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映画評「時をかける少女」~明るく・楽しく・爽快で、ちょっぴり懐かしくて切ない青春アニメの良作

・評価:75点

CDの売れ行きや映画の観客の入りに関し、大きく分けて2種類ある。一つは、「最初はドカっと入り(売れ)、後はどんどん減っていく」タイプ。もう一つは、「最初は大した結果を出していないものの、口コミやネットでの高評価を受け徐々にそれが増えていく」タイプ。

大方のアーティストの作品やハリウッドの大作映画・邦画注目作品は概ね前者と言えるだろう。しかし、今回見に行った今作は、明らかに後者である。夏前においては、殆どの映画メディアにおいて取り上げられることすらなかった今作は、上映終盤に差し掛かかっている今、オダギリジョー主演の「ゆれる」と並び小シネ・単館映画館上映作品として異例のヒットを記録している。

ずっと今作を見に行きたかったのだが、数多事情によって敵わず。ようやく今日、それも「きっかりかっちし大人定価料金」で鑑賞することになったが、そうしても何ら惜しくない良作だと思う。この夏のアニメ映画では一番の出来であろう。それどころか「邦画・洋画」といった区分関係なく非常にお勧めの作品だ。



*完成しました!!









<あらすじ>

主人公は東京の下町に住む、成績は中の下くらいで元気いっぱいの女子高生、紺野真琴(声:仲里衣紗)。将来の進路やら受験やらと、さしあたって考えなければならないこの時期特有の事柄を抱えていながらも、大方の高校生がそうであるように、イマイチ真剣に考えることが出来ず、仲の良い男友達である間宮千昭(声:石田卓也)と津田功介(声:板倉光雄)の2人と一緒に野球をやったり、カラオケで歌を歌いまくったりと、漫然とした日々を過ごしていた。


ところが、夏休みが迫ってきたある日、町名物の下り阪を自転車で高速で突っ切っている最中にブレーキが壊れ、下り坂の一番下にある踏み切りに激突し、宙へと放り出された体が通りすがる電車にはねられる=「死を覚悟」したその瞬間、彼女は時間と空間とを跳躍する不思議な体験をする。

当然、何が起こったか、一体何なのかを全く理解できない真琴。叔母である芳山和子(声:原沙知絵)にそのことを話すと、「それはタイムリープね」と、意外にもあっさりと信じてもらえ、さらには「私も経験したことはあるわよ。年頃の女の子にはよくあることだから」とびっくり仰天の返事がくる。

それでもまだこの体験や叔母の言葉を信じられなかった真琴。だが、再びタイムリープを体験し、それをするためのコツを掴むや否や、自分の大好きなプリンや鉄板焼きを何度も食べたり、小テストでいい点を取ったり、自分に降りかかる「些細な災厄」から逃れたり、と非常にコスいことをするためにその能力を惜しみなく使いまくる。これで何でも自分の思いどおりになり、ハッピーな生活をいつまでも続けていけると思いきや・・・。

だが、自分のささやかな欲のために行い続けてきたタイムリープが、全く予想もしない事態を招いてしまう。そう、叔母から忠告されたように、「タイムリープによって得をしている自分がいるのと同時に、そのことにより行動の変更を余儀なくされたり、傷ついたりした者がいるなど、確実に「その影響を受ける被害者」が存在しているのである。

そして、彼女が何気なくとったタイムリープが千昭からの衝撃的な告白という、高校入学以来ずっと続いてきた3人の「友人関係」を崩す事態をもたらしてしまう。千昭からの突然の告白に狼狽し、さらには3人の関係が崩れることを危惧した彼女は、タイムリープによってその告白そのものを「なかったこと」にしてしまうのだが・・・。それが、さらに、真琴が望む未来予想図からどんどんかけ離れ、ついには自分も含めた数多くの友人・同級生を巻き込んでの複雑な事態をも、もたらしてしまう・・・。



<感想など>

映画を見始めてある程度経つまでわからなかったのだが、今作は「時をかける少女」というタイトルがつけられてはいるものの、1967年に刊行された筒井康隆の小説のアニメ版でも、1983年に原田知世主演で一世を風靡した劇場版のアニメリメイクでもない。原作小説、というか恐らく原田主演の劇場版から20年後の世界を舞台に、原作及び劇場版で主役であった芳山和子の姪である紺野真琴を主役にした「続編」OR「アナザーストーリー」とも言うべきものである。

よって、原作や劇場版を見ていなくても映画を見るのに何の支障もないが、事前にそれらを見ておくと、より作品を楽しむことが出来るので、できればこれらを抑えていただきたいところ。特にあるモノに関する謎解きに関しては大いに役にたつはずだから・・・。


ま、こういったことはさておき、今作が非常に素晴らしいものとなった大きな理由に、実写映画や小説では出来ないアニメならではの面白みや美しさに溢れていることにあろう。

とにかく、「オネアミシスの翼」や「エヴァンゲリオン」のキャラデザで有名な貞本義行が描き出した女性キャラクターがとても魅力的。

津田に思いを寄せる藤谷果穂や主人公の妹である美雪のかわいさと、主人公の叔母である芳山和子のミステリアスな美しさは絶品。数々のアニヲタどもも思う存分萌え精神とリビドーとを発動できること請け合い。また、かわいさや美しさだけでなく、白目を剥いたり、こめかみに三角形型の汗を浮かべたり、と「アニメならではのありえない表現やオーバーアクション」に関して実に魅力的に描けているのも、流石貞本と言ったところか。タイムリープ直後の「絶対死ぬよ、アンタ」と突っ込みたくなってくるような激しすぎる様々なモノとの接触場面や、自室のベッド上でのクネクネした動きなどは、見ていて笑えること必死!!

叔母さんや主人公の母など、どう考えても中年である女性が「女子大生か?」と思うほどに若くかわいすぎるという問題があるものの、かわいさ・美しさ・多彩な表情に溢れる貞本の絵は確実に作品の質を高めている。

また、町並みをはじめとした背景に関しても秀逸だ。美術監督は「もののけ姫」を手がけた山本二三。それ故に如何にもジブリ的な、異常なまでに細部に拘った背景は単に美しいのみならず、かつてのジブリ作品がそうだったように、鑑賞者をありし日の感傷に浸らせる上で絶大な効果をあげている。野球場、踏み切り、学校、家、自転車・・・。ケータイ・パソコンが存在していることから明らかなように、今作は「現在」が舞台となっているのにも関わらず、その絵に関してはどことなく7・80年代を髣髴させる懐かしさに満ちている。一定以上の年であるのなら、自分の若かりし頃を思い出さずにはいられないだろう(今の中高生の人達はどう思うのかな、今作を見て)。

こういったところが、CGだらけのアニメやヲタ向け美少女アニメには絶対にない魅力なのだろう。


ストーリーや設定などに関しては、とあるキャラの設定や何故そのキャラがこの○○に来たのかの説明がやや弱かったかなと思うところがあるが、何気ない行動が実は世の流れや他者に大きな影響を与える(因果を形成する)こともある、ということを高校生の青春・恋愛模様を通して明快に描けている点は大いに評価できる。

最近のアニメは、どうにも大人・子供両方の鑑賞に高度に堪える作品がなくなっていて残念に思っているのだが、今作は久しぶりに万人にお勧めできるアニメ映画である。タイムパラドックを扱った作品としても素晴らしい出来だと思う。とりあえず夏の期間は公開されるようなので、休みを利用して是非とも多くの人に見に行っていただきたい。



<追記>

さて、アニメ映画の評価を考える上で避けて通れない且つ重要ポイントとなるのが、主要人物の声をあてる声優の「選出と演技」である。

今作に関しても、極めて残念なことにここ数年の悪しき風潮である「非声優の起用」が継承されている。声をあてた殆どのものが、売り出し中のティーンズ俳優やアイドル・モデルである。だが、「もののけ姫」以降の宮崎駿作品や既に公開された「ブレイブストーリー」や「Zガンダム」とは違い、このことが評価に影響を与えることはなかった。

その一番の理由は、役と声をあてた人物との年齢が同じ、ないしは非常に近いということがあろう。それ故に、しゃべりや声に関しそれほど違和感がなく、それどころか技術的な稚拙さがかえって役にリアリティーを与えているという利点すらもたらした(ただし、千昭の声を当てた石田は下手だし声に魅力がない。いい役者ではあるが声優には向いていない)。

特に健闘していたのは、主人公を演じた仲里衣紗であろう。やや「少年役を演じた高山みなみ」に似た少しハスキーな声による演技は、その堂々さといい、しっかりとした感情表現といい非常に見事としか言いようがない。本職の声優でもないのに、しかも初のアフレコでここまで演じられるのは本当に大したものである。声だけでここまでやれるので、ハーフならではの抜群の美貌を生かしたスクリーン上での演技においてどれほどのものを見せることが出来るのか大いに期待が膨らむ。今後要チェックの女優であろう(ちなみに彼女は日東電工や敷島パンのCMに出演していますよ)。

それ以外にも主人公の叔母を演じた原沙知絵も後輩役を演じた谷村美月も妹役を演じた関戸優希も良かったと思う。

総じてアニメ・洋画吹き替えにおいて非声優の起用には断固反対の立場をとってはいるが、ここまでのレベルで出来るのであれば十分良いと思う。





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2006/08/12 18:27|映画評トラックバック:0コメント:0

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