影に隠れてイマイチ目だってはいませんが、バツ丸はこの3者よりも彼女の方がずっと好きですね。最近ではコカコーラの「壮健美茶」、花王の「8×4」、ロッテの「ピュアホワイトガム」のCMに出演したり、三菱の「ネームEZ10」のイメージキャラクターになったりと、確実に活動の幅を広げていますね。
今年公開予定の映画「アザーライフ」では何と主役を演じています。
「今風」の容貌をした人で数少ない好きな人ですね。
・麗菜 徳澤さんと同じくCancam専属モデルの麗菜さん。所属事務所はあの堀北真希や内山理名と同じスウィートパワー。少数精鋭で一人一人を積極的に売り出していく方針で有名ですね。
大人っぽい雰囲気の持ち主やキツ系の顔が多い女性誌専属モデルにあって、癒し系にも通ずるホンワカとした愛らしい雰囲気を持っています。おっとりとした口調も合わせ、特定諸氏に強烈に訴えかける魅力があるでしょう。もちろん、Cancamモデルの肩書きに違わないスレンダーで長身の体型も文句なしです。
「めざましテレビ」で「早耳トレンド娘」として活躍中でもありますが、堀北さんと同じ事務所ということもあってか、TBS系ドラマ「クロサギ」で、ヒロインが尊敬する先輩役を演じています。黙って座っているだけでも凄まじい魅力を発散していて・・・。頼むからしゃべらないで!!とお願いしたい。
●グラドル編 ・長崎莉奈 抜群のスタイルの持ち主、というわけではないですが、愛らしいベイビーフェイスとちょっとぽっちゃりとしつつ、全体としてはスレンダーな体型にそそられますね。
さて、いかがでしょうか? 本当はもっと紹介したいのですがキリがないのでこの辺にとどめておきます。
皆様一押しの美人がいらっしゃいましたら是非ともお教えください。
2006/04/23 00:42|バツ丸の戯言 |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
歌姫好き、メタル小僧、女子アナ好き、映画好き、格闘アクション映画オタク・・・。自称 数々の「肩書き」 を持つ当ブログ管理人バツ丸。 こういった自称の肩書きにもう一つ加えるとするならば、間違いなく「美女評論家」 となるだろう。自分は不細工のダメ男のクセに、エンターテイメント業界で活動している女性の容姿にはやたらとうるさいから始末におえない。某所での日記では、既に自虐ネタか美女ネタばかりという思う存分の変態振りを見せつけているのだが、今回ここでもその一端?を発揮することに・・・。 というわけで唐突ではあるが、無名・無名に近い人でバツ丸一押しの美女たちを「モデル、グラドル、女優・タレントなどに分類し各分野ごとに紹介していく。
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●女優・アイドル部門 ・藤井美菜 映画「シムソンズ」で尾中美希役を演じ、鑑賞者の中で「あの美少女は誰?」と話題になった藤井さん。それより少し前にオンエアされていたインテルのCM(「あ、イタい」のやつ)や富士通の富士ゼロックスのCMに出演していた女の子といえば思い出す方も多いことでしょう。
事務所も小西真奈美さんや寺島しのぶさん、奥貫薫さん、樋口可南子さんなど実力派で美貌にも秀でた女優さんと同じヒューマニティーという点も、彼女に対する期待の大きさの現われでしょう。
今時の女の子には珍しい、年相応のかわいらしさと共に知的さや意志の強さを感じさせる凛としたたたずまいと端整なルックスが最高ですね。
一発でファンになってしまいました。
CM動画は
(こちら) 「ブルボン牛乳でおいしくつめたいココア」のCMが特にお勧め。
・平田薫 「恋するハニカミ」で現在レギュラー出演している薫ちゃん。昨年では「マジレンジャー」において、主役であるマジレッドが憧れるサッカー部マネージャー役を好演していましたね。
個人的に「ポスト長澤まさみ」の最有力候補だと思っています。とにかく弾けるような笑顔がかわいすぎます。かわいさだけで言えばまさみ様より上かもしれません。
CM動画は
(こちら) 「影牢Ⅱ」のCMがお勧めです。
・大後寿々花 映画「SAYURI」において「さゆり」の子役を熱演し、チャン・ツィイーを食っていたとすら言える大後寿々花ちゃん。生まれが1993年とやっと中学生というお年。最近の子役は福田麻由子ちゃんといいこの寿々花ちゃんといい、恐ろしい演技力と強烈な存在感とを発揮しすぎていて怖いくらいです。間違いなく今後の映画界をこの両者が引っ張って行ってくれることでしょう。楽しみですね~。
とりあえず来月に松平健主演の映画「バルトの楽園」で主役の娘役を演じます。もちろん、見に行きますよ。マツケンなんざどうでもいいさ!!
しかし、自分の半分の年にも満たない女の子に入れ込んでしまうとは・・・。昔絶対になりたくはないと思っていた「ロリコン」についに私もなってしまったということか・・・(泣
・加藤未央 日本生命「生きるチカラ」(夕立編)やロート製薬「なみだロート コンタクトドライアイ」のCM出演で密かに人気急上昇中の加藤未央さん。
今現在は東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科在学中で、しかもweb上でサイエンスコラム
(こちら) を執筆し、かなりの文才ぶりも見せている才媛でっす。くりくりとしたお目目がたまりませんね。
2006/04/22 07:34|バツ丸の戯言 |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
●大塚愛 「フレンジャー」
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1・フレンジャー ★★★☆ 作詞・作曲:愛 編曲:愛 Ikoman 日本テレビ系スポーツニュース「うるぐす」のエンディング曲として使用されている痛快なアッパーチューン。弱い声量、軽薄でノーテンキな歌詞、そんなのを非難するのはノンノン。とにかく聴いていて元気が出てくる痛快なノリとキュートさが素晴らしい。日本の有力アーティストを探しても、この手の曲でこのような魅力を出せる者は彼女しかいないとすら思えてくる。 これ以上ふざけすぎても真面目になりすぎてもダメな、絶妙なバランスとも言えるところで自身の魅力を効果的且つ合理的に発揮できているのは、彼女のセンスと戦略の良さであろう。 「ダ・ダ・ダ、ファイト!!」のところは思わずPVのようなポーズをとりたくなってくる・・・。2・甘い気持ちまるかじり ★★★ 作詞・作曲:愛 編曲:愛 Ikoman こちらは、好きな人への強い思いや彼との日常的な生活を綴ったラブソング。こういう旧時代の少女漫画にも通ずる世界観を持った曲と大塚の歌唱が中々の相性の良さを見せている。 はっきり言って聴いていてかなり恥ずかしいのだが、違和感なくこの手の曲を歌いこなせる資質は決して侮ってはならないだろう。技術や経験ではなく適性・センスの賜物である。 アルバムに収録されれば、アルバムの質を高める曲ではないだろうか。<総評> 「さくらんぼ」以降、実力・魅力は高く評価してはいれど、送り出してくる曲に殆ど納得していなかった大塚愛。今回の曲は抜群とは言えないものの、彼女ならではの魅力とセンスの良さを感じ取ることの出来た佳曲だと思う。 彼女の凄いと言うか、他のシンガーソングライターとの決定的な違いは、自分自身の力量・魅力をきちんとわきまえた上で、プロモ・ジャケ・歌・詞・歌唱・販売戦略・容姿などを融合させた「トータルパッケージ商品大塚愛」にすることによりそれらを増幅させているところにある。分かりやすく言うと、とりたてて歌が上手いわけでも優れた作詞家でもなく、美人でもなく、物凄くかわいくもなく、優れたスタイルの持ち主でもない彼女を何故か見過ごすことが出来ないのには、大塚愛を構成する各々の要素の一体化が各々要素を補完し彼女をより魅力的にしているから、ということだ。 思うに彼女は結構頭が良いのだろう。自分がどうすれば人々に魅力的に映るのか、何をすればウケるのか・・・。実に緻密に計算できているのだと思う。 彼女より美人で歌が上手いアーティストは数多くいれど、結果としていわゆる人気調査や売上げなどで彼女に及ばないのには、こういったことがあるからだろう。大塚に勝つには大塚以上の魅力をトータルで見せるか全く違う方法論をとるしかない。 しかし、大塚の取っている方法論は実に危険だ。やりすぎると作為的な感が出すぎて嫌味っぽくなるし、かといって抑えてしまうともともとのアーティストとしてのスキルの低さもあってか一気に淡白になってしまう。今回はたまたま上手くいったからいいが、果たしてこの先もそういくかどうか・・・。
2006/04/21 00:01|シングルレビュー |トラックバック:1 |コメント:8 |▲
●東野圭吾 「さまよう刃」 (朝日新聞社) 49点/50点 3月30日に書いた書評の続き。(前回はこちら) 。だいぶ間隔があいてすいません。 本日は恐らくパンライブ鑑賞でCDを聴けないので、かなり骨が折れるとは思うものの、がんばってこの作品の書評をあげようと思います。
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今作の秀逸なところは、残虐な事件を扱った小説にありがちな、「重犯罪を犯した少年にもっと厳罰を!!」という「応報刑論」にも、一方「いや、こういった少年達を更生させるのが少年法の理念だ」という「教育刑論」にも偏ることなく、凄惨な殺人事件=特に少年らによるそれを取り巻く様々な状況や問題を見事に、それこそ余すことなく描写しているところにある。特に、こういった小説において、殆ど描かれることのない「事件を報道するマスコミ」と「加害者の家族とそれらが持つであろう心理」を見事に描ききっているのには驚愕の他ない。そこには安直な理想主義も、現状追認でしかないリアリズムも超えた重み、凄みがある。 「社会的制裁」だの「正義」だの、「あなたのような被害者を少しでも減らすために」などといいながら、その実被害者遺族の切実なる思いを利用して金を稼ぐことしか興味がなく、後々のことは一切お構いなしで遺族の気持ち無視していくマスコミの実態の描写は、「フィクション小説か、これは?」と思いたくなるほどに生々しく、そしてえげつない。 しかし、それ以上に秀逸で面白いのが加害者家族の描写であろう。 これは、一般市民が凄惨な事件や少年らによる凶悪犯罪について語るとき、ある意味最も抜け落ちているところではないだろうか。 この小説では、何年も前に家を出て行き既に何の接点もない息子が犯罪を犯し、そのことをマスコミや世間から執拗に攻められいい迷惑の家族。自分の息子がどう考えてもまともではないことが分かっているにも関わらず「息子は悪くない」と思い込む家族。最初は事件に巻き込まれたかと思い、いかにも被害者的立場で発言していたにも関わらず事件への関与が取りざたされるや否や世間から逃げるように姿をくらました家族、など様々な家族が描かれている。 被害者の心理や法律などの矛盾点などに加え、こういった描写を通して作者が伝えたいであろうことは、法律をはじめとした様々な社会システムが、結局は犯罪や犯罪による被害を受けた当人や遺族にとってあまりに脆弱ではないかということと、それ以上に自分自身が犯罪者となった時、または「犯罪者の親族・関係者」となった時にいったいどのように法律や世間、そして犯罪者や被害者と対峙していくか、関わっていくかという覚悟の程に対する鋭い問いかけであろう。普段声高く、それこそ「刃」の如く「犯罪者」や「法律の不備」を批判していたことそのものが、まさに自分自身へと突き刺さり、切り刻んでいく・・・。それは決して「ありえない」とは言い切れない。そう、さばきの「刃」は自分に向くのだ・・・。 今作の面白さは、このことを奇抜な設定や糊塗された文章に依らずシンプルに示した点にあると言えるだろう。 もちろん、この問いに対する答えはない。というか、誰一人答えを示すことは出来ないだろう・・・。仮に答えが出たとしても、それが自分自身にとって良いものとは限らない・・・。それは今作の、賛否両論渦巻いているラストが何よりも物語っている。 何度でも言うが、今作は間違いなく社会派ミステリー史上に残る屈指の傑作。「騙された」と思って読んでいただけたらと切に思う。
2006/04/20 00:56|読書評 |トラックバック:0 |コメント:4 |▲
先日当ブログで書きましたCD進呈の件ですが、当初の予定通り本日で打ち切りといたします。予想以上に希望者が多くて正直驚いております。ありがとうございました。 誠に勝手ながら今回お譲りする方は1名のみでありますので、本日中に連絡のメールが行かなかった方は本当に申し訳ありませんが抽選漏れとなります。この場を借りての返事となりますが、今回メールを送っていただいた皆々様、なにとぞご容赦ください。 また、いずれ同じようなことをやるかもしれませんので、そのときにまたお願いいたします。もっと有効な抽選方法とかあればいいのですけど。 で、早速ですが、当ブログのユニークアクセス10万が近づいております。10万アクセスをゲットされた方に竹井詩織里の「桜色」「世界止めて」 のサイン入りCDを進呈したいと思います。前回の77777アクセスのときは誰も申告者がいらっしゃらなかったので、今回は是非ともお申し出いただけたらと思います。
2006/04/19 23:19|その他 |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
●Liv Kristine 「Enter My Religion」 88点 ジャンル:北欧ポップス・ロック ゴシックメタル (2006/02/13)1.Over The Moon 2.Fake A Smile 3.All The Time In The World 4.My Revelation 5.Coming Home6.Trapped In Your Labyrinth 7.Blue Emptiness 8.You Are The Night9.Enter My Religion 10.Streets Of Philadelphia 11.You Take Me Higher12.For A Moment <問題点・注意点> 1・ややゴシック歌唱的単調さが出ているところも・・・
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90年代のゴシックメタルシーンを牽引してきたゴシック四天王「Theatre of Tragety」の元ボーカル且つ、現「Leaves' Eyes」のボーカルであり、「ゴスクイーン」と称されている歌姫リヴ・クリスティン嬢の2ndソロアルバム。
今まで培ってきた経歴もあり、ソロである今作においても「これぞゴシック也や」と、ゴシックの真髄を見せ付けてくれる作品だと思っていたのだが・・・。
いい意味でそのような思い・先入観を見事に裏切ってくれる快心の王道ポップス・ロック作品となっているのには、かなり驚いてしまった。
爽快さと北欧アーティストらしい哀愁とが織り交ざった秀逸な北欧ポップス曲である1曲目、荒涼としたギターとコケティッシュなボーカルが冴え渡る3曲目、エッジの効いた打ち込みと退廃感に溢れるアンビエントなダークナンバーである8曲目、アップテンポでテクノっぽい雰囲気を見せる11曲目などは、「ゴシックのゴの字」もない。いや、それどころか、イギリスやアメリカのチャート上位に入ったとしても何ら不思議とは思わないぐらいに、一般リスナーでも全く苦なく聴けるであろうキャッチーさすら備わっている。往年の彼女しか知らない人が聴いたら、ほぼ間違いなく「えっ!!?、これがリブ・クリスティン?」と、自分の耳と頭とを疑ってしまうことだろう。
しかし、だからといって単なるポップス・ロック作品に収まっていないのがこの作品の侮れないところであり、リヴ・クリスティンの凄いところである。
「聴いてくれ」のキャッチーさや、シャープで哀愁漂う北欧サウンドの中に巧みに盛り込まれるシタールやマンドリン、アコースティックギターが効果的に配された民族音楽サウンドがとにかく秀逸。北欧的哀愁・郷愁や楽曲のスケールやしみじみとした美しさをより増すのに絶大な威力を発揮している。2・4・7曲目などはその好例であろう。
一方、リブ・クリスティンの歌唱は、少しゴシック歌唱的しつこさや単調さがないでもないが、持ち前の美声と長きに渡る経歴で培ってきた表現力が意外なほどに通常ポップス・ロックにマッチしており、バンド活動時ではなかったボーカリストとしての新たな一面や実力の高さを見せ付けている。「本当に上手い歌い手は何を歌わせても上手い」である。
だが、彼女ならではの必殺の魅力を出せるゴシックナンバーである6曲目が間違いなく今作のハイライト。今作をビシッと締めると共に、この手のジャンルの頂点に君臨していることをまざまざと理解させられる。やはりゴシックナンバーを歌ってこその彼女だ。
恐らく当サイトをご覧の皆様の殆どが彼女を知らないだろうが、今作は幅広いリスナーに安心してお勧めできる良質のポップ・ロック作品である。入手困難な状況であるのが残念であるが、決して入手不可能ではないので、試聴(
(こちら) して気になった方は是非入手していただきたいところ。
国内盤が出ないのが不思議。
2006/04/18 01:07|アルバムレビュー |トラックバック:0 |コメント:8 |▲
●中西貴之 「最新科学おもしろ雑学帖」 技術評論社
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告白しよう。私バツ丸は理系科目がてんでダメである。英語も日本語作文もダメなのだが、理系科目の比ではない。学生の時は、「何でこんなことをしなければならないのか」「いったい何の役に立つのか」と日々思い続けていた。しかし、それが愚かな考えであると気づいたのは、つい最近なのであるが・・・。当然、時既に遅し・・・。 ま、それはともかく、「大人としてそれはどうなんだ」「やはり常識として知っておかねば」という、まさに恥の意識にも似た思いがあり、時々ナツメ社の「図解雑学」シリーズやら、日刊工業新聞社の「トコトン」シリーズやらを読んで「理系学問」の情報収集に努めてはいる。今回もその一環として読んだのであるが・・・。 得てして「定説」や有名な事象一つに対する解説に終始しがちな従来の入門雑学系書籍と違い、この書籍は物理学・量子力学・天文学・数学・地学・進化論・医学・ロボット工学・環境学・材料学などと、非常に幅広い分野を取り扱っているのが面白い。それのみならず、「最新の学説や研究成果はどうなっているのか」に関してもしっかりと記載されているのが大きな特徴となっている。一つの事柄を学ぶのではなく、様々な事柄のおいしいところと、そのおいしい部分たちの関係性まで分かるのは、手っ取り早く様々な情報を収集したいと思っている雑学好きにはもってこいの構成であろう。しかしだ、ヒジョーに騙されたと思うところもいっぱいある。 この書籍、上記にあるようにかわいらしい?「アインシュタイン」のマンガ絵が表紙となっていることから、「あまり理系分野に詳しくない人向け」の理系入門用の書籍 だと思いきや、最新学説を積極的に紹介していることもあり、「やたらと難しい」 というか「わけわからん」 。例えば、P14: さて、ブレーンワールドはM理論と呼ばれる超弦理論の背後にある未完成の究極理論から生まれた考え方で、私達の3次元空間というものは実は「膜」に埋め込まれているのだ、というものです。そして余剰次元はその外側にある・・・。 P17: 「宇宙誕生の直後、ビックバンから100万分の数秒後、宇宙は2兆度もの高温と高密度状態でした。このとき素粒子クォークとクォーク同士を結びつける役目を持つグルーオンがどのような状態であったのかを知ることは宇宙誕生の秘密を解明するために重要なことです。 また、P32: 宇宙は誕生したときわずか10のマイナス33乗センチメートルしかありませんでした。そして、宇宙の誕生から10のマイナス35秒後に急激に宇宙の膨張が起きましたが・・・ はい、さっぱりわかりません。「何でそんなことが分かるんだよ、言えるんだよ!!」 と喚きたくて仕方ありません。上記説明を理解できないのは、単に私だけなのだろうか。私が愚か過ぎるからだろうか・・・。理解不能のオンパレードである。 もちろん、上記紹介した文面はこの書籍の「ほんの一例」に過ぎないのは、言うまでもない・・・。 この書籍を読んで思ったのは、理系科目の奥深さもさることながら、それ以上に「理系科目とは選ばれた人間のみが学ぶものだな」ということ。天才作家東野圭吾も自身の半生を振り返った自伝「あの頃ぼくらはアホでした」(集英社)において何度も何度も語っているが、安易な気持ちで素人がやるものではない。こういった分野の研究でご飯食べている人は、もはや自分にとって「宇宙人」以外の何者でもない。出来もしない人間にこのような恐ろしい学問の数々を必要以上にやらせるのは酷且つ不毛であろう。「理系離れ大いに結構」とまで最近では思うようになっている。凡人は常識の範囲で知っておくだけでよい。 しかし、それにしても理系科目もダメ、国語も英語もダメな私って・・・。 Fayray姐さんみたいに数々の能力・魅力に秀でた人もいれば、私のように何一つとりえがない者もいる。世の中は・人類は何て不平等なんだろう(泣。 とは言え、読んでいて「内容が殆ど分からなくても、自ら学ぼうとするのはやはりいいことだ」と思うのも事実。勉強するのに年齢も立場も関係ない。だから本の乱読をやめられないのだが・・・。
2006/04/17 22:12|読書評 |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
サイトを始めてからというものの、猛烈な勢いでCDが増殖し・・・。 音楽好きではあれど、結構冷淡なところもあり、気に入らない作品や飽きてしまった作品をためらいもなく中古ショップに売ってしまうことも少なくありません。 というわけで、今回「売るにはもったいないな~」と思える作品たちを普段当ブログをご覧いただいている方々にお譲りしようと思います。
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内容や条件などに関しては、1・今回は管理人が所有しているCDを「お譲りする」ということなので、これで儲けようというつもりはありません。但し、「着払い」での発送とします。ようは送料だけ負担していただくということです。 2・それに伴い氏名・住所・電話番号・郵便番号などの個人情報を教えていただくことになります。その旨ご理解ください。それらの公表は絶対にいたしません。もちろん、その逆も然りです。CDが届いたとの連絡を受け次第責任を持って情報は削除します。 3・当然今回お譲りするのは「中古CD」なので、大切に扱っているつもりではありますが、ジャケやCDそのものに汚れ・傷などもあるかと思います。中にはレンタル流れのものもあります。 4・下記に記すCDを、少なくとも5枚以上引き取っていただける方のみにお譲りします。 5・以上の条件を呑んでいただける方、メールでご連絡ください(メールフォームよりお入りください)。 6・但し、希望がブッキングした場合相互リンクしている方や懇意にしてくださっている方を優先します。そうでない場合は、数多く引き取っていただける方を優先します。そうでない場合は、申し訳ないですが早いもの勝ちで決定します。 7・期限は今週の水曜日までとします。それまでに一人も希望者がない場合は、今回の話そのものをなかったことにします。 というわけで、今回お譲りする(引き取っていただきたい作品)は、1・上木彩矢 「Communication Break」 2・the★tambourines 「sounds good~日めくり写真」 3・菅野よう子 「攻核機動隊サウンドトラック第三弾」~「stand alone Complex O.S.T.3」 4・小松未歩 「君の瞳には映らない」 5・柴田淳 「あなたとの日々」(DVDつき) 6・滴草由実 「花Kagari」 7・ZONE 「僕の手紙」(レンタル流れ) 8・OOM 「REVOLVER」 というわけで、宜しくお願いします。
2006/04/17 01:27|その他 |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
●上木彩矢 「ピエロ」
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2・桜絵 ★★★ 作詞:上木彩矢 作曲・編曲:麻井寛史 アコースティックサウンドを適度にまぶしたハードロックバラード。Aメロ・Bメロが静で、サビが動とも言うべき王道の展開を見せる。随所に挿入されるアコギとエレキギターのバッキングも効果的で、まずまずの曲ではあるが・・・。 しかし、彼女の真骨頂であろう激情表現がない。何だか枠にはまった感情表現という感じがして・・・。曲が彼女の魅力・技術・潜在能力を十二分に引き出せていないような気がする。<総評> 前シングル「Communication Break」の時と同様、今回もその出来に大変がっかりしている。 その最大の原因は、インディーズアルバムの曲にあったような先鋭さや突進力、激情、何者にも屈しない強さなど、既成の枠などぶち壊す・他者の存在など意に介しないかのような圧倒的な魅力を感じ取れないことにある。何だか万人ウケを露骨に狙ったことが裏目に出た「最大公約数的楽曲」のように思えてならない。 上木の歌唱に関してもまずまずであるが、楽曲が、激しく・気高く・力強く・鋭く・それでいて凄まじいエモーショナルさもあるという彼女の絶大な魅力・実力を殆ど引き出せてはおらず、どころか削ぎ落としている。インディーズアルバムで見せてきたものには程遠い。いくら技術や魅力があっても、これでは意味がないというものだ。 また、B’zのカバーで売り出そうとする戦略にも疑問がある。確かにいくら実力があっても存在が知られなければ、売上げを稼がなければ活動を継続していけない。「売れてナンボ」「売るために利用できるものはとことん利用する」という考えは至極もっともである。しかし、本当にこれでいいのだろうか? 今回の曲を含めメジャーデビュー以降の曲らが「ハードロックの天才上木」の魅力を余すことなく伝えているのだろうか? アーティスト上木彩矢の、この先の活動を考える上で最高の戦略なのだろうか? それは違うだろう。良曲をしてアーティストの魅力を伝えきることこそが何よりも重要であろう。偽の魅力を提示して売れたところでそんなものは詐欺だ。個人的に何の興味もない。彼女の「本当の魅力・実力」を伝えるのであれば、戦略としては稚拙さを否定できないものの、2ndインディーズアルバム収録曲~「Crazy」あたり~をリマスター&カットするのが一番である。どうしてもB’zと絡めて売りたいのであれば、B’zの曲を2曲目にし、「ダブルA面」作品とすればいいだけのことだ。 実力・魅力があっても社からの積極的な支援が得られず、積極的な支援があるかと思えば今度は楽曲がだめで・・・。GIZAってところは本当にわけがわからん・・・。 既に発売が決定している3rdシングルは、曲名が「もう君だけを離したりはしない」 と、三枝的センスの悪さが炸裂していて・・・。 「仏の顔も3度まで」という言葉がある。もし、次のシングルが満足いくものでなかったら、その時は遠慮なく上木を切り捨てる。私にとって最高のアーティストとは良曲を提供し魂を揺さぶってくれる者であるので。曲が悪くてもその人をとにかく応援する・支えていくという趣味は私にはない。たとえそれが誰であってもだ(唯一の例外は北原愛子)。 そのような結果にならないことを心から願っている。
2006/04/16 18:16|シングルレビュー |トラックバック:1 |コメント:2 |▲
・評価:65点 本日は名探偵コナン劇場版映画の公開日。仕事終了後あれこれ急いで用事を片付けて行ってきた。開始時間が夜の9時10分ということもあり、きっとガラガラだろうと思いきや、いつも行っている映画館ではめったに見ることが出来ない、子供大人問わず幅広い年齢層による人だかりが・・・。 「うげ~、こいつら全員コナンか!!?」と信じたくない推測をしたが、見事なまでに的中。何だかんだ言ってもコナンは大人気のようだ。喜ばしいこととはいえ、のんびり映画鑑賞をしたい私にとっては最悪の状況・・・。つ、辛い・・・。 コナンの劇場版といえば、実写映画顔負けのスリリングな展開とアニメならではのコミカルな描写が魅力であったが、「ペーカー街の亡霊」を最後に、ここ数作はご都合主義で且つ稚拙な展開ばかりが目に付く凡作・駄作へと成り下がっている。今回は記念すべき10作目ということと、予告編を見たときの好印象とがあり、「久しぶり」にいい映画になると思っていたのだが・・・。
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<あらすじ> 素性不明の人物の依頼により、横浜にあるディズニーランドっぽいテーマパークに隣接する巨大ホテルへと呼ばれた毎度毎度のコナン君御一行。依頼者とその秘書の心遣いにより、上流階級の人間ですらめったに目にすることが出来ない「館内にあるすべてものを無料で利用できる腕時型のフリーパス券」が与えられる。皆大喜びで遊びに行くが、何故かコナンは引き止められることに・・・。 そのことと、素性知れない依頼者及び「君たちにあるひとつの事件を解決してもらいたい」の言に胡散臭いものを感じ取ったコナンであるが、時は既に遅かった。まんまと卑劣且つ狡猾な罠にはまってしまったのである。実は、フリーパスとして与えられた腕時計が、「GPSつきのプラスチック爆弾」であったのだ。12時間経つか、無理やりはずそうとするか、テーマパークの敷地を一歩でも出ると爆発する仕組みとなっている。しかも「事件を解決してもらいたい」との依頼であるにも関わらず、コナンらに与えられたヒントは抽象的でよく分からないものだらけ・・・。 「与えられた12時間以内に依頼内容を的確にこなさないとすべての爆弾を爆発させる」と脅されたコナンと毛利小五郎は強制的に依頼を受けさせられることに・・・。 果たしてコナンと毛利小五郎は依頼をこなし、無事に皆を救い出せるのか!!<感想> 依頼の謎を解く前に、そもそもの依頼が何であるかを先に解き明かしていく「謎の2重構成」。このテーマパーク一番の人気である「スネークコースター」の一部分がテーマパークのエリア外に出ることもあり、「事件解決とともに皆の行動にも気を配り続けなければならない」という設定。最後までハラハラさせてくれる展開。そして、真相の提示により明かされた事件の本質などに関し、それなりのミステリー性やスリリングさがあり、コナンならではの面白さがあったと思う。なまじの洋画サスペンス映画を見に行くよりは遥かに面白い。 が、しかし、これがコナンの劇場版作品、しかも「10周年を記念するそれ」と考えた場合、少なからずあった良さと共に見過ごせない問題も多かった。 まず、「10周年」ということで、通常時よりキャラが多く登場したのだが、まずこのことが仇となった。 白馬とキッドの登場及び事件への介入により、通常時の劇場版で考えられる「コナン単独」「コナンと灰原」「コナンと服部」ないしはそれらに加え「少しだけ毛利」という「謎の解き主の構図」 が崩れてしまい、事件解決におけるコナン・服部というメインキャラの貢献度が著しく下がっているのはいただけない。しかも、事件解決における重要ポイントや作品の「おいしいところ」の多くをこの両名にさらわれすぎ。 また、登場する人物それぞれにそれなりの話を振り分けていかなければならないことから、話そのものがかなり散漫で強引となり、且つスケールも小さくなってしまう問題も生み出してしまった。 個人的には白馬・キッド・妃英利の3者や横浜署の警官達は要らなかったと思う。特にキッドはいらない。奴が出て来ると、そこの部分だけ空気が変わり茶番臭くなりすぎて話しに面白みや重みを感じないのである。 そしてもう一つは、「10周年」であるにも関わらず、話が「黒の組織との対決」でなかったという、ストーリーそのもののに対する根本的な疑問だ。 「探偵たちへの鎮魂歌」と言うことで、黒の組織によって「探偵一斉粛清計画」が発動され、それをコナンらが必死で阻止するという話になると思いきや、単なる一般人の底の浅い愛憎劇となっていて・・・。通常は「ミクロな話」であるが、劇場版では「マクロな話」となるコナン劇場版の醍醐味にも反している。この内容であらば、季節の変わり目にやるであろう「2時間スペシャル枠」でやれば十分である。 (もし、ミクロな話でするのなら、「探偵の存在意義とは何か」といったことを言及してほしかった。) 私がコナン劇場版に求めるのは、「時計仕掛けの摩天楼」「天国へのカウントダウン」「ベーカー街の亡霊」らといった「大人子供関係なく、アニメ云々関係なく、とにかくスケールの大きいスリリングで面白い話」なのである。「そこそこ見れる作品、まあ面白い作品」は一切不要。既に2007年に第11作目の公開が決まったが、作者をはじめとした劇場版製作者の方々には、「コナン劇場版の醍醐味は何なのか?」ということを一から考え直していただきたいと思う。
2006/04/16 00:12|映画評 |トラックバック:1 |コメント:6 |▲
某所で書いたものの加筆訂正版です。既にご覧になられた方、すいません。 最近仕事が忙し&キツすぎて・・・。 さて、人間疲れてくると、とっぴょうしもないことを考えてしまうものです。 というわけで、今回のテーマは、ニューシングルのあまりに素晴らしいジャケが話題を呼んでいる?麗しの愛子様に「着ていただきたい衣装(コスプレ)ベスト5」を勝手に考えてみました。
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5位:テニスルック まずはこれでしょう。アンスコから除く足は男のロマン。 是非とも愛子様と「そーれ」とのたまいながらほほえましくテニスで汗を流したいものです。まあ、テニスルックの彼女に見とれてテニスどころじゃないでしょうけど。 4位:アオザイ ベトナムの民族衣装であるアオザイも愛子様にお召しいただきたい衣装の1つ。スレンダーでスタイルがよく、さらに美人でないと映えない服はまさに愛子様にうってつけ。 昔、大石恵さんがとある旅行バラエティー番組で見事なアオザイ姿を披露していますが、愛子様がアオザイをお召しになれば恵さん以上の魅力を発揮できるのではと思います。これぞアジアンビューティー 3位:ナース服 男が弱い衣装の一つ。ナース服を着た彼女に「お注射しますよ~」と迫られて抵抗できる人物が果たしているのか!!? しかし、真面目な話、彼女にナース服を着させて街頭で「献血キャンペーン」でもやれば、慢性的となっている医療機関の血液不足の解消に少しは貢献できるのではないでしょうか。 2位:チャイナドレス 「本当の美人とはチャイナドレスが似合う人」という勝手な哲学を持っている私。愛子様がお召しになっている姿を想像するだけで・・・(爆 扇子片手に迫られた日にはもう死しかありません罠。 1位:OL服 1位は意外かと思われるかもしれませんが、いわゆるOL服でございます。しかも、ちょうど今ぐらいのような肌寒い時期限定で・・・。 OL服の上にカーディガンを羽織り、体を少しすぼませながら財布片手に昼食を買いに行く姿・・・。 これはサラリーマンの理想でありましょう。 クラっとしてしまいますわ。 愛子様はOLではありませんので、現時点でこのような格好をすることは上記スタイル以上にありえませんが、どのような感じになるのか大変興味がありますね~。 以上が結果でしたが、皆様如何でしたでしょうか? ま、愛子様なら何を着てもお似合いでしょうけど。 大丈夫か、オレ!!
2006/04/15 01:19|バツ丸の戯言 |トラックバック:0 |コメント:3 |▲
●MARIA 小さな詩 続きはまたです。
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1・小さな詩 ★★★ 作詞:舞衣子 作曲:TATTSU 元ZONEのベース兼ボーカルであった舞衣子を中心に結成されたガールズバンド、MARIAの1stシングル。 記念すべき表題曲は、別離の悲しさとそこから立ち上がる様を描いたであろうロックバラード。恐らく業界初であろうツインベース、ツインボーカルという構成もあり、ZONEよりはサウンド構成、特にベースが少し重厚となっているが、「舞衣子がリードをとったZONEの未発表曲ですよ」と言われても信じてしまいそうなくらい、ZONE的な爽快で且つ哀愁漂う曲調となっている。 ZONE時代ではMIYUの存在に隠れていてそれほど意識したことがなかったのだが、こうやって改めて舞衣子のリードボーカルを聴いていると、「彼女もいい声していたのだな~」としみじみと感じさせられる。読んでいると恥ずかしくなってくるような詞と憂いを帯びた彼女の声との相性は抜群で、「泣ける」ではなく、「ツンと来る」「静かに感傷に浸れる」雰囲気を構築しているのも如何にもZONE的。 特別に何かが凄いということはないものの、演奏も歌唱も詞も丁寧に作られたまずまずの曲ではないだろうか。 ただ、聴いていて不安や不満、釈然としないところがあった。このことに関しては総評でまとめて書く。2・空来~ソラ~ ★★★ 作詞:舞衣子 作曲:TATTSU イントロのベースとキーボードーの演奏がセンチメンタルな雰囲気をかもし出すミドルテンポのロックバラード曲。表題曲同様、舞衣子の憂いを帯びた歌唱が耳を惹く・・・。 ただ、彼女の歌唱が冴え渡るA・Bメロに比べると、明るさ・爽やかさのあるサビの展開がやや安直且つ単調のような気がするのが残念。 悪くはないが、「あと一歩のところで良曲になり損ねた曲」だと思う。<総評> ずば抜けた何かがあるわけではないが、表題曲・カップリング両曲ともまずまずの出来だと思う。特にボーカルである麻衣子の歌唱の魅力をほぼ全編にわたり感じ取れ、「いい歌い手である」と再認識できたのは今作の一番良かった点であろう。 ただ、楽曲はまずまずだったものの、今作を聴いてこのグループには見過ごせない結構深刻な問題があると思わずにはいられない。 まず1つ目は、曲に関し「ZONEとの差異を現時点で殆ど見出せないこと」 。 まあ、これは、このグループの当面の支持母体が「ZONEファン」であり、さらにこういったファンを社が取り込んでいかなければならないことから商業的観点において致し方ない面もあり、一概に「悪い」とは言えないのだろうが、率直に言って個人的にはかなり不満がある。 結局ZONE的な曲をやるのであれば、舞衣子以外の面子に存在理由はないし、それどころかMIYUがいればいいだけだからである。 2つ目は、1つ目の理由と被るところもあるのだが、「6人のメンバー構成が活かしきれていないこと」がある。 業界初であろうツインボーカルツインベースの編成であるものの、現時点の曲調であるのなら、これだけ大げさにする必要はない。それ以上に舞衣子の歌唱が目立ちすぎていて、「ツインボーカルになっていない」点が、このグループの存在意義そのものに疑問を感じずにはいられない。 まあ、最初となるこのシングルのみであれこれ言いやくのも大人気ないが、今後もこの調子で行くのなら少し考え物であろう。 出来れば、少しずつでもかまわないので、このグループならではの魅力を見せていただきたい。ZONEっぽい曲をやるのであれば、ZONEのベストアルバムを聴いていればこと足りるので・・・。
2006/04/13 23:44|シングルレビュー |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
●安藤裕子 「Merry Andrew」 81点 ジャンル:J-pop 情念系 (2006/01/25)1.ニラカイナリィリヒ 2.Green Bird Finger. 3.のうぜんかつら 4.煙はいつもの席で吐く 5.み空 6.あなたと私にできる事7.さみしがり屋の言葉達 8.ポンキ 9.愛の日10.Lost child, 11.夜と星の足跡 3つの提示 12.星とワルツ13.彼05 14.のうぜんかつら(リプライズ)<問題点・注意点> 1・作りすぎた声音と歌唱は聴き手を選ぶ 2・曲の出来にムラがある 3・アクが強い作品であるのに収録曲が多い 4・出来が良すぎる前半に比べ後半が弱い
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商業的・亜流的な感じが強いエイベックスアーティストには珍しく、笹川美和・OLIVIA・志方あきこらと同様、確固たる実力と世界観とを有した稀有なアーティスト、安藤裕子の2ndアルバム。既にCMやアニメのタイアップとなった曲が注目され、ブレイクの兆しが見える彼女であるが、今作はそういったことを裏付ける「今年を代表する良作」ではないだろうか。
彼女の音楽をジャンル区分すると、「個性派アーティスト」「情念系」になるのだろう。だが、ピアノバラードあり、前衛的な曲あり、民族音楽調の曲あり、ダークで幻想的なバラード曲あり、ニューミュージック調の曲あり、爽やかな曲あり、とこういった系統のアーティストには珍しく曲種は非常に幅広い。それはまるで、20世紀後半の個性派アーティスト(COCCOや鬼束ちひろ、ビョーク)や往年の名アーティスト(松任谷由実、ケイト・ブッシュなど)の曲を安藤流に再構築したかのようである。
よって、楽曲に関しては「曲種が多彩」という以外情念系・個性派シンガーソングライターとしての個性がそれほどあるわけではないが、一方でこのことが個性派アーティストには似つかわしくない楽曲の聴きやすさ、特にポップ性をもたらすのに寄与した。とはいえ、彼女の音楽に個性がないかと言われれば、断じてそうではない。彼女ならではの個性を構築しているのは、曲を歌う彼女の歌唱にあるのである。
元来持ち合わせている特徴的な声質を、「歌い方が被っている曲がないのでは?」と思ってしまうほどの、まるで様々な役柄を演じる女優のように自在に変化させて歌っていく歌唱は、人間誰しもが持っているであろう、特に女性の優しさ、怖さ、醜さ、強さ、弱さ、いやらしさといった様々なものを見事に表現している。
ポップ性もある多彩な楽曲と安藤の個性的歌唱との奇妙で絶妙な融合・・・、これこそが安藤の真骨頂であろう。
と、ここまでは誉めては見たものの、やはりと言うか個人的に今作は苦手。点数を抑え目にしたのはいくつか理由があるが、そのことは今作の問題点・注意点にもなっている。
結局のところ今作の評価に関しては、安藤裕子の歌唱・声質をどうとらえどう評価するかの一点にかなり集約されているからである。
曲の多用さや彼女の魅力の源泉になってはいるが、作為的な感じがありありとする癖のありすぎる声音・歌唱は、そこにどうしても「あざとさ」を感じてしまわずにはいられない。高音部分でやたらと声がひっくり返る点も、聴く人によっては大きな抵抗を感じてしまう大きな要素であろう。はまる人はとことんはまるが、そうでない人は全く受け付けられない、今作はそういった作品だ。
また、このように癖のある歌唱が軸となっている作品であるにも関わらず、収録曲が14曲と多いのも今作の問題点。通して聴くのはかなり辛い。彼女の個性的な歌唱が上手くマッチした良曲がひしめく前半7曲に比べ、失速感が否めない後半7曲及び、作為的な歌唱が鼻につきすぎる5・8・13曲目の存在を、収録曲を減らすなり、歌い方を工夫するなり、曲順を工夫するなりでもう少し改善させられていたら、評価はもっと高くなったことだろう。
サイトでの試聴やテレビ出演などを見て彼女の歌唱・声質に抵抗を感じないのであれば間違いなくお勧めの作品であるが、そうでないのなら安易に手を出すのは控えたほうが良いだろう。
今後は作為的な歌唱を抑え、より曲との一体感と楽曲の個性を出していくのが彼女の大きな課題であると思うが・・・。
・アーティスト評価 歌唱力 9 () 作曲 9 () 編曲 9 () 独創性 9 () 安定性 8 () 格 9 () 総合 8 () 熱中度 6 ()
2006/04/10 00:01|アルバムレビュー |トラックバック:0 |コメント:0 |▲
●山田タマル 「My Brand New Eden」
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1・My Brand New Eden ★★★☆ 作詞:山田奈奈 山田タマル Morgan Fisher 作曲・編曲:中谷靖 篠原涼子、蛯原友里、伊藤美咲、栗山千明とそうそうたる顔ぶれが共演する資生堂「マキアージュ」のCMソングに起用され、既に各所から注目されつつある山田タマルの3rdシングルでありメジャーデビューシングル。BMG JAPAN所属のアーティストである。 出だしの(「タイム、タイム」とかと歌われていたかの名曲と感じが似ている。曲名忘れた)60年代、70年代の音楽を髣髴させるレトロで渋いギターと、こじゃれた口笛の音色が爽快さとわびしさを感じさせ、実に印象的。その後軽快でフォーキーなギターのバッキングに乗り、まるで90年代の渋谷系(ピチカートファイブとか)のような、心地よくおしゃれなボーカルがみずみずしく放たれていく・・・。レトロさとモダンさという相反する要素の両立が、最近の楽曲にはあまりない洗練された「おしゃれさ」をこの曲にもたらしている。好き嫌いはともかく、この点はとても面白い。こういったことを感じさせる編曲センスの良さと丁寧な音の作りこみはかなり素晴らしいと言えるだろう。 しかし、それ以上に思わず一緒に口ずさみたくなってくる楽曲そのもののキャッチーさがこの曲の一番の魅力ではないだろうか・・・。 ただ、歌を歌う山田タマルが・・・。声質はまずまずなのだが、当初思っていたより歌唱~特に声量が少し弱くやや不安定な面があったのが残念。編曲に大いに助けられていた。2・灰色の朝 ★★ 作詞・作曲:山田タマル 編曲:akkin アコースティックギターを柱としたスローなフォークバラードっぽい曲。表題曲とは違い、山田の広がりを感じさせる穏やかな歌唱が響き渡る。 しかし、こういった曲調の曲に良くありがちな「たるさ」「ゆるさ」「平坦さ」といった要素を感じさせられただけで、曲としての良さや印象の良さを感じることはなかった。 メロの足るさもさることながら、それと同じくらいにシンプルな編曲の下ボーカルだけで聴かせるだけの歌唱技術・魅力を現時点の山田が持っていないからだろう。<総評> 表題曲に関しては上々の出来だと言えるだろう。キャッチーさとレトロなかっこよさとが見事に両立しており、かなり多くの人々に好印象を与える曲だと思う。タイアップCMが超ビッグであることからも、恐らくこの曲はかなり売れるだろう。それなりのブレイクもするとも思う。 しかし、この先の活動を考えると不安な面もある。 上記にあるが、当初思っていたよりも歌が上手くない。いや、十分に水準以上だと思うのだが、「上手さ」が要求されるであろう表題曲のような曲種を歌うにしては未熟。これはかなり痛い。これからの精進に期待したい。 とりあえず次の曲が大きな勝負ポイントかと・・・。
2006/04/09 16:56|シングルレビュー |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
・評価:70点 連日の長時間労働&休日出勤&4月とは思えない寒さで何だか心身共にヘロヘロの私。さりとて、今月の残りの日でも映画を見に行く時間が中々取れないこともあり、強引にレイトショーを見に行ってきた。 今回は邦画好き=ハリウッド嫌いの私としては珍しくハリウッドの王道作品とも言える「ファイヤーウォール」。本当は見に行くつもりなど全くなかったが、各所でそれなりの評価を得ていて気になったこともあり見に行って来た。 結論から先に言うと、誰が見に行ってもそれなりに楽しめるであろう良質のサスペンス作品。これといって突出した魅力もなく、すさまじい興奮・感動を味あわせてくれるものでもないが、ハリウッドの悪しき風潮である「設定の奇抜さやCG映像などに依存する」ことなく、エンターテイメント作品としての醍醐味をきちんと見せられている、ある意味貴重な作品であるとすら言えるだろう・・・。
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<あらすじ> 主人公であるジャック(ハリソン・フォード)は大きな銀行のコンピュータセキュリティー部門の統括責任者。意に沿わない他行との合併の取りまとめや日々多発する不正アクセスへの対応に追われてはいるものの、その身分が示すように、「大豪邸に住み愛する家族に囲まれる」、まさに上流階級・成功者としてふさわしい誰もがうらやむ生活を送っていた。しかし、そんな彼と彼の家族の幸せな生活を脅かす事件が起こる。犯罪集団が家に侵入し、愛する家族を拘束したのである。圧倒的な暴力を背景に家族を人質にした犯人の要求は、「合併準備のため通常時よりセキュリティーが薄くなっている銀行のコンピュータ管理システムを操作し、高額貯金者上位100人から1万ドルずつ引き落とした計100万ドルを犯人一味のリーダーが指定する口座へと移す」こと。 愛する家族の命を守るため彼は犯人一味の要求に従うことに。知恵を駆使し、何とか犯人たちを出し抜こうと様々な策を弄するものの、ハイテクと人員とを駆使した徹底した監視・管理を前になす術もなく潰される。さらに、犯人たちの監視のみならず、当然のことながら金を移すために取らなければならない行動と、家族を人質にされていることによる焦りが、周りの優秀な銀行員や上層部からの不信の元となり・・・。犯人と行員による監視の目をくぐり抜け、無事家族を救出することが出来るのか!! <感想など> やや誇張するならば、今作は今後の「銀行強盗」映画のスタンダードモデルとなりえる作品だと思う。 今作の面白い点であり最たる特徴は、「銀行強盗」に対する一般人の認識を大きく変えさせる、「犯人が金を奪い取るまでの斬新なプロセスの提示」にあろう。 従来の銀行強盗作品の「定番」として存在し続けていた、 「犯人が頭脳と体力とを駆使し、様々なセキュリティー装置がつけられた堅牢な金庫や、屈強且つ重装備の警備員OR警官の監視・追跡を破り、金庫の中に眠っている大金や高級貴金属を盗み、その喜びに浸る」 が全くない。 それどころか、犯人が「金を奪う」行為に「殆ど」と言ってもいいくらいに関わってはいない。盗みだす方法の立案や盗む行為はすべて「犯人」ではなく、「標的である銀行」のセキュリティーシステム管理者にさせ、犯人側はシステム管理者とその家族に対する綿密な下調べと、暴力を背景にした脅迫と、ハイテクと人海戦術を駆使して彼の自宅から彼を徹底的に管理・監視をするだけ。 管理監視システムがITを主軸に高度になればなるほど、それをきちんと管理できる人物が少なくなり且つその能力・技術を有す各々の権限が巨大化する。そういった状況においては、高度なITやIT技術とは全く逆の、暴力という原始的な方法によるシステム管理者への直接的な脅しこそが、高度なIT技術を身につける以上にITによるセキュリティーを打ち破るのに最適であるという「IT社会の盲点」を見事に突いたと言えるだろう。考えてみれば「ああ、なるほど」と思うものの、観客の意表をついた見事なアイデアである。 さらに、作中において「現金・紙幣」の描写が殆どなく、オンライン上のデジタルなやり取りのみで「現金」が動かされている点は、生活や国家を支える根幹である「お金」ですら、もはや現実味がなくなってきている現代社会の状況を見事に示している。 そして何より、お金を盗み出す描写やと同じくらいかそれ以上に、犯人による犯行の痕跡の消去という点に主眼が置かれているところが、今作を魅力的にしている。 こういったところの描写やテーマ設定はとても見事だと言えるだろう。 複線の貼り方やストーリーの進め方もすばらしかった。 各登場人物の、一見理解しがたいような言行動やストーリーの謎かけに関し、要所要所でそれをきちんと解明し、論理的で明確な意味を持たせつつ最後に一つに収束させていく丁寧で堅実な作りには非常に好感が持てた。また、主人公の超人的な能力やありえない強運といったものに話を依存させることなく、あくまで常識的な範囲で斬新且つ納得がいく犯人たちとの対決劇であったのも評価すべき要素だと考える。 特に、犯人が主人公の妻に「ある人物」に向けて○○をさせたことがまさかああいう風になるとは・・・。本当に上手いと思った。 お金を盗み出すまでの描写が少し間延びしているのが少し気になったものの、これは許容範囲であろう。 今作は非現実な設定やストーリーを持つ作品で味わえるような興奮や感動は全くないが、そういった作品が持ち得ないリアルな設定と人間のやり取りに「うんうん、なるほど」と思わされることしきりの非常に面白い作品だと言える。 しかし、では何故70点という評価になってしまったのか・・・。それは「ハリソン・フォード」が主役であること一点に尽きる。 何故なら、今年で64歳となる彼は、「優れたIT技術を有し、大銀行のコンピュータシステムのセキュリティーを統括するエリート」という今作の主人公の設定に全く合っていないからである。 一般的な同年代の人物と比べると若々しくは見えるものの、立つ動作、歩く動作、走る動作と所作の一つ一つが「彼が老齢」であることを雄弁に示している。また、もちろん例外はあるだろうが、通常この年代の人間が現場の最前線でコンピュータをいじっていることは考えられない。良くて40代ぐらいまでだろう。それ以前に彼の年代ではとっくに会社世界からリタイアしているか経営や人事に携わっている、というのがいわゆる世間的常識である。 しかも、犯人たちに拘束される彼の娘と息子の設定がそれぞれ14歳 、8歳 と、これまたおかしすぎ。実生活では22歳で最初の結婚をしたハリソン・フォードなので、「孫」と言ってもいいだろう。 今作の主人公像の一つである「アメリカンドリームを体現したエリート」としての雰囲気や、「善良で良き仕事人、良き夫、良き父親」という雰囲気を確かに出せてはいるが、それ以外の点において説得力は0である。何故彼を今作の主役したのか・しなければならなかったのかという根本的なところでの疑問を感じずにはいられない。40代のかっこいい俳優でよかっただろうに・・・。それこそ、安直ながらトム・クルーズやブラッド・ピットでもよかった。 もし、この問題がなければ、今作は歴史的な作品になっていたと思う。実に残念である。
2006/04/08 23:06|映画評 |トラックバック:1 |コメント:0 |▲
既に原作の方は、メロメロになっている「デスノート」。作品の特性柄、アニメ化はどうあがいても無理だろうと思い続けていたらいきなりの劇場版の公開発表。これには驚いた。人気があり、さらに非現実でご都合主義的設定が多い今作を映像化しようと考えている者がいるとは・・・。大丈夫か、おい。 かつての「キャシャーン」でも「デビルマン」でもそうだが、アニメや漫画作品として面白いものが、実写映画になったとたん、余りにつまらなくなることが多々ある。如何にも漫画的・アニメ的なストーリーや設定を実写にしてしまうと余りにちゃちになってしまうことと、原作キャラのイメージにあった俳優がいないこととがあるからだろう。 もちろん、監督や役者の演技、演出や脚本の問題もあるのだろうが・・・。 さて、話をデスノートに戻して、先日注目の配役が公開された。上にもあるが、映画の成否を大きく左右するのは配役なのである。 というわけで今回は、今回決定した各配役に対する感想と、それと共に原作キャラとのマッチ度を◎○△×で示し、さらに「今回決まった配役以外に適役がいるとすれば誰か」に関しても記していく。
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・夜神月 (藤原竜也) ○ 爽やかな顔をしていてキレた秀才である月のイメージに藤原君は結構あっていると思うのだが・・・。というか、月を演じられる年齢にある俳優が他にいない意味での○評価か・・・。あえて他の候補を挙げるのなら、もこみち君ぐらいか。ただ、現時点では演技に関し藤原君の方が1枚も2枚も上なので今回の選出は至って妥当だろう。 原作でも豪快に表現されている、ある意味気持ち悪いとしか言いようのない「ほくそえんでいるあの表情」を藤原君がどのようなアレンジで見せてくれるのか、楽しみはその一点のみかも・・・。・L (松田ケンイチ) × ある意味月以上に重要なLの配役であるが・・・。これは思いっきり×評価。変人的な感じがありながらも実は月と同レベルかそれ以上の頭脳の持ち主であるLを演じるには彼は普通の好青年っぽい感じが否めない・・・。 あの独特の雰囲気を出すことが出来るのだろうか。 個人的には彼よりもオダギリジョーの方がいいように思う。・南空ナオミ (瀬戸朝香) △ むむむ・・・、個人的に南空に関し、「ナイスバディーでかわいさを有しながらクールで頭脳明晰」というイメージがあるので、単にキツい感じしかしない瀬戸朝香の選出には結構疑問がある。しかし、では他に誰が適役かと言うと、結構難しい・・・。 で、いろいろ文献やサイトを辺り考えた結果、最近映画やドラマで脇役としてかなり活躍している木内晶子が適任かと。童顔でナイスバディーなので。または、真木よう子でもいいだろう。・レイ=ベンパー (細川茂樹) ○ 30代の男性で温厚そうで、それなりに出来る捜査官の設定を考えると概ね細川君でOKだと思う。ただ、軽い口調やにやけ気味の顔つきが役の持つ真面目さを損なうのでは、という危惧があるのだが・・・。 谷原章介の方が適任のような気も・・・。・弥海砂 (戸田惠梨香) × 今作ワーストキャスティングその1。小悪魔的で月一直線で天性のキャラクター性で時に月をも振り回すという役柄であるが、そのイメージに戸田は全く合っていない。どちらかというと平凡で少し美人でやや優等生っぽそうな高校生、または優等生面していじめをする人物、という感じ。お世辞でもアイドルという柄ではないだろう。何で彼女が選出されたのか理解に苦しむ。 小悪魔的イメージ重視で選ぶのであれば岩佐真悠子。原作のイメージ重視のビジュアルで選ぶのであれば加藤未央が適役だと思う。・ワタリ (藤村俊ニ) ◎ 今作のベストキャスティングであろう。異論は全くなし。・夜神総一郎 (鹿賀丈史) △ ひょっとしたら一番選出が難しいのはこの総一郎ではないかと、今回この文章を書いていて感じた次第。凶悪な連続殺人犯を追いつつも、倫理観や道徳に拘り、そして正義と理想を追い求めていく壮年キャラという彼のイメージに、どちらかというとダーティーな感すらある鹿賀があっているかというとかなり疑問がある。 やや年がいっているが、イメージ的には加藤剛、または西部警察にも出演し、最近では「1リットルの涙」に出演した勝野洋の方がしっくりしているように思う。・夜神粧祐 (満島ひかり) × ミサミサと並ぶかそれ以上のワーストキャスティングぶりを見せているのがこの夜神粧祐。今回選出されたのは「ウルトラマンマックス」でおなじみ満島ひかりであるが、「萌える妹系キャラ」である夜神粧祐のイメージに全くあっていない。しかもLとの対決時ではまだ中学生~高校の粧祐なのに、この役を演じる彼女は今年21歳。いったいどういうことなのだろうか・・・。 私であれば、岩田さゆりか夏帆か堀北真希を選出する。何の因果があったか知らないが、この役の選出は心底理解しがたい。・詩織 (香推由宇) ~オリジナルキャラ 劇場版オリジナルキャラ。月の幼馴染で月が唯一心を許している&対等の立場である優秀且つ正義心の強い女性という設定だそうだ。 まあ、このキャラを設けたのには、この作品が持つ「反社会的・反倫理的」要素や、それが故に生じている今作への風当たりをこのキャラを通して少しでも軽減しようとする思惑があったからだと考えるのだが・・・。 だが、原作において月と唯一対等で且つその存在を認めたのは「Lだけ」、ならびに「月とLの頭脳対決」という基本前提があるからして、このオリジナルキャラの登場は、下手をすると作品の世界観を壊しかねないような気がしてならない。<最後に> 本題から思いっきりそれてはいるが、劇場版のストーリーに関して少し述べて終わりとする。 個人的に劇場版の最後は原作と大きく変わるのではと考えている。つまり、「L死亡→月勝利」ではなく、あくまで「L勝利」になるというわけである。 理由は、と聞かれると結構困るが、前編・後編に分けた挙句「Lが負けて終わり」という展開では「尻切れ」感が否めないからである。「Lが月を捕まえる」か「月死亡」のどちらかで終わるのではないだろうか。 さてさて、今作が「傑作」となるか、それても「世紀の駄作」になるか・・・。このような作品においては、いわゆる「穏当」な評価はあまりないだろう。結果が楽しみである。
2006/04/06 23:39|エンタメ問答 |トラックバック:0 |コメント:4 |▲
・評価:60点 音楽、読書、女子アナといったことに匹敵する私の大好きなものとして、「中国アクション映画」「格闘アクション映画」がある。 小学生の時、師父ブルース・リーから啓示を受け、ジャッキー・チェン、リー・リンチェイ(ジェット・リー)、ドニー・イェンと、歴史的アクションスターらの作品を尽く見続けるようになった私・・・。もはやそれは、自分の人生と切っても切り離せないものであると言えるだろう。 それが故に、ブルース・リー師父を除く上記面々の加齢による衰えと、それによる中国アクション映画・格闘映画の質の低下に言いようのない悲しさ・虚しさををある時から常に感じ続けるようになっていた・・・。 しかし、そうであっても見に行かずにはいられないのが、ファンとしての悲しい性。さらに今回、一部ではリンチェイの「ラストアクション映画」と言われていることから複雑な心境を抱えたまま見に行ったのだが・・・。 やはり歳月の重みというものをこの上なく痛感させられた結果になってしまった・・・。
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<あらすじ> 時は清朝末期の天津市。天津市を代表する武門に生まれたフォ・ユァンジャ。日常的に武術・戦いが存在する環境で育っているにも関わらず、父は彼に武術ではなく学問ばかりさせ、また母も「武術とは人を倒すものではなく、自分に打ち克つもの」と説くだけ。そんな両親の教えを全く理解できず、退屈な日常に彼は不満を感じ続けていた・・・。
そして、彼の不満が爆発するときが訪れる・・・。
父が他流試合において、相手に「情け」をかけてしまったが故に敗北する。そのことに憤慨したフォ・ユァンジャは、父の対戦相手の息子チンに決闘を申し込む。しかし、何一つ良いところなく無残に敗北する。そして、この出来事で味わった屈辱が彼の人生を大きく変え、さらに心も歪ませていく・・・。ひたすら強く、ただ強くなることを追い求めるようになったのだ・・・。
20年後、彼は天津でも屈指の武術家として名を馳せるまでになった。それに比例して自惚れも強くなり、友人や親の意見にも全く耳を貸さなくなった・・・。
あるとき、彼の弟子が些細なことで、かつての仇敵チンと喧嘩し大怪我を負ってしまう。それに激昂した彼は、無理やりチンと決闘した挙句殺してしまう。しかし、それは惨たらしい報復劇の始まりだった・・・。チンの息子が父の敵としてフォ・ユァンジャの母と娘を殺したのである。それだけでなく友人との絶交、弟子の裏切りが彼を襲う。
幼少時から追い求めてきた「天津一の武術家」の称号と引き換えに、彼は他の全てを失ったのである・・・。
孤独と罪悪感に悩まされ、生きる目的も失い浮浪者の如く放浪するフォ・ユァンジャ。死を選ぼうとしたものの、そこで辺境の村人に助けられる。村人の優しさや自然の摂理に従ったのどかな暮らしを見るにつれ、彼の心に、かつては全く意に介すことがなかった父と母の教え、親友の忠告がよみがえり、力や暴力を超えたところに存在する「真の武」の意味を理解する。そして彼は、その教えを広めるため再び天津市へと戻る。だがそこは、既にアメリカ、イギリス、日本といった列強帝国主義諸国が支配し、中国人が端に追いやられる状況に変わり果てていた。それは武術においても同様であった。
そういった状況を憂い、日々賢明に生きる市井の中国人のために彼は立ち上がり、次々と外国人格闘家を倒していく。だが、列強諸国はそんな彼の存在を危惧し、1対4での戦いと、明らかにフォ・ユァンジャにとって不利な対決を申し込む。だが、フォ・ユァンジャは快くそれを受ける。彼の壮絶で、最後の戦いがついに幕をあけた・・・。
っと、えらく説明が長くなったのだが・・・。
<感想> 話としては、やたらと観念的・哲学的問いかけが多いものの、簡単に言ってしまえば、中国武峡映画によくある「武術を通しての成長物語」。悟りを開くまでの描写がやたらと長く、さらに如何にも「中国的内容」もありだれてしまうのが難であるが、家族愛や友情、自然信仰と王道で普遍的テーマも内包していることからそれなりに見ることが出来た。
また、敵ではあるものの、日本の武術代表として出場した田中安野(中村師童)との、立場を超えた精神的な交流の描写も、臭くはあるものの面白い。勧善懲悪に徹し、最後は普遍的な友情・感動劇へと変化するお約束のストーリーとあわせ、その分かりやすさはある程度の評価に値するのではないだろうか。ストーリー面は十分及第点であった。しかし・・・。
正直に言って、アクション映画において過剰に思想が入っていたり、あれこれウダウダと精神的なことが語られていくのはあまり好きではない。特にこういった格闘アクション映画においては、流れの妨げになるだけ。主人公が戦う理由の説明以上のものは不要というのが、こういった映画に対する私的哲学である。格闘アクション映画の醍醐味であり最も重要なのはあくまで「格闘アクション」。残りの要素はすべてこのことを守り立ていればいいだけ。
その点に関し、この映画はかなり出来が悪いと言わざるを得ない。特に酷いのが、戦っている最中に唐突に映像が止められ、その後無理やりなVFXによって動きが早められる映像&演出。出来の悪いアニメのような安っぽさしか感じなかった。また、リアルファイト的な映画であるにも関わらず、ワイヤーアクションが多いのにも幻滅・・・。
数少ないマシな部分は、中盤での「中国武術家たち」との乱打戦のところと、最終対決時における三節棍(ドラゴンスティック)を振り回しているところか・・・。この道具を使わせて彼の右に出るものはいないだろう。
それにしても、最も重要であろうラスボスに何故中村師童を当てなければならなかったのか心底理解しがたい。所詮は格闘未経験者が故に最終対決は緊張感・鋭さ・力強さなどとは無縁で面白くなかった。友情劇や感動話で引っ張ってはいるが、そんなもので繕えるものでは断じてありえない。
しかし、今作の評価を下げた一番の理由は、やはりリンチェイの加齢による衰えである。中国アクション映画史上において、最も華麗で優雅なクンフー技を見せてきたリンチェイの面影は、
(最もかっこよく鋭いのはブルース・リー、コミカルでアイデアと演出力に長けているのはジャッキー・チェン、最も力強いのはドニー・イェン)
上記良かった点以外において全く見ることが出来なかった。不毛で非論理的だとはわかってはいても、それでも言及せずにはいられないことが悲しくて仕方がない・・・。
ジャッキー、ドニー、そしてリンチェイ・・・。彼らの後を継げる人材がいないことから、今中国格闘アクション映画は地のどん底へと落ちている。もはや「マッハ!!!!」公開以降目覚しく台頭している「タイ格闘アクション映画」らに完全に駆逐される一歩前に来ているとすら言える。
そして今月、日本で公開される「トム・ヤン・クン」により、この流れがさらに決定的になることだろう。「マッハ!!!!」で主役を演じたトニー・ジャーが再び主役を張るこの映画、予告を見ただけで
(予告映像はこちら) (ちなみにこの映像、トリックは一切なしです)悶えて失禁しそうなぐらいに凄すぎる。ほぼ間違いなくこの作品は格闘アクション映画史上最高最強の作品となるだろう。かねてから言い続けているように格闘アクション映画の盟主国はもう中国ではなくタイなのである。
本家本元である中国の挽回に期待したい。その鍵を握るのはやはりジャッキー、リンチェイ、ドニーの3人。彼らが今後いかにして優秀な弟子を育てるかが、中国アクション映画の今後をも左右することだろう。
いわずと知れた中国アクション映画史を飾る名作中の名作。当時10代後半~20代前半であるリンチェイの、余りに人間離れしすぎた動きにただただ唖然。アホとしか言いようがない理解不能の修行シーンも最高。当時、小学生だった私は「少林寺ブーム」の影響をモロに受け、出来もしないのに拳法の型や意味不明の「背面縄跳び」を真似しまくっていた。
少林寺以降イマイチパッとしなかったリンチェイを業界第一人者へと再び押し上げた「ワンスアポン」シリーズ第2弾。最初で最後であるドニー・イェンとのラストバトルシーンは格闘アクション映画史に残る名場面である。とにかく各々が繰り出しまくる美技に酔え!!
リンチェイが出演した現代モノアクション映画の最高傑作(だと思う)がこれ。実は記念すべきアメリカ進出第1作目・・・。少林寺の技にボクシングをはじめとした現代格闘技をふんだんに盛り込んだ格闘シーンは、数こそそれほど多くはないものの完成度は凄まじく高い。飛びまくり蹴りまくるリンチェイ凄し!!
2006/04/05 23:03|映画評 |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
どうもです、バツ丸です。仕事が繁忙期となり、女子アナの人事異動をチェックすることが出来ないくらいに忙しくなりつつあります。 (平井理央はやっぱりかわいいのではと思いつつあります。) 女優・タレントさんでは藤井未菜さん(「シムソンズ」出演、最近では「インテル」の「あ、痛い」のCMにも出演していました)と加藤未央さん(少し前のニッセイ「生きる力」のCM(あいあい傘のやつ)とロートの目薬のCMに出演中) にはまっています。二人ともとても魅力的ですね。モデルでは徳澤直子さんと麗菜さん。 話につながりが全くないですね。 話は戻って、心身ともに結構きつくなってきましたが、 ↑このジャケで少しは癒されそうです。しかし、一方でその美しさに圧倒され寿命が縮む思いでもあるのですけど・・・。 やや憂いを含んだつぶらな瞳、周時代の景徳鎮の白磁ばりに透き通り且つ決め細やかな美肌、ケチのつけようもない二の腕の美しさ・・・、この美しさはもはや「人」ではありませんね。「高校生かい!!」 と突っ込んでしまいたいぐらいに愛らしいですし・・・。不老の秘薬でも飲んでいらっしゃるのでしょうか? ここまで来るとCDを売る・聴かすためのジャケ写というよりは、ジャケがメインで音楽がおまけという感じで・・・。 まあ、どんなに曲が酷くても、彼女にはこれから先もがんばっていただきたいのでCDは必ず買います。彼女だけは、私の音楽に対する確固たるこだわりや容赦のない評価、最強アーティスト論から逃れている「唯一絶対の例外」。もはやその存在そのものが一つの「ジャンル」であり永遠の「テーゼ」であります。 と、バカ極まりない変態話はここまでにしておいて、
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冒頭にも書きましたが、管理人が繁忙期ということもあり中々ブログ更新のための時間が割けない状況となっております。 通常時は2日で2.5~3記事、最低でも1日1記事のペースを守っていたのですが、とりあえず今月の28日までは無理となります。極力1日1記事のペースを保つよう努めますが、そうならないこともありますので、その際はご容赦ください。レスなどもいつもよりかなり遅くなりますが、ご理解いただくようお願いします。 今後はたまりにたまっているCDレビューと書評を中心とした更新になると思います。 さしあたって熊木さんシングルと安藤裕子さんアルバムのレビューを今週中に作成できたらと・・・。 あと、毎月中旬にやっている「早聴き小僧!!」ですが、今回の「4月後半~5月前半」分はお休みとします。すいませんがご了承ください。 尚、これは出来るかどうかはまだわからないのですが、当ブログ右サイドバーの所に「アーティストインデックス」と「洋楽名盤紹介」的なものを設けられたな~と今画策中です。「歌姫バカ一代」で利用しているものと連動させる形で考えているのですけどね。流石に今の状況だとレビューだけを改めてみるのが非常にめんどくさい。自分でもどのアーティストのやったのか忘れてしまう・・・。ゴールデンウィークを利用してやれたらと思っています。その際はブログ更新を完全停止としますが・・・。 ということで宜しくお願いします。それと「超個人的歌姫ビジュアルランキング」にお答えいただいた方、ありがとうございます。 ほんと、各自の歌姫に対する強い思いや女性の好みが分かり、見ていてとても面白かったですね。
2006/04/04 23:55|バツ丸の戯言 |トラックバック:0 |コメント:2 |▲
●Mellow Candle 「Swaddling Songs」 96点 ジャンル:ブリティッシュプログレフォーク (1972)1.Heaven Heath 2.Sheep Season 3.Silver Song 4.The Poet And The Witch 5.Messenger Birds 6.Dan The Wing7.Reverend Sisters 8.Break Your Token 9.Buy Or Beware10.Vile Excesses 11.Lonely Man 12.Boulders On My Grave <問題点・注意点> 1・圧倒的な名曲である2・3・12曲目と比べると6・8・9曲目が、悪くはないが聴き劣りする。
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アイルランド出身のグループ、Mellow Candleの最初にして最後のオリジナルアルバム。プログレ、ブリティッシュフォーク業界において「ブリティッシュ・フォーク三種の神器」と称されている最高峰の名盤として誉れ高い作品である。アイルランド出身であるにも関わらず、このように称えられるのは、今作に対する評価が如何に高いかを如実に物語っていると言える。 ボーカルは、女性二人がリードボーカルを担当する形式。しかし、このことがこのグループの確固たる個性と優れた音楽性をもたらした。 中世的な気品の高さや美しさ、伝統音楽ならではの叙情的な雰囲気を感じさせるアコースティックギターやチェンバロの、派手さはないが堅実で一分の隙もない完璧な演奏に乗り、方や高音で透明感あふれる上品な美声、方や中低音域で力強さとシャープさとを感じる美声と、相対照的な特徴・魅力を持つ歌い手同士によるボーカルハーモニーが極上且つ余りに甘美な魅力を放つ。歌唱を重ねるところ、全く別のメロディーを歌っているところ、輪唱形式に歌っていくところ関係なく、声の合わせ方の絶妙さ加減と言ったら「巧の境地」としか言いようがないだろう。縦横無尽に繰り広げられる二人の歌唱の饗宴は、時に甘美さを、時にダークさを、時に鋭さを、時に牧歌的な明るさを、時に極上の泣きを放ちつつ、簡素なサウンド構成にも関わらず曲に圧倒的な立体感と奥行きの深さとを与えている源泉となっている。日本のRYTHEMのコーラスワークも非常に素晴らしいが、コーラスワークが単に「曲に美しさを与えるだけのものではない」という「コーラスワークの無限の可能性」を見せ付けている点において、その変幻自在さにおいて全く相手になっていない。 個人的にこれほど凄いコーラスワーク(注:2名の)を聴いたことがない。 特に牧歌的な雰囲気と言いようのない郷愁を感じさせる2曲目、そして、間違いなく今まで聴いてきた曲の中でも最高最強レベルの「泣き」を放つ3曲目「SilverSong」での歌唱&コーラスには思わず目が潤んでしまう・・・。また、12曲目の、畳み掛けるようなダークで力強い歌唱とコーラスには問答無用に叩き潰される・・・。 しかし、そう感じさせる最大の理由は、二人の歌唱の見事さやコーラスワークの素晴らしさではなく、その根本となる曲が、特に「歌メロ」の出来が秀逸だからである。 凡メロ・ツギハギメロ曲がどれだけ集まってもてんで相手にならない「無理さや強引さとは全く無縁」の、それでいて例えようがなく美しく、さらに聴いていて思わず口ずさみたくなってくるような馴染みやすさをも有したメロディーと、それを生み出せるセンスにただただ言葉を失うだけ。「最高の美しさを誇る音楽に言葉は不要、とにかく聴いてくれ!!」の一言に尽きる。 あえて難点を挙げると、2・3・12曲目を頂点とした素晴らしすぎる曲らに比べると、6・8・9曲目のメロディーが単調に思えてしまったこと。この3曲も水準レベルは軽くクリアしているものの、それ以外の曲が皆良すぎるので結果としてはマイナスとなった。もう少し丁寧に作りこむか、曲をカットしていれば、至高レベルの98点以上の点をつけたのであるが・・・。 今の商業主義的音楽に飽きた人、時代やジャンル関係なくとにかく最高レベルの極上の音楽を聴きたいと思っている人は、その選択肢の候補として今作を考えてもいいと思う。
2006/04/03 01:03|アルバムレビュー |トラックバック:1 |コメント:0 |▲
ブログを始めてからと言うもの、様々なバトンが回ってきました。今のところ依頼を受けた分に関してはきちんと回答してはいるものの、何だかそれだけではつまらないので、いっそのこと自分でバトンを設けることにしました。名づけて、「超個人的歌姫ビジュアルランキングバトン」 質問内容とルールについて説明しましょう。1・現役・引退・生死・国籍は一切問わず、ビジュアルが優れていると思う、ないしは好きな歌姫を5名から10名の範囲で選出しランク付けすると共に、選出した歌姫に対する思いや選出理由などを書いて下さい。 2・あくまでビジュアルでの選出・ランク付けですので、アーティスト・ボーカリストとしての実力・魅力・ステータス・売上げ・知名度などは関係ありません。 3・選出はあくまで「歌姫」対象です。ドラマーやベーシストなどは対象外ですので選出しないで下さい。 4・最終的には回答者の思想や良心に委ねますが、アイドルや女優、タレント、声優といった活動もしている現役の「兼業歌姫」の選出に関しては、アーティスト・歌姫としての活動が5割を超えていると思われる人、アーティスト・歌姫としてのイメージの方が強いと思われる人にしていただくようお願いします。 管理人の考えを例を以って示しますと、上戸彩・福田沙紀・綾瀬はるか・鈴木エミ・若槻千夏・深田恭子・松たか子などはダメ。ハロプロ系・岩田さゆり・柴咲コウ・上原奈美・木村カエラ・坂本真綾あたりはOK。土屋アンナ辺りが「グレーゾーン」 となりますか。5・ブログの方針やブログ管理者の趣向もありますので、歌姫の選出に関し、「邦楽(日本メインの活動)限定」「洋楽限定」「日本人限定」といった独自のルールを設けられるのはかまいません。但し、その際にはその旨必ず明記してください。 6・エントリーのタイトルは「超個人的歌姫ビジュアルランキングバトン」にしていただくようお願いします。 7・バトンなので可能な範囲で他のブロガー様に回してください。 8・回答の際ルールを明記してください。 9・回答していただいた方は、出来れば当ブログにトラックバックしていただくと幸いです。 ということで、宜しくお願いします。 歌姫にお詳しい「日本の歌姫」のリアノンさん。歌姫に対するただならぬ思いをもっていらっしゃるはずの「Start in my blog」のhyroさん。先輩としての深いご意見が伺えそうな[kobacrowの終身名誉アイドル」のkobacrowさん。女性のビジュアルにかなりこだわりがありそうな「まったり徒然草」のRUBY CLAWさん。出来ればバトン受け取っていただけたらと思います。
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私は「邦楽アーティスト限定」の選出とします。
惜しくも選出漏れはmihimarGTの阿久津博子、島谷ひとみ、竹仲絵里、岩田さゆり、植村花菜、椎名林檎、小松未歩・・・。
・10位 森高千里 いわずと知れた90年代最高の「アイドルアーティスト」。鼻かかった甘い声もさることながら、端整なルックスと素晴らしい脚線美、それを生かしたコスプレ衣装の数々・・・。
私にとって永遠の「憧れのお姉さん」ですね。
・9位 OLIVIA 実力のみならず、美貌に関してもエイベックス最強レベルのアーティストOLIVIA。
外国人にしては身長は小柄で体つきもかなり華奢ですが、モデル雑誌や化粧品CMに数多く起用されたことがうなづける、端整でいかにも「白人美少女」的ルックスは素晴らしいです。まるで女豹のようですね。
こちら のサイト様写真館において彼女の美貌を堪能することが出来るので是非ご覧下さい。また、マルティメディア内「プロモーションビデオ」に収録の楽曲「SpidERSpins」もついでにお聴きください。彼女の凄さが分かります。
・8位 柴田淳 圧倒的な歌唱力と美声の持ち主の彼女ではありますが、ルックスに関してもその声を具現化したかのような美しさがありますね。良家の子女といった感じのお嬢様然とした上品なたたずまいは、ある種男にとって一つの理想系であります。
・7位 水原由貴 (PAMELAH) 今は亡きPAMELAHのボーカリスト。どちらかというとお嬢様系や浮世離れした美人が多いビーイング系アーティストにおいて、巨乳&露出過多の衣装でセクシーさを全面に押し出した彼女は異色でしたね。若かりし頃、大いに興奮させていただきました。
今ではK嬢が「エロカッコイイ」の代名詞で称されていますが、水原さんに比べたらまだまだです。
・6位 工藤舞 元Ruppinaのボーカルで今はソロで再活動している工藤舞。楽曲はさぱ~りですが、北海道出身らしく白く透き通った肌、スレンダーでありながら出るところはしっかりと出ている抜群のスタイル、キリっとしまった顔立ちは、OLIVIAと並びエイベックス最強のルックスと言えるでしょう。
出来ればセクシー路線はやめて頂きたいのですが・・・。
ルックスをご堪能されたい方は
こちら へ
・5位 望月美玖 OOMのボーカリスト。楽曲は「OOM事変」と称されるほど酷く、本人の歌唱に関しても甚だ?ではありますが、「ルックスだけ」なら天下一品。そのキュートなルックスとメリハリのついたスレンダーな体は、現在のグラビアシーンの頂点を極めた安田美沙子、夏川純、熊田曜子、そして
「ほしのあき」 と比べても何ら遜色ありません。
今からでも遅くないので、グラビアデビューしましょう。水着写真集出してください。必ず買いますんで。
・4位 中村由利 当初はそれほど気になっていなかったのですが、年々綺麗になっていく中村さんにすっかり魅了されています。肉厚の唇の魅力は井上和香以上!! 見ている人を突き刺すかのような眼光の鋭さも圧巻です。最近はファッションセンスも著しく向上し、ますますその美しさに磨きがかかっていますね。
・3位 Fayray 元ミス立教、有名女性誌でモデルをやっただけはあるFayray姐さん。細くて長いお足と小さいお尻が何とも言えない魅力を放っています。今ではいい具合に年齢を重ね、そこら辺の小娘如きが10人、20人束になってかかっても全く及ばない、「大人の女性の色香」漂う悩ましい魅力を全身から発散しています。こういう女性と「大人の恋」をしてみたいと、彼女の発すフェロモンに絡まれた殿方は思うことでしょう。
・2位 竹井詩織里 2位はこの方、しおりんこと竹井詩織里。ジャケでは何故か「下膨れ」になっていますが、「深窓のお嬢様」然とした色白で端整なルックスと、薄くて華奢な体が個人的好みの「ドツボ」を激しく突きまくっていますね。最近は元来のこういった魅力に加え、大人の女性としての色香も少しずつまとい始めているようで、ますます美しさが増しています。悪女への道を歩むのか・・・。
個人的にお嫁に来ていただきたいナンバー1歌姫です。「嫁にごねえが~!!」
・1位 北原愛子様 やはり1位はこの方しかいないでしょう。個人的に日本歌姫史上最強最高の美女であると確信して疑っていません。例えようもなく美しく、かわいいらしいルックスと長身細身且つ抜群の決め細やかさと白さを誇る肌は、まさに生ける美の化身であります。
イベントで初めて彼女の御姿を見たとき、余りの美しさに言葉を失ってしまいましたよ。会場中を黙らせるほどの圧倒的な美に恐怖すら感じましたね。
出来れば今のうちにその美しさを「型」なり何なりに収めていただきたいのですが・・・。
以上、ビーイングアーティストが半分の5人を占める結果に。やはり個人的見解では、ビジュアルに関してビーイングに勝てるところはないといったところか。毎度毎度のことながら、いったいどっからこのような美女たちを集めてくるのだろうか。
2006/04/02 01:10|その他 |トラックバック:5 |コメント:9 |▲
●BoA 「OUTGROW」 75点 ジャンル:J-pop ダンス R&B 洋楽ポップス ヒップホップ (2006/02/15) 1.Silent Screamerz2.DO THE MOTION 3.キミのとなりで 4.OUTGROW~Ready butterfly~ 5.make a secret 6.Everlasting 7.LONG TIME NO SEE8.cosmic eyes 9.抱きしめる 10.Love is just what you can't see 11.Stay My Gold 12.soundscape 13.With U 14.First snow (Bonus track) <問題点・注意点> 1・シングル曲が多すぎ 2・良質のシングル曲に比べるとアルバムオリジナル曲が弱い 特に中盤以降の楽曲が・・・ 3・BoAの歌唱の魅力に曲が負けている 4・全体的に勢いがない
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エイベックスの中でも最高の安定感を誇り、今や日本の音楽シーンを代表する存在にまで成長したと言えるBoAの4thアルバム。素晴らしい3rdアルバムを出し、そしてベストアルバムという「必殺にして最後の武器」を出してしまった後にどのようなアルバムを出してくるのか、大いに関心があったのだが・・・。残念ながら評価はあまり良くない。
作品を聴いていてまず思うのは、BoAの歌唱の飛躍的な成長振り。3rdアルバム時点でもかなり上手いと思っていたのだが、今作では完全にそのときの歌唱を上回っている。彼女のトレードマークでもある「鼻にかかった優しく繊細な声質」を駆使した歌唱は、ライブ経験を得ての技術の進化により、特に高音部分において力強さ・伸びやかさ・表情づけといったあらゆる点に関し格段に魅力を増している。壮大なバラード曲である6曲目のサビ部分での悲壮な歌唱や、伸びやかさと力強さが共存し秀逸な表現を見せる10曲目での歌唱はこのことを象徴するものであり、問答無用に惹き込まれた。
また、それだけでなく、シングルである2曲目のように、適度に力が抜け、ダルさや悩ましさを感じさせる歌唱も見せるなど、より多彩さを増している。おごることなく精進を重ねてきた結果であろう。「歌」に対する意識の高さがひしひしと伝わってくる。「努力する天才に勝るものなし」の一言に尽きる。今、メジャー領域で活動している歌姫の中で彼女に匹敵できる歌い手はそうそういないだろう。完璧な出来だ。が、しかし・・・。
2nd、3rdアルバム、特に3rdアルバムと比べると曲の質があらゆる点でだいぶ落ちてしまっているのが今作に対する低評価を決定的なものとしてしまった。
確かに2・3・8曲目といったシングル曲は素晴らしいのだが、3rdアルバムの「DOUBLE」「Rock With You」やかつての「Liten My Heart」「ID;Peace B」「VALENTI」といった、天才BoAならではの弾けるような魅力と突進力にあふれてはおらず、何だかスケールダウンしている。
魅力に溢れるシングル曲を守り立てるはずのその他曲に関しても、3rdアルバムに比べると格段に質が落ちている。壮大なバラード曲である6曲目を最後に、R&Bや洋楽ポップスの典型的ダメ例である抑揚に欠ける7曲目、強引なメロディー展開の感がある9曲目、地味な感じが否めない11~13曲目と釈然としない楽曲が並ぶ。
また、BoAの大きな魅力であろうバラード曲に関しても、壮大さや美しさはあるものの、やや型にはまった感や物足りなさが否めない。前作のようにスパニッシュ風味にあふれる切ないバラード「OVER」や、中低音を駆使した歌唱と軽快なリズム感のある「心の手紙」といった面白みのある曲が今作には殆ど見受けられないし、「Amazing Kiss」「奇蹟」のように彼女の声質と絶妙な相性を見せる煌びやかさもない。
総じて、彼女の進化成長した歌唱があるから水準以上の質を保てている感がありありとしている。このことは、以前に出たベストアルバム収録曲~特に前半のそれ~を聴けば非常によく分かるだろう。つまりは、「彼女の歌唱の魅力を良曲で引き上げてきた」以前とは逆で、もはや彼女の歌唱に曲がついていけていないのである。
以前より、彼女の歌唱の実力・魅力に即した曲をエイベックスが出せなくなる日がいつか来るだろうと危惧してはいたが、思っていたよりそれが早く来てしまったようだ・・・。
さらに問題はそれだけでなく、戦略面での違和感もある。
ここ数年は、大人っぽさを見せようとの感が強く、それは確かにある程度の成功を見てはいるが、彼女はまだ20歳になっていない。そういった要素の象徴である「落ち着いた感」を見せるのはまだ早く、「守りに入っている」としか思えないところがある。彼女に必要なのは、若いからこそ見せることが出来るエネルギーや美しさ、かわいさ、強さなどであろう・・・。
楽曲と戦略の1からの見直しをエイベックスにお願いしたい。でないと、少しずつ彼女の地位は落ちていくだろう・・・。
・アーティスト評価 歌唱力 9 (↑) 作曲 -- (↓) 編曲 8 () 独創性 7 (→) 安定性 8 (→) 格 9 (→) 総合 8 (→) 熱中度 7 (↓)
2006/04/01 02:03|アルバムレビュー |トラックバック:0 |コメント:4 |▲