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映画評「300」~映画の持つ「虚の魅力」を突き詰めた作品

・評価: 75点


映画の宣伝文句が「300人VS100万人」の戦い。完全にCGだらけの映像とこの如何にもってな題材もあり、映画そのものの出来には全く期待していなかった。

そもそも見に行こうとすら思っていなかったのだが、業界関係者や試写を観に行った人の間で思ったよりも評価が良かったこともあり、当初の予定を変更し、観に行くことに。

上半期の洋画の中では良かったほうだと思います。







<あらすじ>


時は紀元前480年。ギリシアのポリス「スパルタ」の王レオニダス(ジェラルド・バトラー)の元に、圧倒的な軍事力を誇る覇権国家「ペルシア帝国」の王クセルクセスの遣いがやってきた。「水と土地を差し出せ。でないと国を滅ぼす」・・・、使者の要求はいたって明快且つ非道であった。

武力の誉れ高いとは言え、あまりに軍事力に差がある両国家。だが、王は考えた末に要求を拒否。使者をその場で抹殺しペルシア軍100万との戦いという、あまりに無謀な選択肢を選んだ。

だが、王ですら侵すことの出来ず且つスパルタの政治に大きな影響を及ぼしている元老たちや彼らの総意の拠り所となっている、巫女とされた処女の少女を介してのご宣託は、彼の決断とは全く違うものであった。

しかし、彼は国のため、愛する人のため、スパルタで生きている人々のため、その宣託にあえて背き、側近である精鋭300人を極秘に引き連れて100万のペルシア軍が逗留している「テルモピュライ」へと向かっていった・・・。



<感想など>


今作は実在した人物や国名を扱った「歴史モノ作品」であるが、一応話の全体的な流れは史実に沿いはしているものの、スパルタ兵の装備、侵略してきたペルシア兵の総数(主な学説では21万)や生物離れした人間や象・サイの登場など、常識や歴史考証を無視したところも少なくなく、その荒唐無稽さ・奇想天外さは、かの荒俣宏原作、マッドハウスがアニメーション製作、ピーター・チョンがキャラクターデザインを担当したアニメ作品「アレクサンダー戦記」に匹敵する。


映画には様々な表現方法があり、それによる様々な魅力がある。今作は娯楽性や作品の面白さを増すために、映画の持つ「虚」の部分の魅力をトコトン突き詰めた作品であるように思う。ある意味ファンタジーとかSFとかの領域に入るであろう。背景や戦闘シーンをはじめ、映画を構成する主要素の殆どが虚構。マッチョで筋肉美溢れるスパルタ兵の体すら本物かどうか疑わしい(だって、体毛があまりないし、何故か皆似たような体つきだし・・・。CGじゃなきゃ薬か?)。

とまあ、非常にいい加減なところが多いが、リアルさや史実を犠牲にした分、娯楽映画としての面白さは中々のもので、その潔い映画作りには好感が持てる。
(故に、今作に歴史モノ作品としてのリアルさや緻密さを求めているような人は、そもそも手を出すべき作品では断じてない。)


特に今作の一番のウリであろう戦闘シーンはやはり素晴らしい。はっきりいって首や手足が飛び交っているなどかなりのゲチョグロさがあるはずにもかかわらず、スローモーションの多用とエフェクトの大量使用、そして映す対象と絶妙な距離を置いた優れたカメラワークをして作り上げた戦闘シーンの数々は、残虐さではなく高度なバレエやミュージカルのような美しさを感じさせる。

こういった映画によくありがちな「ただ主人公のみを追っていく」「ひたすら乱戦」ではなく、その場面場面で映す対象と戦う敵を絞り込んだ映像作りがこのような結果をもたらしたと思う。まあ、「マトリックス以来の映像革命」とキャッチコピーはちと大げさではあったが、多くの人々が文句なく楽しめるものであるとは思う。


他にも、オレンジ髪の巫女や王妃をはじめ美女のヌードがてんこ盛りであるなど、とにかく娯楽性に事欠かない。
(巫女さんの人、誰かわかんないけど凄い美人でしたね。裸も綺麗すぎ。)

ストーリーも勧善懲悪もので極めて分かりやすい(まあ、この点が今作の問題でもあるのだが・・・、後述する。)。観賞前に若干の歴史知識は必要だとは思うが、仮にそれがなかったとしてもそれなりに楽しむことが出来るだろう。


戦争映画好きで美女好きで、歴史スペクタル作品好きで且つ、あくまで「娯楽作品」と、史実面での問題を割り切れる人であるのなら、今作は非常にお勧めである。逆に上にも書いたがリアルさやきちんとした歴史考証を求める人や、フェミニズム的思想を持つ人には受け入れがたい作品であろう(意味なく女性の裸が出てくるしね・・・)。


ただ、今作で一つ問題なのは今作の美点でもある単純明快・勧善懲悪に特化した作りがちと行きすぎなように感じることだ。そして、もう一つは、それが極めてアメリカ白人主義的な思想であることだ。


総じてマッチョでかっこよい兵士や、王妃をはじめとして美しい女性ばかりが登場するスパルタに対し、スパルタを侵略する「ペルシア」側の人間は、「おいおい」といいたくなるぐらいに醜くキモい。それこそ人間とは言えない形相・体型の者ばかり。ペルシア側唯一の例外は王であるクセルクセスであるが、そのかっこよさを完璧に帳消しにするくらいの人格破綻者・・・。一方のスパルタ側にも例外はあり、ペルシアに内通した裏切り者が2人いたのだが、1人は異形で1人はルックスはまずまずだけど、クセルクセスと同様性格最悪・・・。


イケメン・美女=善・正義 ブサメン・人格破綻者=悪・残虐な侵略者・・・。

これぞ典型的アメリカンWASPマインド。ペルシア側が有色人種ばかりでスパルタ側が白人ばかりであったことが、さらにこのステレオタイプと言うべきものが増幅される。イランではこの映画におけるこういった描写にかなり厳しい批判が渦巻いているが、それも納得。もうちょっとペルシア側をまともに描けなかったのかと思わずにはいられない。


また、今のアメリカ政府よろしく!!が如く「自由」と「民主政」及びその素晴らしさを喧伝し、それを戦いの正当性の根拠として散々掲げているのも・・・。

確かに制度上では民主制と言えなくもないが、戦えない者や病気・障害を持つものに存在価値が与えられないスパルタを「自由な国」と言うのは如何なものか。忠誠さえ誓えば誰でも受け入れるペルシアの方が遥かに自由であろう(注:作中において)。所詮富裕白人達の喧伝する狭い「自由」に過ぎない。

後半、特に旗色がスパルタ側の戦況が不利になってからと言うものの、やたらと上記言葉が出まくったのには、観ていてうんざりしてしまった。

政治色や思想的なものを廃し、純粋にスタイリッシュなアクション主体の歴史モノ作品にした方が良かったと思う。


とまあ、少々うっとうしいことを書いては見たが、こういった一部思想的な問題を除いては概ね優れた娯楽映画であると思う。

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2007/06/28 01:48|映画評トラックバック:0コメント:0

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