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「SAYURI」 最初の45分と最後の10分だけの映画・・・その1

・評価:50点/100点

実質は30点。大後寿々花のあまりにすばらしすぎる演技に15点、チャン・ツィイーの体を張った演技と愛らしい表情に5点加点。


ビックな話題作のない今年冬の映画の中で、日本での積極的な宣伝活動が目立つ「SAYURI」。主役である「さゆり」を演じているチャン・ツィイーと大後寿々花の大ファンである私としては当然見過ごせる筈もなく、親知らず抜きによる激痛に耐えまくりながら速攻で見に行った次第。

制作はあのスピルバーグ率いる「ドリームワークス」。しかし、監督に関しては、当初予定されていたスピルバーグからロブ・マーシャルに変更。もはやスピルバーグは監督としての評価にたる人物とは思わないので、この変更は率直によかったと考えていたのだが、とんだ考え違いもいいところだった・・・。

原作はアメリカ人が執筆。実在の人物をモデルにし、きちんとした時代考証の元で書かれた作品である。「日本の芸者文化」をそれなりに正しく欧米人に伝えた点で評価を得ているようではあるが、映像を伴う映画となると・・・。


この映画を見るにあたっての重要極まりないポイントとして、日本文化の中で育ってきた日本人が故に作品に対して感じてしまう猛烈な違和感との激烈な戦いがある。

極端な表現をあえて用いると、結局今作は誤解と偏見に基づいた「時代錯誤で誤った日本文化の紹介」をした過去の作品と同様のものに過ぎない。
そもそも、今作の大きなテーゼの一つであろう「芸者と売春婦の違い」を明確に説明できていないからだ。

劇中で散々薀蓄や理屈をたれるものの、アメリカ人監督が故か強引にハッピーエンドにしたことと、そのためにさゆりが何度か体を売る描写があること、さらに別の芸者に関しても体を売る場面があることもあり、外国人はおろか日本人ですら「結局は体売っているじゃないか」と感じてしまうこと必死。高度な芸も話術も、そのための道具に過ぎないとしか見ている人に思われないのではないだろうか。「芸者や芸者文化」に対する理解を深めるというよりも、芸者に対する不可解さや偏見を増長させるだけのような気がする。


よって、歴史や美術史などに造詣が深い人や、時代物作品に対してきちんとした時代考証を求める人にとっては、おそらく今作への評価が厳しいものとなるだろう。人によっては怒り出す人もいるかもしれない。そうでなくても、日本を舞台にし、日本人を描いた作品であるにも関わらず、主要のキャスティングが日本人ではなく、さらに数少ない登場している日本人も含め役者全員が英語で演技をしている点に、日本人であれば多かれ少なかれ違和感や微妙な感情を持たざるを得ないと思う。

但し全編英語という点に関しては、事前情報として分かっていることもあり、今作を見に行った人、見に行こうとしている人はある程度の覚悟と理解があるように思う。問題は、時々意味不明且つ中途半端に日本語が用いられていることと、日本語でなければならないことを英語にしてしまっていることにある。

さゆりが売り飛ばされる場面と中盤での「疎開命令が下される」場面が全部日本語であるのは全く意味不明。

また、「お姉さん」(シスター)、「ありがとう」(サンキュー)が、場面場面によって英語の時と日本語の時があるのは、理解に苦しむ。

挙句の果てに、英語だらけの会話の中で唐突に、「おはようございます」「ごくろうさま」「ごめんなさい」「もしもし」「~さん・ちゃん」と日本語が入ること。ここまでくると怒りを通り越してあきれ返るだけ。

そして極めつけは、工藤夕貴演じる「おカボ」が「パンプキン」と呼ばれること。

主人公の「さゆり」をはじめ、「豆葉(まめは)」「初桃(はつもも)」「延さん(のぶ)」と登場人物の名は日本語名になっているにも関わらず何故に彼女だけ英語なのか? ふざけるのもいい加減にしろと言いたい。

渡辺謙・役所広司・桃井かおりといった日本人有力俳優らがこのおかしさに関し監督に何故異議申し立てをしなかったのか・・・。追求してしかるべきであろう。彼らに対する失望を禁じえない。

一方、非日本人=中国人メインのキャスティングに関しても実に深刻であった。

主役を演じたチャン・ツィイーはいい。彼女は間違いなくアジアナンバー1の人気女優であるし、「世界の美女50人」に選出&「ハリウッド映画」に何作か出演していることからアメリカでの知名度もある。
また、中国の舞踏コンテストで優勝という経歴が示す身体能力の高さと姿勢・所作の美しさは、今作の映像美や芸者の美しさ・神秘性を表現する上で絶大な貢献をしていたと言える。そして何より、彼女の愛らしく且つ多彩な表情は、何者にも変えがたい「映画スター」としての魅力がある。作品を考える上でも、商業的な見地からも彼女の起用に全く不満はない。但し、他の役者に関してはその限りではない。

豆葉を演じたミシェル・ヨーと初桃を演じたコン・リーに関しては、確かに美しくはあったが、芸者的なそれがあるかというと疑問がある。どちらかというと、前者が仁侠映画に出てくる姐さんで、後者は娼婦のような感じがしてならない。芸者には見えない。
それもさることながら、中国人が中国人に英語で芸者文化を伝承すると言う構図にやはり違和感が・・・。

また、数少ない日本人である工藤夕貴に関しても疑問が・・・。
10代後半から20代前半であろう「さゆり」の同期で、少しだけ年上であるはずの「おカボ」を演じるには年齢的に明らかに無理があった。どう贔屓目に見ても、ミスキャストである。演技力以前の問題だ。

個人的にこの3者に関しては、例えば森口遥子・羽田美智子・麻生久美子あたりに演じさせた方が良かったように思う。それ以外にも余貴美子・中谷美紀・綾瀬はるかなどふさわしい女優はいよう。これで「芸者と日本文化を扱った映画」というのは、なんだかあつかましい。

はっきりいってかなり救えない今作ではあるが、数少ない見所は膨大な予算をかけたセットの美しさ、チャン・ツィイーの舞、さゆりの子供時代を演じた大後寿々花のすばらしい演技。

芸者の舞としては疑問があるものの、チャン・ツィイーの舞そのものは文句なしにすばらしかった。やはり彼女はすばらしい。

しかし、そんな彼女も子役の大後に喰われていたように思う。

続く。
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2005/12/12 13:58|映画評トラックバック:3コメント:2

コメント
偏見?
おカボについては原作がパンプキンなのだから仕方がない。日本人俳優の数についても英語の発音が堪能なハリウッド進出している日本人俳優が少ない故仕方がない。例え日本在住の有名俳優にオファーがあっても日本で行っている仕事,家庭を考えるとやむを得ず断るかもしれない。
と思います。
読ませて頂きました。 #-|2005/12/19(月) 04:32 [ 編集 ]

あのですね
意見を書いてくださるのはいいのですけど、ハンドルネームくらい書いてください。失礼です。それと、はじめての書き込みだと思いますので、その旨の言葉や挨拶言葉なども書き込んでいただきたい。

「パンプキン」に関しては分かりましたが、役名が「おカボ」になっている以上、そちらにあわせてほしいとも思います。他の人の名前が日本名ですしね。

日本人選出に関しては、別にハリウッド映画に出ていなくてもいいでしょう。桃井さんも役所さんも確か出演されていないと思いましたが。「仕方がない」ではないように思いますよ。ようは最善を尽くしたかということですよ。

家庭事情により断る人はいるでしょうが、全員が断るとも限らないでしょう。

英語に関しても、特訓で何とかなるでしょうし、そうでなくても、英語が話せる人もそれなりにいるでしょうし。


仕方がない、やむをえない、ではなく、いい作品を作るためにそこを何とかするのがプロの仕事でしょう。そのように言い出せば、批評も批判も存在しえません。「ごめんですめば」と同じ理屈です。
バツ丸 #-|2005/12/19(月) 17:52 [ 編集 ]

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