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CDレビュー~見事なメランコリック「和」メタル

●大鴉 「Seeds of Rain」 評価:AA

ジャンル:メロディックスピードメタル プログレッシブメタル ジャパニーズメタル ヘヴィーロック ハードポップ ミクスチャー


amalogo111.jpg
(2007/03/14)


1.Praise
2.Magnolia
3.あさぎり
4.Stigma
5.Tapestry
6.Whiteout

7.Lights Pierce A Cloud And...(インスト)
8.雨と砂と
9.風舞
10.Nightmare
11.Another Aspect
12.Shine, At Last



<問題点・注意点>

1・1stアルバムの「さくら」のように、ショートレンジで起承転結がビシバシ決まり、荘厳さと悲哀に満ちた疾走和メタルの曲が欲しかった・・・





沖縄が誇る「"真"叙情派ヘヴィロック」バンド、大鴉(たいあ)の2作目にして初のフルアルバム。前作「asymmetry」(レビューは(こちら)からシングル1枚を挟んで、さらにはドラマーの交代を経て約1年4ヶ月ぶりに発表された今作であるが、あらゆる点においてその歳月からは想像もつかないほどの進化・成長を強く感じ取ることの出来る圧巻の力作に仕上がった。


やはり何よりも特筆すべきことでありこのバンドの凄いところは、前作のレビューにおいてもかなり分量を割いて書いたが、その音楽性の独自性の高さと楽曲の完成度の高さであろう。

全体的な作風に関しては、メロディックメタル的ないしはそれに近いヘヴィーロック、ハードロックと言うべきものだ。だが、総じて歌い手の限界ギリギリのハイトーンボイスとクラシカルで速いギターソロを主軸とする欧州、特に北欧メロスピの先駆者達の亜流的な非日本的音楽か、「ジャパメタ」的「クサさやコテコテ感でいっぱいの歌メロや世界観」(*バカにしたりけなしているわけではありません。)が全面に押し出たものか、陰陽座のように極端な形で日本的要素を提示したものか、海外のミクスチャーやエモコアのような「今時のノリ」を見せるものかのいずれかになりがちなこの手の音楽ではあるが、大鴉はそのどれでもない。

メタルやハードロック特有の疾走感や重量感・力強さを感じさせながらも、こういった音楽では殆ど感じ取ることの出来ない繊細さや哀愁、さらには妖艶さに満ち満ちている。特に、これらの源泉となっているごくごく自然に、それこそ染みていくかのように感じ取れる日本情緒や和のエッセンスを感じさせるメランコリックなメロディーとサウンド構成、極力英語を排し日本語ならではの表現の美しさや深さを感じさせる詞は、現時点でこのバンド特有で且つ絶対的と言い切っても良い魅力であろう。前作と同様、名高い天守閣や仏閣、寺社、満開の夜桜の如き美しさや荘厳さ、格調の高さ、妖しさで聴き手をグイグイと楽曲の世界観へと引きずり込んでいく。

だが、今作は、こういった従来の要素に加え、変化・成長をあらゆる点で感じさせてくれる。

その中で特に顕著なのは、

1・歌メロの魅力増大
2・インスト部分の充実~プログレッシブメタル的緻密で卓越した演奏
3・ボーカル星花の歌唱力の飛躍的成長


である。1つずつ説明していこう。

まず、1であるが、今作では元々かなり聴きやすくキャッチーな歌メロがより聴きやすくなっている。2曲目や12曲目での歌メロなどは、「え、こんなんでいいの?」と思ってしまうほどのキャッチーな歌メロで、もはやメタルでもハードロックでもなく、「ハードポップ」と言うべきものになっている。思わず口ずさんでしまう。

ようは、「マイナーなメタル、ヘヴィーミュージックアーティスト」がメジャーデビューした時に犯しやすい間違いである「ポップ化」の道を堂々と歩んでいるわけだが、楽曲の方向性の変化を「失敗」ではなく見事な成功へと結びつけたのには、そのキャッチーな歌メロの流麗さやメロディーの良さに象徴される楽曲の完成度の高さのみならず、項目2・3があったからに他ならない。

2のインストの充実は、今作において最もこのバンドの成長を感じさせるものであろう。

前作ではどちらかと言うとボーカルと少し音色の悪いギターが主軸の楽曲構成となっていたが、今作では、音質面の向上もあろうが、各楽器各々が実にいい仕事をしている。終始奏でられるベースに、少し軽めではあるが、疾走部分も民族音楽的グルーブを出す部分共に安定さと的確さを見せるドラムに、時に煌びやかさを、時に壮大さを、時に前衛さを、時に美しさを、時に疾走感を見事に演出するキーボード・・・。そして、メロディアスで躍動感に溢れるリフ・ソロを奏でるギター・・・。各々楽器及び演奏者が自らの存在を強固且つ見事に主張しつつも、一方でこれら楽器の緻密にして卓越したアンサンブルが、前作を遥かに凌ぐ緊張感とダイナミズムを創出している。前作にも少しあったプログレッシブメタルの要素がさらに突き詰められたと言える。疾走感溢れるメタルパートと和のエッセンス溢れる民族音楽パートとの切り替えが見事な9曲目や、エヴァネッセンス的なダークさや耽美さと、ドリーム・シアターを髣髴させる各楽器の長きに渡る緻密且つスリリングなインストバトルが凄まじい11曲目のような長尺で複雑な展開を見せる曲は、新たな魅力であると思う。

そして、このインスト部分の成長に負けず劣らずの進化・成長を見せつけたのが、ボーカル星花の歌唱だ。

前作ではバラード曲での高音歌唱をはじめ随所で歌唱の脆さ・弱さを露呈していたが、今作では非常に安定しており、持ち前の表現力や低めの声質を生かした歌唱が存分に映えている。得意としているダークな曲調のみならず、上記キャッチーな曲や民族音楽的な8曲目などにおいても曲に即した歌唱の魅力を如何なく見せ付けたのは、彼女のボーカリストとしての著しい成長を端的に示すものであろう。コーラスワークも前作より格段に進化し、楽曲の持つ厳粛さや妖艶さ、耽美さを引き立てる。

彼女のボーカリストとしての成長やそれを生かした編曲面での創意工夫が、優れた楽曲と演奏を盛り立て、楽曲全体の完成度を一層高めたと言えるだろう。

あらゆる点に関し聴く前の予想を超える進化・成長振りを見せた非常に素晴らしい作品であるのだが・・・。


ここまでの文面や各曲に対する評価を見るに、「何故名盤紹介に入れないのか」と思われる方もいらっしゃることだろう。だが、そうしなかったのには、一応理由がある。

それは著しい進化・成長を見せたとは言え、まだまだ彼らには向上の余地がある、ということだ。特に鋭利さに欠けるギターリフはまだまだ物足りず、ツインギターの構成も完全に生かされているとは言えない。ドラムの音にももう少し重みが欲しかったところ・・・。

そして、全体的に長尺曲が多く、歌メロやサウンドが明るめになったこともあり、1stアルバムの「さくら」のような「短尺で哀愁と和の要素をとにかく畳み掛けてくる楽曲」が6曲目以外になかったのも少し残念であった。このような、作品にある少しの問題が「名盤入り」を妨げる大きな理由となったのである(今までの採点方式だと93点くらい。)。


しかし、こういった点を差し引いても尚今作は非常に素晴らしい作品であると思う。現時点では、OLIVIAの3rdアルバムと並び、今年の最優秀アルバム最有力候補。1曲単位での破壊力や突進力、切れ味ではOLIVIAに少し押されているが、一方こちらはフルアルバムというアドバンテージがある。沖縄出身のハード・ヘヴィー系バンドというと、大抵の人は某グループのことを思い出すことだろうが(こっちも近々レビューあげます)、この大鴉こそ、いろんな人に聴いて頂きたいと思う。ルナシーや黒夢、ラルク、Dir en greyとかが好きな人にはお勧め。










・アーティスト評価
歌唱力9 (↑)
作曲9 (→)
編曲9 (→)
独創性10 (↑)
安定性9 (→)
9 (→)
総合9 (→)
熱中度9 (↑)

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2007/03/15 02:10|アルバムレビュートラックバック:0コメント:0

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