バツ丸のエンタメ問答

音楽・映画・本好きのためのよろずやブログ

ホーム 全記事一覧 << 前の記事 次の記事 >>

カレンダー 

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ただいまのお時間 

最近の記事 

月別アーカイブ 

カテゴリー 

最近のコメント 

最近のトラックバック 

おすすめ書籍 



読書履歴! 









検索 

ブロとも申請フォーム 

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




--/--/-- --:--|スポンサー広告

CDレビュー~そして、彼女も居なくなった・・・&Fayrayとの比較

・宇多田ヒカル 「PASSION」




●PASSION ★★★★☆
作詞・作曲・編曲:宇多田ヒカル

「Be my Last」からさして間隔を置かないで発表されたニューシングル。PS2ゲーム「キングダムハーツ2」の主題歌として使用されている。

楽曲は前曲に引き続き、プログレッシブロック的な変則バラード曲。イントロを経た後に続く、ドコドコと響く太鼓の音色と笛の音色による珍妙なサウンドに驚かされる。

イントロの電子音、カラオケ・着うた・着メロには明らかに不適な淡々と且つ平坦で恐ろしく歌いにくい歌メロ、太鼓や笛らしき音色による民族音楽的なリズムの構築、浮遊感や前衛感を意識させる電子音の挿入・・・。ここ1年における彼女の音楽性の変化の顕著な特徴として、「プログレッシブロックへの傾倒」があるのだが、よもやここまで深くこっちの世界に踏み込んでくるとは、全く予想していなかった。もはやJ-popとかバラードとか洋楽ポップスとか云々を超え、商業音楽の範疇から逸脱し、卓越した技術と思想の持ち主でしか作ることの出来ない芸術音楽の領域にたどり着いたとすら言えるだろう。

編曲も秀逸で効果的な電子音と打ち込み音の使用が曲に深遠な広がりを与え、聴き手の意識を広げていく。
散々もったいぶるかのように平坦な歌唱が続き、最後のDメロ部分で一気に盛り上がる構成には、おそらく賛否両論があろう。個人的にはかなり好きではあるが。

アメリカデビューアルバム収録曲とは違い、メロディーが、宇多田の声質と歌唱の魅力を引き出しているのがいい。こうなると、他者には及びもつかない実力・魅力を存分に見せ付ける。まこと理不尽ながら、これが天才というものだろう。


ところで、同時期に彼女と同じくプログレの領域へと確実に踏み込んだFayrayと比較すると結構面白いことが見えてくる。


淡々歌うことにより自らの内に哲学的に問いかけていくFayrayとは対照的に、Dメロの旋律に見るように、宇多田はあくまで日常的な描写を感情的に歌うことにより作中主人公の心理を外に向かって表現している・・・。ここら辺の、怨念・情念をはじめとした多感な感情を感じさせる歌唱は母親である藤圭子譲りか。音作りや曲調に反し、歌唱や詞に関し「歌謡曲」「J-pop」的な要素を感じさせるデビュー以来の宇多田の特徴が、ここでも存分に発揮されている。

編曲に関しては、Fayrayがギターとピアノ主軸とシンプルな構成であるのに対し、宇多田はシンセをふんだんに用いたかなり複雑な構成になっているのも興味深い。
このような相違が生じるのには、Fayrayがプログレ四天王の、その中でも「ロック的な影響」を受けているのに対し、宇多田はあくまで民族音楽やそれ以外の音楽~例えば歌謡曲や演歌~からの影響を受けていることが、その理由としてあげられよう。


その結果、暗すぎてとっつきがたいものがあるものの、実はあっさりしているFayrayと、聴きやすくはあるが、実は情念たっぷりでどろどろである宇多田と、見事なまでの好対照の構図が出来上がる。同じプログレ路線でもその内実にはかなりの違いがあるのだ。

しかし、かつて商業的な成功を収めたこの両名が、そういったものとは無縁の音楽をやっているのは面白い。


<総評>

実は「誰かの願いが叶うころ」ぐらいから「ちょいプログレになっている?」との考えを持っていた。それにある程度の自信が持てるようになったのは「Be My Last」で、揺ぎ無い確信が持てるようになったのがこの曲。彼女が「プログレ」へと傾倒しているのは、もはや疑いようがないだろう。

しかし、かつてはR&Bや洋楽王道ポップス、全米アルバムにおいてはデジタルポップ・ヒップホップ・テクノといった音楽性を見せてきた彼女がよもやプログレをやるとは・・・。

彼女の真意はともかく、この動きは非常に面白いように思う。まあ、私がプログレ好きなのもあるが・・・。

今の女性音楽シーンは後半になってからというもの、安定感抜群の王道バラードを柱に、ハードロック・ラウドロック人気、そして倖田來未や絢香の台頭によりR&B・洋楽王道ポップス人気が再燃と再び混迷の様相を見せている。「プログレ」がシーンの一角を担えるかそうでないか、それを占う重要な材料となるのは、来年発表されるであろうFayrayと、この宇多田のニューアルバムであろう。果たして2006年は「プログレ元年」となるのか?


スポンサーサイト




2005/12/19 00:00|シングルレビュートラックバック:0コメント:0

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://badtzmaru.blog34.fc2.com/tb.php/47-07884dd9

プロフィール 

聴いた曲の履歴!! 



プレイリスト詳細

アクセスカウンタ 

,
・トータルアクセス



・ユニークアクセス





ランキングに参加しています。よろしければクリックしていただき、投票にご協力いただけたらと思います。

その他コンテンツ 

・バツ丸のヲタク拝見
・過去のレビュー
・以前の他事争論
・名盤紹介
・墓場に持って行きたい曲
・月別CD DVD購入&試聴記録
・アルバムレビューについての説明

リンク 

ブログ検索 

おすすめCD!! 

購入・試聴CD 











DVD・その他 

Copyright(C) 2006 バツ丸のエンタメ問答 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。