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映画評「あしたの私のつくりかた」~悪いとまでは言わないが、何だか成海の凄さばかりが伝わってきた作品

・評価:60点
(成海璃子のファンなら70点ぐらいか・・・ でもファンなら必見)


今年の現時点において、榮倉奈々に次ぐ且つ新垣結衣と並ぶ主演出演映画数3本を誇る成海璃子。14歳にして、既に日本のトップ女優といっても差し支えないだろう。どうにも低迷感がある邦画界。その中において彼女の、彼女より年が上であり今映画業界で主軸となっている「U-23」女優を凌ぐ活動は、そういった状況における数少ない光明であろう。

その彼女の、今年2作目の主演作品である今作。「神童」が個人的に不満だったこともあり、有名な市川監督作品である今作には期待していたのだが・・・。

う~む・・・。「神童」よりはずっと良かったとは思うが、「神童」と同じく、恐ろしき少女女優「成海璃子」の凄さと、それをしての、彼女だからこそ可能な「力技」で何とか話を維持・展開した感が否めない作品であった・・・。






<あらすじ>

学校では仲間はずれにされないよう、嫌われないよう、いじめられないよう目立たず引っ込みすぎずに徹し、家ではいつ離婚してもおかしくないくらいに仲の悪い両親を何とかつなぎとめようと何かと両親に気を使い、良い娘であり続けようとしている小学生の寿梨(成海璃子)。だからこそ、親が望む私立中学校受験に向けて勉強もしていた。しかし、彼女はそうあり続けようとしている自分に一方で違和感・疑問を感じてもいた。本当の自分ではないと・・・。ある日、そんな気持ちを加速させる事件が生じる。

受験のため無理やり学校を1週間休んだ後登校すると、クラスのアイドル的存在で寿梨も憧れていた日南子(前田敦子fromAKB48)が、今まで苛められていた女生徒に変わり、無視される存在になっていた・・・。すっかり人が変わったように元気さをなくした日南子。寿梨はそんな彼女を気にしつつも、自分にとばっちりが回ってくるのを恐れ表立っては何もしなかった。

だが、小学校最後となる卒業式の日、偶然図書室で彼女と二人きりになる。そこで日南子が語った「本物の自分、偽りの自分」の話、太宰治の名言の話に、自分と重なるものを感じ共感した彼女は誰にも打ち明けたことのない本音を日南子に話し出した。短い語らいではあったが、それはお互いにとってかけがえのない思い出となった。

だが、中学生になっても日南子に対するいじめは続き、寿梨もかつてと同じように彼女を無視し付ける生活が続く。しかし、中学も終わりに近づいたとき、お互いに大きな転機が・・・。寿梨は両親の離婚により、一方の日南子はいじめられ続ける日常から逃げるために山梨に引っ越したことにより、今までの生活が激変することになったのだ。

図書室での語らいがあったのに、その後彼女を無視し続けてきた自分に後ろめたいものを感じた寿梨は、引っ越した日南子に名前を隠したままメールを入れる。不信感いっぱいの返事が日南子から返ってきた時、名前を出さず、「コトリ」と名乗り、一方的に自分と日南子をモデルとした「ヒナとコトリの物語」と題した話を送りつける。物語の中での二人はとても幸せであった。最初は無視していた日南子であるが、その物語に引き込まれ、その物語でのヒナに即した行動をとっていく。こうして小学校最後の日に止まっていた二人の時間が奇妙な形で動き出していくのだが・・・。



<感想など>

テーマ的には一昔前に流行した「自分探し」とでも言うべきか。年代・時代問わず、生きている限りは付きまとうであろう、誰しもが何らかしらの役割に即して行動や思考が規定され、一方でそれが故に葛藤や心的不安を抱える「役割演技とその問題」について、ケータイやパソコンといった文明利器の普及につれ世界が広がっているとはいえ、尚非常に限定された空間の中で生きていると言える思春期の子供を通して描いている。

その描写は淡々としており地味でもあるのだが、丁寧で繊細であり、そして的確である。そういった世界の中で生き、苦しみ、悩み、もがいている主登場人物らに対する市川監督の視点・感情はとても温かく、優しい。

それでいて、主役両名の交流~コトリとヒナの物語が進むにつれ、それにより上手く自己表現、自分らしさを出せていた(と思っていた)はずの二人が、次第に上手く行かなくなり、皮肉にもさらに「自分らしさ」という答えの出ない問いに身を投じ、苦しむことになるという話の流れ・描写・演出は、年代問わず現代人の悪い点である「簡単に答えを求める」という風潮に対し、厳しく一石を投じるものであると思う。

子供世界は大人世界の縮図・・・。主役二人と同世代の人間もさることながら、それ以上に、既に「大人」と言える年になってしまった人に考えさせるものがある。

この辺のところは、「さすがは市川監督」と思うところである。

失礼ながらもうおじいちゃんと言ってもいい年になりつつある市川監督が、今までのこういった系統の作品にはない且つ今の生活や文化にとって物凄い比重を占める「ケータイ」「メール」といったものを上手く作品に盛り込め、話を深く面白いものとしているのは、個人的にかなり興味深いものがあった。娘さんやお孫さんらからヒントを得たのであろうか・・・。


しかし、題材は良かったし話も良かったし、個人的にこういう丁寧に人物描写を重ねていく映画は好きではあるのだが、だからこそ部分部分で出てしまった粗や問題にどうしても不満が否めなかった。


まずは映像と演出。ケータイを通して二人が交流を深めていくという作品の大前提があるのはわかりきっているのだが、それを考慮しても、終盤ケータイのメール画面や「テレビ電話モード」で会話している様をただ画面をぶった切っただけ「ニ分割画面」で映し出している様の安っぽさ・おかしさったらない。何だかお役所連中が作った「ケータイの動画マニュアル」「ケータイのCM」や、NHKの教養番組・地域密着の情報番組において庶民同士がテレビ画面を通して会話しているのを見ているようで・・・。

繊細で丁寧な画面作りで登場人物や町の風景らを非常に良く撮れているので、尚のこと終盤で多発するこれら画面に違和感があり、せっかくの盛り上がりどころ・感動どころであるにも関わらず、イマイチ見ていてノリきることが出来ない一番の理由となった。


そして、それら以上に問題なのは、主の登場人物が10人ほどもいない今作において、それを演じている役者の質・魅力が著しく低いことである。

何で寿梨の両親を演じるのが、石原良純・石原真理子の「W石原」でなければならなかったのだろうか? 両名の魅力・演技力はあまりに低い。(ウザキャラぶりは出ていたが・・・。暑苦しすぎ)。

日南子の彼氏役を演じた人も・・・。いや、もう、素人そのものの演技としか言いようがない下手すぎるそれが・・・。本人には悪いが、かなり間が抜けていた・・・。


また、今作でのもう1人の主役である日南子を演じた前田敦子もしかり。実際の小学生の中に混じっても違和感のない小柄でかわいらしいルックスはまあ良かったのであるが、流石に映画初出演ということもあり、演技があまりに拙い。当然と言えば当然であるのだが、上記W石原の問題も含め、それもこれも「天才少女女優」と言ってもいい「成海璃子」の圧倒的な存在感・演技力・美貌により、どうしようもない程に増幅されているのが、今作の致命的で如何ともし難い問題である。彼女の魅力・実力で作品が締り、完成度が高まった部分もかなりあるのだが、それにより失ったものの方が相対的には多かったと思う・・・。監督はなんでこんないびつで不可解なキャスティングにしたのだろうか・・・。

ま、それはともかく、成海だけは完璧であった。一見何でもないように見えて、役割演技や両親の不和で苦しみ・傷ついている少女を実に瑞々しく演じられていた。今まで彼女が演じてきた役の中でも一番普通・平凡な役であり、その点に私は不安があったのだが、彼女のセンス・実力はそれを霧散させたと言える。

だが、選ばれた者のみが持てる溢れんばかりの「オーラ」「魅力」は隠しようもなく・・・。風呂上りでベッドの上で髪を拭くところや、終盤私服姿で闊歩するところでの美しさ・存在感は凄いとしか言いようがない。デビュー時から常に安定して素晴らしい演技を披露し続けた彼女であるが、その中でも間違いなく「上位」に入るであろう堂々たる演技っぷり、魅力っぷりである。齢14歳にして、抜群の魅力と完成された美貌・・・。恐るべし、だ・・・。

つまるところ、成海を起用したことが、今作の一番の魅力であり監督の功績であろう。だからこそ、彼女をもっと魅力的に見せるよう、それ以外のことについてももっと何とかしていただきたかったと、強く思うわけで・・・。惜しい。


成海璃子ファンの人、成海の凄さを感じてみたい人は必見の作品だ。
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2007/06/11 00:00|映画評トラックバック:0コメント:0

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