バツ丸のエンタメ問答

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CDレビュー~美と慟哭と破壊の女神降臨:真のミクスチャーここにあり!!

●HEAD PHONES PRESIDENT 「vacancy」  91点

ジャンル:オルタナティブ ミクスチャー モダンへヴィネス プログレッシブメタル プログレッシブロック 民族音楽

vacancy.jpg
amalogo111.jpg
(2005/11/23)

1.vacancy
2.inside
3.snares
4.Just Like?

5.PALAM Ya-Da
6.Groan and Smile
7.outside



<問題点・注意点>

1・5曲目の存在意義がよく分からない
2・全曲英詞
3・前衛的でゴリゴリサウンドでダーク且つヘヴィーな音楽性なので要注意



世界的に見ても最高レベルの「女性ボーカルミクスチュー系・へヴィーミュージック系グループ」がこの日本から出てくるとは・・・。
自分にとっての最強アーティスト論を考える上でまた一つ重要となるグループが登場した。その名は「HEAD PHONES PRESIDENT」(略称HPP)。今作はその彼らの2ndミニアルバムである。

まず、恐らくこのグループをご存じない方が多いと思われるので簡単に紹介しておこう。


デビューは2000年。メンバーはMAR(G)、HIRO(G)、ANZA(Vo)、NARUMI(Ba)の4人。メンバーにドラマーがいないのは、この手のアーティストグループにおいて非常に珍しいと言える。

ボーカルのANZAこと大山アンザは、かの「桜っ子クラブさくら組」のメンバー。後にミュージカル「セーラームーン」の「月野うさぎ」役、最近ではあの有名な「レ・ミゼラブル」の「エボニーヌ」役を担当するなど大活躍中の舞台俳優である。
その彼女がフロントマンとなって率い、奏でたのは、ミュージカルが持つであろう華やかさや優雅さといったイメージや、アイドルとしての活動暦とはあまりに隔たりのある音楽であった・・・。

ジャンルとしてはミスチャーやエクストリームミュージックになるのであろうか?
それはともかく、こういう系統の音楽には珍しく、コンセプトアルバムの形式をとっている。主題は恐らく、アルバムタイトルになっている「VACANCY」(=「無為」「からっぽ」「虚脱」「うつろ」)な状態での内面との対峙(ないしは、内面との対峙を経た結果としての「VACANCY」)か・・・。

インストであり表題曲である1曲目において、日常の喧騒や日々の生活に疲れた主人公がキレ、心のうちに引きこもる瞬間が描かれる。そして2曲目「Inside」から完全に内面に入り、それ以降の各々曲で様々な心的葛藤を経た後、最終曲「Outside」において、内面と現実とがあいまい且つ渾然一体と描かれながら、恐らく現実へと引き戻されていく、という流れになっていると考えられる。

様々な心的葛藤や精神状態を描いていることもあり音楽性は全く落ち着きがない。激烈で重厚なモダンへヴィネスサウンドが主軸なれど、時にクラシック音楽やオペラ、民族音楽といった音楽の旋律が突如盛り込まれ、美しさや深遠さ、壮大さを見せ付けたかと思えば、一方で脈絡もなく曲が速くなったり遅くなったり、それどころか音がなくなったりと、かなり前衛的で変則的な展開を見せる。

このような複雑且つ深遠な主題の表現や様々な音楽の融合を破綻なく提示したメンバーの作編曲力・演奏力・表現力・知力・想像力にはただただ驚愕と尊敬の他ない。

屈強且つ重厚で体の芯にまで響いてくるドラムとベース。空間をきりさくかのような鋭く歪んだギター。あまりにもの悲しく、美しく、スケールの大きいバイオリンの旋律とコーラス・・・。どれもが見事。

そのすべてが、人間の内面に存在するであろうあまたの感情を見事に表現している。そして、それは、凄まじい才能を有した怪物ボーカリストANZAにより、比類なきレベルにまで引き上げられ、完成を見る。

ミュージカル経験により培われたであろうしっかりとした基礎に裏打ちされた抜群の歌唱技術が、形容しがたいほどの美と情念・狂気・怒り・哀しみを演出する。それは歌唱云々を超え、彼女の一人舞台と言ってもいいだろう。歌を歌っているのではなく歌で演じているのである。

激情を表現しているであろうディストーションシャウトのところで、やはり女性であるが故の少しの弱さ・甘さを見せるが、ノーマル歌唱に関しては完璧と言っても良いほどにお見事。前衛的なトラッド風大曲の6曲目や、形容不能の大作プログレ・プロメタバラードである最終7曲目での歌唱は目頭が熱くなってくるぐらいに美しく、悲壮である。しかし、技量以上に圧巻なのはそのエナジー、カリスマ性、迫力であろう。何かが憑依したかのようにただひたすら激情・情念を吐き出していく様は、まさに狂気。時に聴くのが辛くなってくるぐらいにすさまじいが、同時にそれを聴かずにはいられない中毒性をも秘めている。天才COCCOや椎名林檎・鬼束ちひろ・OLIVIAらに匹敵し、且つ同じ領域で語られるべき歌い手であると言っても過言ではないだろう。まさに「美と慟哭と破壊を支配する女神」。


今作の唯一の問題はただひたすら緩い民族音楽調の5曲目の存在。4曲目と6曲目のつなぎ的役割を果たす半インストのようなものなのだろうが、良く理解できなかった。この曲がないか、代わりに普通の曲が1曲入っていたら「名盤行き」は確実であった・・・。

それと、これは個人的な要望なのだが、今後は今作のような「比較的遅めの曲」だけでなく、絶頂期のメタリカや「ラストインピース」あたりのメガデスのような「知的さと殺傷能力に満ち満ちたスラッシュメタル」的楽曲もやってほしいと思う。


音楽性や歌唱がかなり極まっているので万人にお勧めできはしないが、美と慟哭と破壊がもたらす至高の音世界に身も心も支配されたいのであれば、是非とも聴いて頂きたい一品。COCCOやOLIVAのファンの人には特に。何者にも得がたい感動が今作にはある。












・アーティスト評価
歌唱力9 ()
作曲10 ()
編曲10 ()
独創性10 ()
安定性9 ()
10 ()
総合10 ()
熱中度10 ()


<追記>
それにしても、このグループ、女性ボーカル・ツーバス・ツインギター&7弦ギター・ミクスチャー系音楽と、どっかしらのグループと実にそっくりである。が、その実力その音楽の出来に関しては、はっきり言って比べることが余りに気の毒なくらいに差がありすぎる。
しかし、くしくもこの両グループは「ほぼ同時期にアメリカデビュー」することになった。片や地道な努力の積み重ねと卓越した実力で。片や組織力で・・・。何だかとてつもなく虚しくなってくるのを抑えることが出来ない。

ま、それはともかく、このグループには「日本にアメリカのアーティスト以上の、本物のヘヴィーミュージックアーティストがいること」を思う存分アメリカ人に見せ付けていただきたい。



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2006/03/20 23:07|アルバムレビュートラックバック:0コメント:2

コメント

なんと、Head Phones Presidentまでお聴きになられたとは…!
魂を削っているような、半端ではない演奏力・歌唱力ですよね。
ちなみに、1stフルアルバム「Vary」においては、
さらに荒削りな彼らを聴くことができますよ。
アメリカのKORNによく似た音ですが、好きな人には本当にたまらないかと。
浮世の縞鼠 #-|2006/03/22(水) 23:18 [ 編集 ]

聴いちゃいました
どうもです。ボーカルをはじめ、皆かなりの凄腕ですね。「Vary」も近々入手予定です。最近CD買いまくっていて破産寸前ですわ。

Angel of Venice、QUIDAMにこのHPPに、大鴉、IONA、OPEATH・・・といっぱいです。

バツ丸 #-|2006/03/24(金) 00:49 [ 編集 ]

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