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CDレビュー~そして、彼女はボーダーを越えた・・・

●Fayray 「光と影」 97点

ジャンル:プログレッシブロック 70年代ロック


(2005/01/25)

1.Home
2.Pain
3.close your eyes
4.Nostalgia
5.光と影

6.波
7.Spotlight

8.Shame
9.Angel
10.愛燦燦


<問題点・注意点>

1・作風がほぼプログレになったこともあり、ピアノを主軸としたアダルトなポップスを彼女に求めている人にはまず受け入れられない

2・内面の葛藤やダークな心象風景の描写をメインとした詞と、それを浮き立たせるチクチクしたサウンド構成は聴き手を選ぶ

3・高音ファルセットを多用した歌唱も聴き手を選ぶ
4・美空ひばりのカバーである最終曲はいらなかったかも・・・


ついに来てしまったか、この領域に・・・。これが、今作を聴いた率直な感想である。
日本でも有数の女性シンガーソングライターであり、ピアノ系バラードの名手でもあったFayray。
新たな音楽を求めるため今までの人生を過ごしてきた日本を離れ、単身ニューヨークへと渡り、現地のミュージシャンと共にまさに「裸一貫」とも言える状態から丹念に作り上げてきた今作。それは、過去の作品の要素を内包しながらも、そのどれもと一線を隔す、それどころかJ-pop的なアルバム構成からも一線を隔すとんでもないものとなった・・・。

以前から彼女はアルバムオリジナル曲においてプログレからの影響を強く感じさせる楽曲をやっていたことと、カバーアルバムでキング・クリムゾンの曲をカバーしたこともあり、今作は「プログレ曲メインの作品」になるだろうと予想をしていた。公式サイトでの試聴を経、その予想を確信へと変えたのだが・・・。しかし、製品版はそんなものを遥かに超越していた・・・。「プログレ的」「プログレメイン」ではなく、「プログレそのもの」の作風であったからだ。

穏やかなロック調のサウンドを基盤としながらも、早1曲目から浮遊感漂う生楽器の音色とギターの歪んだ音色とFayrayの気だるい歌唱とにより構築される、何とも言いようのない陰影美と構築美とを放つ異様且つ深遠でそして雄大な音世界が聴き手を巧みにダークな心象世界へと導いていき、絶大なプレッシャーを与えていく・・・。何だこの妙に落ち着かない感じは、何だこのひりひりとする感触は・・・。

そう、キング・クリムゾンやピンク・フロイドらの作品を聴いたときに感じたのと同じ感触・・・。その道を究めしもののみが聴き手に感じさせることのできる歓喜と恐怖、そして狂気である。

ピンク・フロイドの名盤であり20世紀最高アルバムの一つ、「THE DARK SIDE OF THE MOON」を髣髴させる「光と影」というタイトル。作品を通して数多く聴かれるスライドギターの音色。浮遊感漂う鍵盤楽器の音色、1分半~2分ほど続くイントロ・アウトロの演奏。そして哲学的深さやシニカルな魅力に溢れている詞・時計の音を連想させる旋律の盛り込み。スキャット・ファルセットを多用したFayrayの歌唱・・・。まさにプログレッシブロック足る要素で溢れている。

鋭利で渋すぎるギターとドラムが秀逸な2曲目や4曲目。前奏・後奏が凄まじい5・6・9曲目などはその典型であろう。

そこには、「ピアノを主軸としたアダルトな洋楽系バラードアーティスト」という姿もJ-pop的なセオリーも存在しない。優れたミュージシャンと共に貪欲に自らの音楽を追い求めたその姿と、その結果として「本職のプログレ名アーティストに全く引けをとらない圧倒的な完成度を有した楽曲」があるのみである。それは、今の様々な音楽の土台となった70年代ミュージシャンや楽曲に対する敬意を感じさせながら、Fayrayならではの妖艶な魅力と息苦しくなるほどの内面葛藤とに満ち満ちている・・・。

Fayrayの優れた想像力、それを具現化する作編曲能力、歌唱力、表現力、Fayrayを支えるサポートメンバーの卓越した演奏技術・・・、それらの存在及び、それらの高度な一体感があってこそ初めて可能となる究極の音楽世界・・・。

特に優れたリズム感といぶし銀の表現付けを見せ付けるマーク・リボウのギターは凄まじい。もちろんそれ以外の楽器演奏も編曲もケチのつけようがないほどに良い。作編曲とプロデュースすべてを担当したFayrayと、彼女をサポートしたダギー・バウンの恐るべき製作能力であろう。

すべてが高レベルの楽曲であるが、特に凄まじいのが聴き手の神経をチクチクと刺激し且つロック的な硬質サウンドが強烈な2・4・8曲目と、民族音楽からの影響を感じさせる、エレクトリックオルガンと管弦楽器が紡ぐアンビエントな後奏がイキ過ぎている9曲目には、頭のネジ飛んでいったんじゃないかとすら思うほどに圧倒された・・・。


今作をして彼女は他のアーティストとの比較を全く意味なきものとする至高の領域へと到達したように思う。かなり昔から凄いアーティストとは思っていたが、まさかここまでやってくれるとは・・・、正直に言うが完全に想定外であった。

ただ、美空ひばりのカバーである最終曲はいらなかったように思う。できれば「faith」や「feel」のようなプログレ大曲で締めていただきたかったのだが・・・。さすれば99点か100点をつけたのだが。

但し、この音楽性が故に聴き手は今まで以上に絞られるのは必死。自らの内に問いかけすぎた難解で息苦しい詞も露骨に聴き手を選ぶ。プログレに全く興味がなく、かつての恋愛の描写を中心としたアダルトなピアノバラードを求めている人にとっては完全に聴く意欲がそがれる作品であろう。残念ではあるが、どうしようもない。

しかし、最強・最高を追い求めている人に一度は聴いていただきたいと心から思える作品である。
だが、こんなトンでもない作品出してこれからいったい彼女はどうするのだろうか・・・?


<追記>
クレジットを見るに、完全にGIZAとの関係が切れてしまった。彼女の性格や音楽性を考えるにこの結果は容易に想像がついたのだが、それでも残念でならない。まあ、今のGIZA製作陣など彼女にとっては足手まとい以外の何者でもないだろうが・・・。

そしてもう一つ。今作はプログレからの影響がある云々どころかプログレそのものの音楽性であるのに、どの音楽雑誌のレビューを見てもそのことを言及しているものがない。勉強不足もいいところだろう。音楽性を正確に伝えられないでどうする。











・アーティスト評価
歌唱力10 (→)
作曲10 (↑)
編曲10 ()
独創性10 (↑)
安定性9 (→)
10 (→)
総合10 (↑)
熱中度10 (↑)

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2006/01/25 01:24|アルバムレビュートラックバック:1コメント:3

コメント

どうもです。
おかげ様で(?)、少しずつですがFarrayワールドに足を踏み込みつつあります。過去のアルバム「HOURGLASS」「Genuine」あたりが好きですね。最近、忙しいのでFayrayさんの最新アルバムをゲットできるのは週末以降になりそうです。
凛 #E0LqDaK2|2006/01/25(水) 09:00 [ 編集 ]


こんばんは。
この早すぎるくらい(発売日!!)のレビューのUPに、バツ丸さんの満足感が窺えます。
私の方は、これから徐々に「光と影」を聴き倒すところです(^^ゞ

ついに、Fayrayは「あちらの世界」に行ってしまわれましたね。J-POPとは完全に一線を引いた作品にして、プログレの過去の名盤に引けをとらない圧倒的な完成度です。
制作陣のレベルの高さも特筆もので、これからもトンでもない作品を作り続けていく事でしょう。というより、レコード会社の思惑と度重なる移籍劇さえなければ、最初からこのレベルの作品を作れていた、という事なのでしょう。
バラードに惹かれていた既存のファンは離れていくのでしょうが、私はどこまでもFayrayに付いていきますよ(^^ゞ
hyro #-|2006/01/26(木) 00:24 [ 編集 ]

圧倒的ではないか~
>凛さんへ
ようやく踏み込んでいただけましたか。うれしい限りです。ニューアルバムはさらにプログレ色が強くなり、どころかそのものになっています。今までの作品とだいぶ感じが違いますが、すばらしい作品だと思うので是非聞いてみてくださいな。

>hyroさんへ
ようやく購入できたようで・・・。大人の事情は辛いですね。

最初は「あれ?」と思っていたのですが、繰り返し聴いている内にすさまじく嵌ってしまいましたよ。特に2・4・8・9に・・・。

完全にあちらの世界へ行ってしまいましたね。ヒットチャートやテレビに出てくるアーティストがやたらとちっさく見えてしまいます。もうそんなこと云々を超越した天上人になったように思います。これは日本のプログレ名盤でしょう。

それにしても、サポート演奏者とプロデューサーが凄すぎます。サウンド構成、演奏に全く穴が見つからない。やはりGIZA陣営では彼女の資質を活かしきれませんね。何かもう桁が違うと言うか・・・。

ようやく彼女がやりたいことを出来る環境が整ったが故の今回の結果でしょう。今年のナンバー1アルバムは99%決まりかと。最高の状態のガーネットクロウ、新居昭乃、菅野よう子、小松未歩、熊木杏里といったアーティストでようやく対抗できるといった感じでしょうか。

まあファン離れは避けられないでしょうが、私も彼女を追っかけていきたいですね。彼女ならきっと我々が見たことがないところへといざなってくれるでしょう。
バツ丸 #-|2006/01/26(木) 00:58 [ 編集 ]

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■「光と影」Fayray
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日本の歌姫たち 2006/02/13(月) 00:15

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