バツ丸のエンタメ問答

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映画評「きみにしか聞こえない」~良かったのだけど惜しい作品

・評価:75点


成海3部作最後であり、上半期に観賞する最後の作品である今作。既に公開された2作の出来が悪かったこともあり、最後である今作こそは!!と思っていたのだが・・・。

絶賛は出来ないもののまずまずの作品で一安心と言ったところ。3作の中ではダントツの出来。





<あらすじ>


相原リョウ(成海璃子)はその内気さが災いし、クラスに友達と言える存在がいなかった。何をするにもひとり。誰も彼女のことを意識していない。

そんな彼女はケータイを持っていない。メール・電話のやり取りをする相手が居ないので持っていても意味がなかったのである。

ある日、学校帰りに公演を通ったときにふと携帯電話を拾う。と言っても、子供用のおもちゃであったのだが。

しかし、次の日学校の保健室で休んでいるときにそのおもちゃのケータイから着信音が聞こえてきた。驚きつつも恐る恐る電話に出たリョウ。電話の相手はリサイクルショップの店員をやっているらしいシンヤと名乗る若い男。見ず知らずの者からの唐突な電話ということもあり、最初こそ気持ち悪がっていたものの、シンヤが悪い人ではなかったことと、頭の中で「念じる」だけで相手に「電話」出来るようになったこともあり、何より彼女には話し相手が誰も居なかったこともあり、電話を通してのやり取りを経て少しずつ交流を深めていった。

そしてそれは、お互いに多大な影響を与えていくのであるが・・・。



<感想など>

いろいろ調べてみたら原作とはかなり違うところがあるようだが、管理人は原作小説を読んでいないので、原作との違いに関する事柄での評価・感想は書かない(書けない)。


今作は、各々孤独で悩みや問題を抱えた若い男女が、ふとおもちゃの携帯を拾ったことに端を発する「脳内電話」とも言うべきものでのやり取りを通し、人間的に成長をしていくものである。

登場人物は少なく、主役である成海・小出両名+1名以外にこれといって作品で重要な役柄は殆どおらず、この2人のやり取りを中心に淡々としかしじっくり丁寧に話が進んでいく。下手をすればグタグタで間延びした話になるであろうところを、現実にはありえない「脳内電話」と「両者の時差1時間」というSF的設定の盛り込みとそれによる「ミステリー」的な謎の提示、及び主役2名の外見的魅力と演技力とで見事に防ぎきっている。

特に後者に関しては良かった。小出に関しては、決して2枚目ではないが、妙にくすぐるものがある子犬系の人懐っこい笑顔と豊かな表情をして、耳が聞こえず口もきけない「捨てられている物を放っておけない青年」を、成海に関しては毎度毎度の圧倒的な存在感と確かな演技力で、孤独な少女の心理を見事に表現できていたと思う。見ていて物凄く清々しく、それでいて切ない気持ちでいっぱいになる。交流を通じ、徐々にお互いの仲が深まり、ふさいできた気持ちが前向きになっていくところの心境の変化などの表現も流石と言ったところだ。素直に2人ともいい役者であるな、と思う。また、長野や鎌倉の綺麗な風景を盛り込むなど絵作りも上々。

最後のある展開以外は、お泣かせのためにストーリーやキャラ設定が決してご都合主義的になることもなく、「脳内電話」と突拍子もない設定も、話を進める上で確かな役割を果たせているのも良い。


と、これまでの文章が示すように、今作はいい作品なのだ。だが、高評価にするのを妨げる大きな問題2つと細かな問題とがちらほらある。


まずは、ヒロインを成海が演じたことであろう。孤独感を上手く表現できていた彼女の演技は素晴らしかった。オーラを感じさせつつも前作「あした私のつくり方」と同じく、「凡人キャラ」にかなり徹しきれていたとも思う。だが・・・。

作中では今時殆ど見ることのない長い制服スカートにただまとめただけの髪型など、役柄に沿わせるよう工夫は見られるが、如何せん、結局はどうやっても隠しようのない圧倒的な美貌がそもそもの「ケータイを持っていても意味がないほどに孤独」という設定から大きく逸脱している。この美貌と存在感を持つものがクラスの誰からも相手にされないなんて、よほどの変人・奇人か人格破綻者でもない限りおよそ考えられないケースである。もちろん、作中での彼女は変人でも人格破綻者でもないので、鑑賞者はそこのところで想像力の発揮が求められることになる。中盤以降に多々見られる「はぁ~、綺麗だな~」と思わずタメ息交じりに言いたくもなるぐらいに美しい私服姿には、「おいおい」と突っ込みたくて仕方がなかった。同性から嫌われても男からはモテモテだろう。

成海を起用すると決めた時点で(決まった時点で)キャラ設定を変えるべきだったと思う。例えば、失恋したばかりで傷ついているとか、家族の誰かが死んだとか、事件を起こしたとかでへこんでいるとか・・・。


もう一つの大きな問題は、終盤の謎解きに絡む演出のおかしさ。

核心部分なので詳しくは書けないのだが、終盤になる今作はミステリー的な謎解きや事件性の要素が出てくる。しかし、クライマックスであろう「2人が初めて顔を合わそうとしている」場面の直前で、ある人物の登場及びその人物が発する言葉、さらにその人物が居るところにあった「ある物」の存在が、今作のメインの謎と、それが氷解することで得られるであろう感動を台無しにしてしまった。タネがばれたマジックを自信満々に見せられるようなものだ。

その人物の「言葉」はともかく、せめて「ある物」だけでもその存在を隠せなかったものだろうか。最後の場面かエンドロール終了後かのどちらかに「ある物」を出していれば感動も倍増したことだろう。たぶん製作者がこの点にあまりこだわりがなかったのだと思われるが、やはりもう少し配慮すべきであったと思う。


細かいところでの不満を挙げていこう。

まずは、成海演じる役の母親役を古手川裕子が演じたこと。高校生の母親なので1959年生まれの彼女でもおかしいということはないのだが、ドラマや映画に関しては、若目の役者を当てるのが通常であるので、少し違和感があった。父親役が中野英雄(1964年生まれ)と、かなり現実に即しているのを見ても、少しおかしさが否めない。
(前作「あしたのわたしの作り方」では母親役は1964年生まれの石原真理子、もう1人の主役の母親は1970年生まれの奥貫薫。)

別に30代の女優さんでも問題はないのだ。


もう一つは、今作の主題歌になっているからなのだろうが、ドリカムが歌う映画名と同じ曲目の曲がかなり数多く劇中でかかること。宣伝臭がプンプンしていて嫌になってくる。



とまあ、結構文句を書いたが、若手女優が主役を張った上半期の邦画の中では上々の出来であったと思う。
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2007/06/18 23:05|映画評トラックバック:0コメント:2

コメント

某所ではお世話に・・・。ジギースターダストです。(徘徊中です)

同じファンタジーで「その彼」との違いは、物語が丁寧に展開されるということでしょうね。乙一と市川拓司の才能の違いを感じます。
一定のルールの範囲を逸脱せずに物語は進行しないと、観てるほうは納得できません。

成海は存在が≪神童≫なんですね。「ケータイを持っていても意味がないほどに孤独」というのは苦しいと私も思いましたが、ブスが主人公だと誰も観に行かないかと思うのですよ。キルステインが主人公できるのはハリウッドだからです。なのでそこは、「演出の工夫」で何とかするしかないのでわって思います。この作品ではうまくいった方では無いでしょうか。「その彼」みたいに女優とモデルの美しさの違いを判らずにトンチンカンな設定をしてしまうよりは、全然マシな映画だと思います。

少なくとも女優が足を引っ張られるような映画ではないと思います。駄作か続いたせいか、この辺で我慢するかなって思ってしまいますね。

個人的には充分満足できた作品でした。


ジギー #4SSKmKVw|2007/07/03(火) 11:09 [ 編集 ]


>ジギースターダストさんへ

ところどころ目についたところはありましたが、全体的には良心的なつくりであったと思います。

映画ならではの非現実な設定を盛り込むのはいいのですが、最近はそれに一方的に縛られ、論理的・常識的に破綻している作品が少なくない中、今作はルールの明示と厳守と言う点に関し良かったと思います。

まあ、成海さんの出演はどうしようもない問題なので設定や演出を変えて欲しかったですね。あの美人はどうやってもブスにできんので。それこそキルスティンレベルであれば・・・ね。


私も今作は楽しんで見れましたね。
バツ丸 #-|2007/07/04(水) 00:43 [ 編集 ]

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