バツ丸のエンタメ問答

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映画評「秒速5センチメートル」~ちょー悲しいー(深刻なネタバレあり)

・評価:65点
(但し、ラストの展開に納得できる人は70点以上、いや、80点以上かも。そうでない人は上記点数以下になるかと思われます。ちなみに私は「納得できず」派。
それと、本文で詳しく言及しますが、演出や作風にもかなり癖があるので、それに馴染めない人はもう酷評しかないと思います。鑑賞者の感性・価値観にかなり左右される作品ですね。)


*どうやらYoutobeで今作を見ることが出来るようです(こちら)
これって・・・、いいのかな。とりあえずこのURLにあるのは第一話のようですね。残りの話はどうなのでしょうか? とりあえず1話を見ましょう。泣けます。




毎月1日はどの映画館のどの時間帯においても1000円で観賞できるので、以前から見たかった今作を見に行ってきました。今作を手がけた新海誠監督は、「ほしのこえ」という自主制作作品で非常に高い評価を受け、一気にアニメファンから認知された人なのですが、今回初めて彼の作品を見て、それもなるほどと思いましたね。率直に面白く、優れたアニメ映画作品であると思いました。

しかし、上記点数を見ればお分かりでしょうが、最終的な評価は結構厳しくしました。以下、本文においてその理由をいろいろと・長々と書いていくわけですが・・・。


以前にも書きましたが、このブログで映画評を書くときは、カスレベルの評価をした映画作品でもない限り、作品のラストや話の核心部分への言及は避けるようにしています。

ただ、一方で、映画に対して遠慮なく且つ率直に自分の思うところ・評価を書くことも信条としておりまして・・・。

今回は、作品の感想・評価を書く上で核心部分への言及が避けられないと判断し、後者の信条を優先させることにいたしました。よって、以下書いていく本文において、

明確にオチや作品の核心部分に触れています。

読まれる際、特に今作を観賞予定の方はその点重々ご注意下さい。






<あらすじ>


小さい時から転校を繰り返してきた遠野高樹(声:水橋研二)と篠原明里(声:近藤好美)。その特殊な境遇やお互い体が弱いことなど似たところの多い二人は自然と親しくなり、一緒に居る時間が増えていった。そして、いつしか二人は特別な思いをお互いに抱くようになった・・・。

だが、小学校卒業同時に明里の転校により二人は離れ離れになる。東京と栃木の小山・・・。大人にとってはそれほどの距離ではないが、子供の二人にとってそれはとてつもないものであった。それでも、二人の関係は文通を介して続いていた。

しかし、そんな二人を更なる不幸が襲う。今度は高樹が中学1年終了と共に鹿児島に転校することが決まったのだ。もうそれは、二人にとって絶望的な距離と言うべきものであった・・・。日に日に強まっていく不安と相手への思い。引越し準備に追われる最中、高樹は明里への気持ちを抑えきれなくなり、意を決して明里に会いに行くことにした。

生まれて初めて一人での長きに渡る電車の旅。授業そっちのけで入念に下調べをし旅行計画を立てたこともあり、小山までの道のりに何の問題もないはずであった。しかし、最悪なことに当日は記録的な大雪。事前に立てた計画やそれ以上に彼の思いそっちのけで雪は降り続け、無常にも彼から時を奪っていく・・・。当初の待ち合わせ時刻を何時間過ぎても、一向につく気配すらなかった・・・。彼の心は絶望と悲しみに支配されていく。だが・・・。

日付がようやく変わりそうな時にようやく目的地に着いた。彼女にもう会えないと、そう覚悟していた高樹であるが、彼女は極寒の中駅で健気に待ってくれていたのだ・・・。束の間の再会であったが、二人にとっては何よりも幸せな時であった。そして二人は、二人の間でよく話しに出た桜の木の前でお互いの思いを再確認し、別れた・・・。

月日は流れ・・・。


<感想など>

今作は約60分程度の短編映画である。主人公の小学校4年~中学1年生時代及び、主人公と明里との再会を描いた「桜花抄」、主人公の高校3年生時代を彼を思い続けている同級生女性の視点から描いた「サナトリウム」、そして大学~社会人時代を描いた表題「秒速5センチメートル」

と、1990年初め~現在に至る約15年間のある地点における主人公を描いた3話で構成されている。一応個々に話は完結する形になっているが、実質は3話で「1つの作品」と言うべきものである。


今作を見ていて、即座に圧倒されたのは、既に各所で絶賛の評価を得ている&この監督の強みである映像である。ジブリ作品に負けないくらいに凝られた「空・海・雲・木・草原・山・雪・花びら・・・」といった自然描写や日常風景の描写。桜の花びら一枚一枚や風で揺れる草の葉一本一本、光の当たり具合などなど細部まで徹底して丁寧に描かれた映像は、ジブリ作品や押井監督作品のそれとはまた違う独特の温かみと優しさ、爽やかさ、悲しさ、美しさ、センチメンタリズムに満ちている。何故彼がかなりの評価を受けているのかを単純明快に示していよう。

凄いのは、その美しさや温かみのあるこれら映像、さらには町並みや機械にまで及ぶ秀逸美麗な映像の数々が、巧みに登場人物の心理やストーリーを捉え・補足し、作品全体を守り立てていることだ。

今作のタイトルである「秒速5センチメートル」とは桜の花びらと雪の落下速度である(確か同じだったはず)。丁寧な降花や降雪の描写と登場人物が語る「秒速~」の言葉の意味や、さらには空を自由に流れていく雲や種子島宇宙センター(たぶん)から飛び立つ宇宙ロケット、夕暮れの海岸などなどの映像が、「会いたいと思っているのに会えない」「思いを伝えたいのに伝えられない」といった主人公の「もどかしさ」「やるせなさ」や「孤独感」、そして「悲しみ」を、鳥のつがいの描写が二人の愛情の深さを、的確に見事に演出している。それだけに止まらず、様々な自然や町・巨大機械などに比べていかに人間がちっぽけであるかを示すと共に、そのちっぽけな存在に過ぎない人間の思いや悩みといったものが、決してそれらに劣らないぐらいに大きく・深いものであるかということを同時に示しているのは、その映像の美しさも相まって、見ていてかなり感動的であった。不覚にも第一話を見ている時に泣きそうになってしまったことを正直に告白する。

また、真冬の場面なのに突如桜が満開の映像が入ったり、さらにはSF的に両名が地球外から地球を見つめる映像が入ったりと、現実世界では起こりようがない映像構成がなされるが、このような「実写ではやれない」ないしは「やっても映像的な面白みを感じにくい」アニメーションならではのダイナミックな映像構成による演出も見事だ。中々言葉では説明できないのだが、こういったことが、この監督の作品ならではの独特な雰囲気を生み出しているのだと思う。


美麗且つ丁寧で繊細な映像を通しての演出・登場人物の感情描写に関し、今作の監督のセンス・技量は、やや誇張になるが「天才的」と言っていいものがあると思う。


しかし、恐らくウルサ型のアニメファンが見ても感動できるであろう映像の数々ではあるのだが、その切り替えが早いのは結構気になった。特に最終章の終盤はあまりにカットの切り替えが早すぎて映像も、それが生み出しているであろう感動もしっかりと味わえないであっという間に終わってしまう。もう少しゆったりとした構成にした方が作品に深みや面白み、説得力が増したように思うのだが・・・。

また、監督のインタビュー本や各種サイトを見るに、監督は村上春樹から影響を強く受けているようだが、彼の作品で登場する男性主人公に多々見受けられる「ナルシズムさやネガティブ思考」丸出しの自己回想をそのまんま移植したかのような、時に難解な言葉が入り混じるモノローグを多用する演出は、かなり評価・好き嫌いが分かれるところ。村上作品やモノローグを多用した演出が嫌いな人にとってはかなり受け入れがたいだろう。


既に文章がかなり長くなっているが、新海監督及びその作品が抱える問題点に関しては、この記事最後に改めて書くとして、この記事のメインである(はずの)作品に対する感想に話を移していく。

上記URLから第一話を見た人や、上記あらすじを読んだ人で察しのよい方ならもうお気づきかも知れないが、この二人、現実世界におけるこのようなカップルの殆どがそうであるように、何年か後にどちらがどうということなく自然消滅の形で関係が終わる(具体的な説明はないが、第2話で暗示される)。

(大人になって再会して再び交際→結婚というパターンは結構あると思うけど、関係が途絶えることなく結婚というのはかなり少数では?)



それはともかく、このような話の場合、総じてその終わりに関し、

1・それぞれが各々の人生を歩み、幸せを掴んでいく
2・再び恋人関係となり幸せとなる
3・再び恋人関係となったもののどちらかが死ぬ



のどれかのように思う。まあ、3は今作の作風では明らかにないと思ったので、1・2のどちらかになると考えていたのだが・・・。その予想は全く裏切られた。


さて、ここからが壮絶ネタバレになるのだが・・・。


二人の関係が途切れてしまった後、明里は当初こそ高樹のことを気にしていたが、いつしか他の男性と付き合い結婚し、絵に描いたような幸せな生活を手に入れる。もう彼女にとって高樹の存在はとっくに忘れ去られたものとなった。

しかし、一方の高樹は、20代半ばをこえても彼女のことをずっと忘れられず、それが故にまともな人間関係を築くことが出来ず、挙句の果てに会社まで辞めてしまうという、実に救いようのない終わりとなった。


この両者のあまりの落差は見ていて物凄くきつい。同種の心境にある人が見れば、傷口に塩を塗りこまれたような気分になることうけあいだろう。自分もこのブラック過ぎるオチにはショックを受けて、その日の夜中々寝付くことが出来なかった。いつまでも初恋の人を思う男の様をあっさり笑い飛ばすとか「キモ!!」とかと思えればいいのだが・・・。そうできないところが悲しいところ・・・。

個人的には、現実には殆どないからこそ、劇的な再会を遂げた二人が紆余曲折を経て一発逆転ホームラン的に結ばれるというハッピーエンドであって欲しかった。ほんと、このオチは体に悪い。


しかし、そうであっても「また見たい」と思わせる不思議な魅力、吸引力がある素晴らしい作品であると思う。アニメファンや「クッセー」と喚きたくなってくるほどのセンチメンタルな作風が好きな人にお勧めしたい。


<新海監督の問題点>

今作と、今作観賞後に見たこの監督のデビュー作品「ほしのこえ」を見て、この監督の素晴らしい資質を感じ取ると共に、業界を代表する巨匠(宮崎駿、押井守など)レベルに達するには、まだまだ足らないものがあるとも感じた次第。

まず、モノローグ過多の演出は抑えた方がいいだろう。せっかくの素晴らしい映像で登場人物の心境を上手く表現できているので、さらにそれに言葉を付け加えまくってもゴテゴテしている感が否めない。言葉に頼らなくても十分に魅力的なものに出来ると思うのだが。


一番気になるのは、登場人物のキャラ造形の薄っぺらさだ。主人公・ヒロインともにアニメ作品であることを考慮してもリアリティーや魅力がなさ過ぎる。女性キャラ、特に第2話のヒロインや第3話の脇役女性は話を動かすためだけに存在しているように思えてならない。これではダメだろう。


アニメファンや業界での評価はともかく、商業的な成功を得るにはこういった問題の克服が必要だと思う。思うに、脚本は別の人に担当させてもいいのではないだろうか。次作は是非とも、もっと多く登場人物が出る長編作品を作り、魅了して欲しいと思う。



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2007/04/02 01:27|映画評トラックバック:0コメント:0

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