バツ丸のエンタメ問答

音楽・映画・本好きのためのよろずやブログ

ホーム 全記事一覧 << 前の記事 次の記事 >>

カレンダー 

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

ただいまのお時間 

最近の記事 

月別アーカイブ 

カテゴリー 

最近のコメント 

最近のトラックバック 

おすすめ書籍 



読書履歴! 









検索 

ブロとも申請フォーム 

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




--/--/-- --:--|スポンサー広告

映画評「ファイヤーウォール」~良質のサスペンスだが致命的な問題も・・・

・評価:70点

連日の長時間労働&休日出勤&4月とは思えない寒さで何だか心身共にヘロヘロの私。さりとて、今月の残りの日でも映画を見に行く時間が中々取れないこともあり、強引にレイトショーを見に行ってきた。

今回は邦画好き=ハリウッド嫌いの私としては珍しくハリウッドの王道作品とも言える「ファイヤーウォール」。本当は見に行くつもりなど全くなかったが、各所でそれなりの評価を得ていて気になったこともあり見に行って来た。

結論から先に言うと、誰が見に行ってもそれなりに楽しめるであろう良質のサスペンス作品。これといって突出した魅力もなく、すさまじい興奮・感動を味あわせてくれるものでもないが、ハリウッドの悪しき風潮である「設定の奇抜さやCG映像などに依存する」ことなく、エンターテイメント作品としての醍醐味をきちんと見せられている、ある意味貴重な作品であるとすら言えるだろう・・・。


<あらすじ>

主人公であるジャック(ハリソン・フォード)は大きな銀行のコンピュータセキュリティー部門の統括責任者。意に沿わない他行との合併の取りまとめや日々多発する不正アクセスへの対応に追われてはいるものの、その身分が示すように、「大豪邸に住み愛する家族に囲まれる」、まさに上流階級・成功者としてふさわしい誰もがうらやむ生活を送っていた。しかし、そんな彼と彼の家族の幸せな生活を脅かす事件が起こる。犯罪集団が家に侵入し、愛する家族を拘束したのである。圧倒的な暴力を背景に家族を人質にした犯人の要求は、「合併準備のため通常時よりセキュリティーが薄くなっている銀行のコンピュータ管理システムを操作し、高額貯金者上位100人から1万ドルずつ引き落とした計100万ドルを犯人一味のリーダーが指定する口座へと移す」こと。

愛する家族の命を守るため彼は犯人一味の要求に従うことに。知恵を駆使し、何とか犯人たちを出し抜こうと様々な策を弄するものの、ハイテクと人員とを駆使した徹底した監視・管理を前になす術もなく潰される。さらに、犯人たちの監視のみならず、当然のことながら金を移すために取らなければならない行動と、家族を人質にされていることによる焦りが、周りの優秀な銀行員や上層部からの不信の元となり・・・。犯人と行員による監視の目をくぐり抜け、無事家族を救出することが出来るのか!!



<感想など>

やや誇張するならば、今作は今後の「銀行強盗」映画のスタンダードモデルとなりえる作品だと思う。

今作の面白い点であり最たる特徴は、「銀行強盗」に対する一般人の認識を大きく変えさせる、「犯人が金を奪い取るまでの斬新なプロセスの提示」にあろう。

従来の銀行強盗作品の「定番」として存在し続けていた、

「犯人が頭脳と体力とを駆使し、様々なセキュリティー装置がつけられた堅牢な金庫や、屈強且つ重装備の警備員OR警官の監視・追跡を破り、金庫の中に眠っている大金や高級貴金属を盗み、その喜びに浸る」

が全くない。

それどころか、犯人が「金を奪う」行為に「殆ど」と言ってもいいくらいに関わってはいない。盗みだす方法の立案や盗む行為はすべて「犯人」ではなく、「標的である銀行」のセキュリティーシステム管理者にさせ、犯人側はシステム管理者とその家族に対する綿密な下調べと、暴力を背景にした脅迫と、ハイテクと人海戦術を駆使して彼の自宅から彼を徹底的に管理・監視をするだけ。

管理監視システムがITを主軸に高度になればなるほど、それをきちんと管理できる人物が少なくなり且つその能力・技術を有す各々の権限が巨大化する。そういった状況においては、高度なITやIT技術とは全く逆の、暴力という原始的な方法によるシステム管理者への直接的な脅しこそが、高度なIT技術を身につける以上にITによるセキュリティーを打ち破るのに最適であるという「IT社会の盲点」を見事に突いたと言えるだろう。考えてみれば「ああ、なるほど」と思うものの、観客の意表をついた見事なアイデアである。

さらに、作中において「現金・紙幣」の描写が殆どなく、オンライン上のデジタルなやり取りのみで「現金」が動かされている点は、生活や国家を支える根幹である「お金」ですら、もはや現実味がなくなってきている現代社会の状況を見事に示している。


そして何より、お金を盗み出す描写やと同じくらいかそれ以上に、犯人による犯行の痕跡の消去という点に主眼が置かれているところが、今作を魅力的にしている。

こういったところの描写やテーマ設定はとても見事だと言えるだろう。

複線の貼り方やストーリーの進め方もすばらしかった。

各登場人物の、一見理解しがたいような言行動やストーリーの謎かけに関し、要所要所でそれをきちんと解明し、論理的で明確な意味を持たせつつ最後に一つに収束させていく丁寧で堅実な作りには非常に好感が持てた。また、主人公の超人的な能力やありえない強運といったものに話を依存させることなく、あくまで常識的な範囲で斬新且つ納得がいく犯人たちとの対決劇であったのも評価すべき要素だと考える。

特に、犯人が主人公の妻に「ある人物」に向けて○○をさせたことがまさかああいう風になるとは・・・。本当に上手いと思った。

お金を盗み出すまでの描写が少し間延びしているのが少し気になったものの、これは許容範囲であろう。

今作は非現実な設定やストーリーを持つ作品で味わえるような興奮や感動は全くないが、そういった作品が持ち得ないリアルな設定と人間のやり取りに「うんうん、なるほど」と思わされることしきりの非常に面白い作品だと言える。

しかし、では何故70点という評価になってしまったのか・・・。それは「ハリソン・フォード」が主役であること一点に尽きる。

何故なら、今年で64歳となる彼は、「優れたIT技術を有し、大銀行のコンピュータシステムのセキュリティーを統括するエリート」という今作の主人公の設定に全く合っていないからである。

一般的な同年代の人物と比べると若々しくは見えるものの、立つ動作、歩く動作、走る動作と所作の一つ一つが「彼が老齢」であることを雄弁に示している。また、もちろん例外はあるだろうが、通常この年代の人間が現場の最前線でコンピュータをいじっていることは考えられない。良くて40代ぐらいまでだろう。それ以前に彼の年代ではとっくに会社世界からリタイアしているか経営や人事に携わっている、というのがいわゆる世間的常識である。

しかも、犯人たちに拘束される彼の娘と息子の設定がそれぞれ14歳8歳と、これまたおかしすぎ。実生活では22歳で最初の結婚をしたハリソン・フォードなので、「孫」と言ってもいいだろう。
今作の主人公像の一つである「アメリカンドリームを体現したエリート」としての雰囲気や、「善良で良き仕事人、良き夫、良き父親」という雰囲気を確かに出せてはいるが、それ以外の点において説得力は0である。何故彼を今作の主役したのか・しなければならなかったのかという根本的なところでの疑問を感じずにはいられない。40代のかっこいい俳優でよかっただろうに・・・。それこそ、安直ながらトム・クルーズやブラッド・ピットでもよかった。


もし、この問題がなければ、今作は歴史的な作品になっていたと思う。実に残念である。


スポンサーサイト




2006/04/08 23:06|映画評トラックバック:1コメント:0

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
「ファイヤーウォール」ハリソンの元気な姿を確認する映画
「ファイヤーウォール」★★★☆ハリソン・フォード、ポール・ベタニー主演リチャード・ロンクレイン監督、アメリカ2005年今度のハリソン・フォードはコンピューター・セキュリティのスペシャリストちょっと設定にムリが無いわけでもないがそんなこと考える...
soramove 2006/04/24(月) 23:23

トラックバックURLはこちら
http://badtzmaru.blog34.fc2.com/tb.php/217-b0a0bce6

プロフィール 

聴いた曲の履歴!! 



プレイリスト詳細

アクセスカウンタ 

,
・トータルアクセス



・ユニークアクセス





ランキングに参加しています。よろしければクリックしていただき、投票にご協力いただけたらと思います。

その他コンテンツ 

・バツ丸のヲタク拝見
・過去のレビュー
・以前の他事争論
・名盤紹介
・墓場に持って行きたい曲
・月別CD DVD購入&試聴記録
・アルバムレビューについての説明

リンク 

ブログ検索 

おすすめCD!! 

購入・試聴CD 











DVD・その他 

Copyright(C) 2006 バツ丸のエンタメ問答 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。