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CDレビュー~これは退化ではなく進化である:最強の奴らが帰ってきた!!

●FEEL SO BAD 「PERFECTNESS」 89点

ジャンル:ヘヴィーメタル プログレッシブメタル ドゥームメタル ミクスチャー インダストリアル

perfectness.jpg
amalogo111.jpg
(2006/7/5)


1. GERBERA
2. DREAM TALE
3. STAY WITH ME
4. 今もし僕が…

5. 冬の陽
6. PUZZLE
7. RUN OR RUN
8. DOKKAAAN!
9. 青空が…
10. ALRIGHT


<問題点・注意点>

1・絶頂期(4thアルバムぐらいまで)のような圧倒的な重量感、スピード感、殺傷力はない
2・音の密度もかつてに比べると薄くなっている。
3・倉田のギターの比率がかなり下がっている。







1993年・・・、Beingが音楽業界の頂点に君臨していた時。それらを支えた主流アーティストとは別に、一つの偉大なバンドが登場した。その名はFEEL SO BAD(以下FSBと表記)。卓越した技術、ほとばしるエナジー、溢れんばかりの音楽的アイデア、聴き手を叩き伏せる暴力性・重厚さ、知的なユーモラスさを織り交ぜた痛烈な社会風刺、キャッチーさのすべてを高度に兼ね備えた音楽性は、他の何者にも変えがたい魅力があった。メジャーになることは、ついになかったものの、日本のメタル・スラッシュメタルに対する彼らの功績は決して小さいものではないだろう。


しかし、一方でこういったジャンルにおいては、「加齢による肉体的衰えや精神的衰えによる攻撃性や破壊力、重厚さ、スピード感の後退」という避けて通れない問題がある。
もちろん、エンペラーやスレイヤー、テスタメントといった「老いてなお衰えることない圧倒的な攻撃性」を見せる偉大なアーティストもいるが、メタリカ、メガデスのように音楽性が露骨に変わってしまうのが世の大勢であった。もちろん、FSBもそのご多分に漏れず・・・。5thアルバム以降のコミカル路線はその顕著な例であろう。後の活動休止は必然な流れであった。偉大なバンドの一つの時代が終わったのだと・・・、そう割り切れる気持ちが自分には確実にあった。


よって、活動休止から5年の月日を経て発表されることになった今作に対しても、それほどの期待を持ってはいなかった。所詮往年の彼らにはかなわないだろうと・・・。だが、その考えは半分はあっていて、半分は間違っていたと言える・・・。


音楽性に関しては、やはりというか、初期の頃のスラッシュ色は殆どない。グルーブ重視のモダンヘヴィネスやドゥームメタル+歌メロは歌謡曲を核に、彼らならではの魅力を構成している知的な皮肉やコミカルさや、ヒップホップやレゲエといったメタルとは相容れない音楽の要素を盛り込むなど無秩序なまでのごった煮性を見せ、全くとらえどころがない。ある意味往年の音楽のおいしいところ取りであり、いかにも彼ららしいとも言える。

しかし、こういった過去からの継承点があるものの、全体的な作風に関しては、過去との大きな違いを感じずにはいられない。

その最たるものが、第2のボーカル的存在であった倉田のギターの比率の減少~特に聴き手を切り刻む鋭さがあった殺傷リフの全面への押し出しが減り、TOOLを筆頭とした最近のアメリカのヘヴィーロック系バンドのような、ギター・ベース・ドラムによるダークで重々しく、淡々としているようで実は緻密且つ複雑なサウンド構成のものがあること。2・5曲目におけるインストの構成はそれを顕著に示している。

そして、もう一つは、上記ことも含めて曲がプログレッシブになっていること。絶頂期はスピードやノリや力で押していた感があるが、今作では曲ごと及び曲内におけるスピードやリズムの変化が激しく、さらに5曲目などには民族音楽の要素もあるなど、かつて以上の音楽的幅広さや複雑さを見せている。7分近くもある2曲目もそうであろう。もはやヘヴィーであること以外ジャンル区分不能であろう。最先端の要素を柔軟に、多彩に取り入れながらも、他の何者でもない自分達の音楽を打ち出す・・・。紛れもなく、「ジャンルFSB」である。

これらは、圧倒的な攻撃性や鋭利さ、スピード感、凄まじかった音の密度といったものを失った彼らが、長きに渡る活動と充電期間とにより得た新たな魅力、進化なのである。それは、今まで以上の知的興奮と高尚さとを感じさせる・・・。

「昔とは違う」「昔ほどではない」と言うのは容易い。だが、この音楽性の変化を私は高く評価したい。これは退化ではない。新たな彼らの進化であると、傑作であると。

もちろん、かつて程ではないとはいえ、尚彼らの演奏技術やそれらがもたらす迫力・鋭利さなどは、そこら辺の「自称演奏が上手いよバンド」や3流のミクスチャーバンドなんぞ歯牙にもかけない凄さがある。2曲目中間奏でのドラム・ベース・ギターが一体となったバカテクのアンサンブル、4曲目での大橋のベース、8曲目での倉田の早弾きやひっきりなしのリズム・スピード変化を構築する各パートの演奏は、メタルファンや楽器をやっているものであるのなら、快感とカタルシスとを感じること必死。血がたぎる。


コミカル路線への傾倒や12ヶ月連続リリースなど企画が先行した辺りでファンを離れた人、どうせ往年の魅力超えられないと思っている人、正真正銘時代に左右されない本物の実力・凄みとオリジナリティーとを有した音楽を聴きたいと思っている人、今のBeing/GIZAなんて所詮は・・・などと思っている人に是非とも聴いていただきたく思う。

今作を聴いて再び彼らの演奏を直で見てみたくなった。










・アーティスト評価
歌唱力10 ()
作曲10 ()
編曲10 ()
独創性10 ()
安定性9 ()
10 ()
総合10 ()
熱中度9 ()



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2006/07/17 00:52|アルバムレビュートラックバック:1コメント:3

コメント

バツ丸さんもこのアルバム気に入りましたか。あまり期待していないようだったので不安だったのですが(笑)
このアルバム、MFMのインタビューを読むとますます味わい深くなりますね。
個人的にだりあだけでなく冬樹もスタジオを持っているのに驚きました。
かすみ #kuX..F9k|2006/07/18(火) 13:27 [ 編集 ]

気に入りましたね~
>かすみさんへ

いや~、気に入りましたよ、これは。教えていただきありがとうございます。

確かにMFMを読むと、より作品に対する理解が深まりますね。彼らが只者ではないことがよく分かります。ホントすごいや。

ライブも見たい。大人の事情や資金的事情さえなければ・・・。

バツ丸 #-|2006/07/19(水) 00:49 [ 編集 ]


アルバム、とっくに入手はしていましたが、バツ丸さんのレビューがないとおっかなくて何も書けませんでした(??)
かなりの高評価、安心しました。非常にバロック音楽的かな?
てっちゃん #-|2006/07/20(木) 05:07 [ 編集 ]

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FEEL SO BAD
タイトルどおりのPERFECTNESS - FEEL SO BAD NEW7月5日は要注意! - FEEL SO BAD ニューアルバムも!ENDORPHINE GROOVE - FEEL SO BADパンキーな歌詞 - FEEL SO BAD復活! FEEL SO B
英語生活ノおト+α 2006/07/20(木) 05:07

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