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読書評~やっぱり本も読まないとね

①奥田英朗 「ガール」 講談社 40点/50点




井上俊 船津衛 「自己と他者の社会学」 有斐閣






①は安定して高水準の文芸作品を出している名手奥田英朗の最新作。今回は30代のOLたちを主役とした短編集である。簡単に言えば、奥田版「負け犬の遠吠え」か・・・。

育児、結婚、仕事・・・。人生で重要な岐路に立たされつつも日々男性社会の中で奮闘しているワーキングガールたちの生き様や心理が、奥田の流れるような文章でみずみずしく綴られている。

彼女らを通して、今の日本社会や日本企業の結構大きな問題が描かれているにも関わらず、そう深刻に考えることなく、説教臭さを感じることもなくサクサクっと読み進めていけるのは、奥田の文章力あってのものだろう。コミカルで時に切なく、人間の強さ、愚かさなどをさり気なく読者に認識させる軽妙な文体により、読んでいて作中のOLたちと同様、最後には何だか清々しい気分になれる。

また、人物設定もいい。ありきたりなところもあるが、ところどころで中々現実にはありえない「如何にもフィクション的な微妙においしい設定」があることが、同性の女性に「まだ負け犬ではない」「人生まだまだ楽しいことでいっぱい」などと夢や憧れを抱かせつつ、作中人物に対する親近感・共感をもたらした。「え~」と思いつつも、「あるある、こんなこと」と読んでいる人はきっと思うことだろう。この辺りのところは、作者の天性の上手さ、バランス感覚の良さとしか言いようがない。

仕事をしている20代・30代の女性のみならず、男性にも読んでいただきたい傑作短編集である。各話それぞれが魅力に富んでいて面白いのだが、個人的にOLたちがイケメン新入社員に恋し、彼をめぐって壮絶な戦いを繰り広げる最終話の面白さに腹がよじれた。


ところで、今作の144Pで、
「第一、婚期や出産年齢が今より早まったら東京のレストランの半分は閉店に追い込まれてるだろう。アパレルと旅行業界は大打撃を受け、日本経済全体が落ち込むだろう」との、作中主人公の意見には笑ってしまった。確かに、こういった業界だけでなく、アキバ系のオタク業界やガンダム人気をはじめ、日本経済の中で元気な項目は、「独身の20代後半から30代の人間」に支えられている。こういう人たちが皆結婚して子供を2人も3人も作ったら、このような趣味にお金と時間を注ぎ込んでいる場合ではないだろう。もっともな真理である。

果たして今の日本において、本当に効果のある「少子化対策」を取ることが出来るのだろうか・・・。見物であろう。



②は社会学や心理学のみならず、「人間」や「文化」を考える上で超重要な「私」という概念について分析した本。「印象操作(管理)」理論で有名であり、20世紀の様々な学問に絶大な影響を与えたE・ゴッフマンの「行為と演技-日常生活における自己呈示」での理論を主軸にして、社会や他者との関わりの中で絶えず変化していく社会現象としての「私」を社会学的に解き明かしている。

何故人は、時に自らの命を絶つのだろうか。何故様々な局面で嘘をつき事実をごまかすのだろうか。それは、「私」という存在が常に他者からの視線や評価に晒されているからに他ならない。人はこのことに絶大なプレッシャーを感じている。だから、「いじめ」や「リストラ」という自己評価に決定的なマイナスに繋がることが他者に露見する前に死を選ぶケースが少なくないのである。

こういったお話を始め、この書籍での「私」に対する分析は基本を網羅しつつ多岐にわたって行われている。文章が難しく、しかもお堅く難しい理論が大半を占めるということもあり、結構読むのに苦労を強いられたのだが、中には「ファッション」や「ブランド」に関することや、「模倣の文化」、そして自分にとって興味の深い「求められるアイドル像の変化」「アイドルとファンとの関係の変化」などに関して、少しではあるが分析されていたのが興味深かった。

コミュニケーション関係に興味がある方にお勧め。


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2006/03/26 18:09|読書評トラックバック:0コメント:0

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