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CDレビュー~マジ凄えよ!!~美しく聴きやすく、そして深遠なアイリッシュポップ

●SeanNorth 「Story Neverend」 96点 (名盤入り)

ジャンル:アイリッシュポップ フォーク トラッド ケルト ロック プログレ


amalogo111.jpg
(2006/10/11)


1. あてのない世界
2. キャロラン
3. final your song

4. cloudy crowd
5. 夢見るジョニー
6. 線香花火(アルバム・ヴァージョン)
7. Lifetime is Ragtime
8. ライトフライヤーフライ
9. 言葉ひとつ
10. 終わらない唄のクロニクル

11. 千年樹
12. 七つめの海
13. カーテンコール



<問題点・注意点>

1・アイリッシュフォークやトラッド、ケルトが嫌いだと聴けない
2・牧歌的な作風は聴き手を選ぶ
3・4、8曲目がちと弱いか・・・


<序論>

今年の秋までの音楽シーンに関しては、上半期で圧倒的な作品を見せ付けたFayrayと宇多田、下半期に入った直後で新居昭乃やザバダック直系のファンタジックなプログレを聴かせてくれたASHADAの3アーティストの際立った凄さが目立ちすぎた結果になった。ASHADAの作品が出た時点で、今年の残りにおける自分の興味関心が「この3アーティストに如何に肉薄できる存在が出てくるかどうか」となるぐらいに・・・。

だが下半期において、その可能性があると思えるのは、ガーネットクロウや新居昭乃、菅野よう子、梶浦由記、熊木杏里、FSBらといった当ブログをご覧の皆様が何度も名を目にしているであろう実力派やベテランアーティストぐらいであると、自分の頭の中では既に結論が出ていた。もちろん、そこにASHADA以外の「新人アーティスト」が入ってくるなどとは完全に想定の範囲外であったのだが・・・。

しかし、上位3強+先日アルバムを出したガーネットクロウによる熾烈なつばぜり合いを見続けている私に背後から「膝カックン」を食らわすアーティストが登場した。SeanNorthである。「怨み屋本舗」のエンディングテーマでありデビューシングルでもある「final your song」で話題となり、各FM局においてもパワープレイを獲得した彼ら。とは言え、どちらかと言うと「ちょっと面白そうなアーティストかも」と頭の片隅にとどめておいたに過ぎず、それほど注目してはいなかったのだが・・・。店頭の試聴器で聴いて速攻購入。メジャーアーティストの1stアルバムでここまで出来の良い作品は本当に久しぶりではないだろうか。





レビューの前にこのグループのことを説明しておこう。

1998年、同じ高校に通うLumi(Vo)、ムーチョ(Gi)、佐々木久夫(Gi兼ほぼ全曲の作詞作曲編曲)の3名により結成されたグループ。ボーカルLumiの歌唱にケルティックな響きがあることと、音楽的にもアイリッシュ音楽からの影響を受けていることもあり、「吟遊詩を無伴奏で歌うスタイルで抑揚を押さえた美しい響きが特徴」のアイルランドの伝統的歌唱方法である「シャーンノス(sean-nos)」がグループ名の由来となっている。メンバーが県立千葉北高校出身ということもあり「nos」の部分を「North」と変更する。楽器店やレコードショップ主催のコンテストの数々で優勝するなど「コンテスト荒らし」とも言うべき活動振りを見せていたが2000年に自らの限界を感じ一旦解散。4年後の2004年に復活。そして2006年、ドラマ「怨み屋本舗」のエンディングテーマとして起用され、FM各局でのパワープレイを得たデビュー曲「final your song」により注目を浴びる・・・。




さてさて、その彼らがシングルの余勢を駆って間髪いれずに出した1stアルバムであるが、上記経歴もあり1stアルバムとは到底思えない高い完成度と確固たる実力とを見せ付けた極めて素晴らしい作品と相成った。

音楽性に関しては、彼らの音楽のルーツでもあるアイリッシュ音楽~ケルトやフォーク、トラッドなどが土台となったプログレッシブポップス、ロックと言うべきか。今の日本のメジャーアーティストでは非常に珍しいと言えるだろう。曲の端々に盛り込まれるヴァイオリン、フィドル、ウクレレ、マンドリン、アイリッシュフルートやナイロンギターといった楽器の生音や打ち込み音が、牧歌的で美しく、時にほのかな哀愁やカントリーロックにも通ずるファニーさや底抜けの明るさを有す「トラディッショナル」(伝統的)な音楽世界を体現している。

聴いていると、どこまでも広がる草原にたたずみどこまでも澄み渡った青い空を見ているかのような爽やかさや、日暮れ時の海岸を見ているかのような切なさを感じてならない。

しかし、このグループの素晴らしいところは、単に「アイリッシュ音楽を高度に取り入れた」のみならず、そこに現代的な解釈を見事に加えられている点にあろう。煌びやかなシンセの音や、ハードロックやメロスピにも通ずるドラマティックでエモーショナルなムーチョのギターが、ともすれば「ただのどかで抑揚に欠ける」「単にいい音楽」で終始しがちなこの手の音楽に、「静と動」「緩急」「硬軟」といった対比表現に立脚したプログレ的ドラマティックさや深遠さ、緊張感、様々な感情表現、さらにはロックやポップスにも通ずる聴きやすさや馴染みやすさをももたらした。伝統的な楽器による懐かしさや哀愁・牧歌的な表現とエレキギターやドラムによるロック的ダイナミズムが高度に融合した2・3・5曲目はこのことを象徴し、さらには彼らの凄さを端的に示す極めて優れた曲である。CDの帯や公式サイトに書かれている「心はフォーク、音は今」という「売り文句」に嘘はない。
また、アイリッシュ音楽を柱としたロック・ポップスに止まらず、7曲目のようにRYTHEMのようなファンタジックでファニーな曲や、6・9・11曲目といった「いかにも日本的曲名」が示すような「日本情緒」を感じさせる曲があるのも面白い。特に優雅な和楽器の音色の挿入とダークなシンセの音色の挿入によるドラマティックなサウンドが冴えに冴え渡る11曲目は、「いきものがかり」の「SAKURA」以上の魅力があるとすら思う。こういった音楽性を可能とする彼らの作編曲能力はいったい何なんだろうと思ってしまう。収録各曲の出来は非常に高く、「4・8曲目が若干弱いかな」と思う以外楽曲に関する不満は全くない。恐らく今年のアルバムの中でも「最も穴のないそれ」だと思う。

そして極めつけはボーカルLumiの歌唱。数多くのライブ&コンテスト経験を踏まえていることを差し引いても、彼女のアイリッシュ音楽的神聖で美しい歌唱とロック的力強い歌唱とを高度にこなす技術、凛とした雰囲気や緊張感・強さを感じさせながらもどこかしら脆さ・儚さ、牧歌的な雰囲気や痛快さ、激情さをも感じさせる表現力と声質は圧倒的としか言いようがない。素晴らしい!!

何より、素晴らしい作編曲と演奏、そしてLumiの完璧で魅力的な歌唱、つまりはメンバー3人の極めて優れた才能が結実することにより初めて成立するSeanNorthの音楽は、「音楽を聴くことの楽しみ」を思い起こさせてくれる。聴いていてとにかくわくわくしてくる。このような感動はそうそう味わえるものではないだろう。SeanNorthの作品が大手CD量販店の試聴コーナーで題材的に売り出されていることに心から感謝したい。日本の音楽シーンもまだまだ捨てたものじゃないと思う。

Fayrayや宇多田、ASHADAらとは全く方法論が違うし、これらアーティストのような凄みはないが、彼らもまた極めて質の高いプログレッシブな精神性とそれを可能とする優れた音楽的実力・魅力を有したアーティストである。この先どのような音楽を聴かせてくれるか、本当に楽しみだ。










・アーティスト評価
歌唱力10 ()
作曲10 ()
編曲10 ()
独創性10 ()
安定性10 ()
9 ()
総合10 ()
熱中度10 ()




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2006/10/12 01:38|アルバムレビュートラックバック:0コメント:0

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