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読書評~何だか説明不足・・・

●恩田陸 「ねじの回転―February moment (上)」 集英社




●恩田陸 「ねじの回転―February moment (下)」 集英社



上下巻あわせて評価は、26点/50点






業界を代表する人気・売れっ子作家恩田陸。しかし、何故だか今まで1作も読んでこなかった。そういった事情もあり、今作を読んだのだが・・・。文章表現のうまさや題材の面白さを感じ取れはしたものの、話としてそれほど楽しむことができなかった。率直に言って期待はずれ。

ストーリーは、

舞台は近未来。「シンデレラの靴」と言われる時間遡行装置(いわゆるタイムマシン)の発明により、人類は過去の歴史に介入できるようになった。しかし、よりよい未来をとの思考のもと行った過去への介入行為が人類を絶望の危機へと追いやってしまう・・・。

そこで国連は精鋭を集め、再び歴史に介入することにした。破滅的な終末回避のための歴史の介入ポイントとして国連が決めたのは1936年2月26日。太平洋戦争(日米戦争)への道を決定付けた「二・二六事件」が起こった日である。

果たして国連職員は未来の人類を救うことが出来るのだろうか・・・。


といった感じ。いわゆるタイムパラドックスを題材にしたちょいミステリー風味のあるSF小説といったところ。

従来のこの手の作品と違うのは、過去への介入行為に関し、主役である「未来人」ではなく、石原莞爾・安藤輝三・栗原安秀と「過去であるその当時に実在した人物」を前面に押し出している点にある。「未来人」は、過去の時代においてはあくまで黒子的存在。このような、未来や未来人の存在が過去へ与える影響を最小限にとどめようとする設定上の配慮があるのは、今作の面白い点であろう。
また、歴史の「改変」ではなく、介入によって変わってしまった歴史を機械により「再現」しつつ、未来に影響がでない形で「修正」し、「確定」するという設定も変わっていて面白い。

微妙な違いではあるが、さりげなく言葉での設定により類書との差異を出しているのは、率直にこの作家のうまさ・センスの良さと言っていいだろう。



実在の人物をフィクション作品で登場させる場合~それも比較的よく知られた有名な人物~、どうしても異論・反論が多々でてしまうという問題がある。が、歴史的事実という制約がある中、その人物描写や未来人とのかかわらせ方の描写に関しては、うまくやれたのではないだろうか。

特に、「未来の歴史」を知ることにより、本来なら持たなかったであろう野心を持ち、歴史に介入してきた「未来人」の意図どおりに動かなくなっていく様の描写は見事だった。さすがの文章力といったところ。
全体的に文章が平易でさらっと読めるのも良い。


だが、さらっと読ませる魅力に富んでいる反面、設定上の問題が多かったのはとても残念であった。

何度も何度も歴史に介入し、入れ弧のように話が展開していくのだが、結局何度も歴史をやり直した末に未来がどうなったのかという肝心の部分が描かれていないのは、本作の一番の問題だろう。

そしてもうひとつ。何故過去へ介入しなければならなかったかの説明も完全に出来ていたとは言えない。大きなネタばれになるのでここでは書けないが、作中で明かされたある理由だけでは何だか納得できなかった。

この点を含め、歴史のやり直しの積み重ねによって出てきたさまざまなタイムパラドックスをきちんと処理・説明できていないのも問題。

また、冒頭から多々出てくる「不一致」「額縁」「確定」「聖なる暗殺者」「正規残存時間」「ピリオド保持者」といった「作者の造語」が乱発されるのも気になった。後でこういった言葉が厳密に説明されると思いきや、最後までそれがなく、よく理解できないまま話が終わってしまった。どうにも読んでいて突き放されている感が否めない。設定上やストーリーの矛盾・問題を、こういった造語や作者の文章のうまさにごまかされた感が終始否めなかった。

殆どの読者が理解できないような理系的薀蓄をたれられるのも問題だが、説明らしきものが殆どないのも問題だろう。

よって設定にこだわるSFファンやミステリーファンの人は読んでいてつらいところがあるように思う。読む際にはSF的・ミステリー的考証をしないことを勧める。



話自体は面白かったので、設定にこだわらない方であればお勧め。そうでない人はやめたほうがいいだろう。


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2006/02/10 01:57|読書評トラックバック:1コメント:0

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取締役の法律知識
新たに改正された会社法に照らして役員の責任について面白く明確に・・・
速読 & 読書 感想文 2006/05/20(土) 08:57

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