バツ丸のエンタメ問答

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映画評「遠くの空に消えた」~期待が高かっただけに・・・残念

・評価:55点


今作は、「世界の中心で愛をさけぶ」「春の雪」「北の零年」といった作品の監督で、また若手女優を撮ることに定評のある行定監督が、

今日の、まずは「小説・漫画原作ありき」の映画制作姿勢、「ハリウッド」や「カンヌ」といった映画賞狙いの映画作りに批判・疑義を持ち、日本人が日本の映画館に足を運んでくれるような「オリジナル」作品を作るとの思想のもと制作した映画である。


今作に出演するにふさわしい子役がずっと居なかったこともあり、構想から公開まで7年もの月日を要したという監督渾身の想いが込められた作品で、さらにはその子役の1人として個人的に大好きで非常に高く評価している大後寿々花が出演していることもあり、名古屋での公開初日当日に観に行ってきたわけであるが・・・。


上記監督の心意気は素晴らしく、全面的に支持をし評価したいが、映画そのものの出来・内容に関しては、はっきり言って面白くなかった・失敗であったと言わざるを得ない結果となった・・・。





<あらすじ>

のどかで自然豊かな田舎町、馬酔村。楠木亮介(神木隆之介)は、父親雄一郎(三浦友和)の仕事の都合でこの町に引っ越してくる。その都合とは、計画が出ながらも、村人の強固な反対にあって頓挫している空港建設計画を実現させることであった・・・。

早速学校に投稿した亮介は、その都会的なルックスもあり、たちまちクラスの女子の人気者に。

地元の悪ガキのリーダーで且つ空港建設反対派であり、クラスの人気者でもあった土田公平(ささの友間)は、たった1日にしてその人気を、特に自分が恋している女の子の気持ちをも奪い去ったよそ者亮介にあからさまな敵意を抱き、勝負を申し込む。しかし、取っ組み合いの最中、両名は畑の肥溜めに落ちてしまう。勝負の決着をつけるどころか、共にその臭さから皆に逃げられ、さらにはそのいでたちの滑稽さもあり、2人にあったわだかまりは一気にとける。仲良く会話しながら適当に村を歩いていると、丘の上で両手を広げ変な呪文を唱えている少女、ヒハル(大後寿々花)と出会う。その姿に呆然としている2人に、ヒハルは当然「UFOの存在を君たちは信じる?」と突然尋ねてきた・・・。3人の交流がこうして始まりを告げたのである。


一方、そのころ村の大人達は雄一郎が反対派の集会場所となっているバーに乱入し、札束をばら撒くという乱暴な手段を見せたこともあり、殺伐とした様相を見せ始めていた・・・。



<感想など>


この映画が何故ダメだったのか、面白くなかったのかを考えると、感覚的なことから映画の技術論まで多くの理由が出てくる。しかし、それら個々の理由となる問題もさることながら、最終的にそれらはすべて、今作の作風・あり方の問題として帰結する。

これでは何のことだか分からないので分かりやすく言うと、映画やエンタメ情報誌での作品紹介、監督のインタビュー、映画予告編などなどから鑑賞者が作品に対して抱くイメージや、さらにはそれを踏まえた上での、映画に対して鑑賞者が求めるであろう内容と実際の内容との間にあまりに違いがあるということだ。

思いっきり明快に且つこっ酷く言うと「詐欺映画」である。今年ではデンゼル・ワシントン主演の「デジャヴ」や、クリストファー・ノーラン監督の「プレステージ」、数年前ではラッセル・クロウ主演の「マスター・アンド・コマンダー」が同様のことで問題になったが、今作はこの3作に匹敵するかそれ以上の詐欺っぷり。


予告編を観た人をはじめ、映画に対する事前情報を仕入れた人であるのなら恐らく、

「メイン子役3人が主役でその交流や友情や、さらに空港建設阻止のために、子供ならではの自由な発想と大胆な行動力とで行動を起こし、様々なしがらみや面子に捕らわれている大人たちをあっといわせるといったことを描いた、ほのぼのとしながらも爽快ですっと感動できる冒険ファンタジー作品」


と思っていたのではないだろうか。しかし、今作にある様々な問題が尽くこの作風を極めて誤った方向へと誘導していった・・・。


子供たちのエピソードはそれほど悪くはない。柱となる3人の役者の魅力や演技、そしてノスタルジーを喚起させるストーリーや田舎ならではの特性をふんだんに盛り込んだギャグもあり、それなりに観ていられる。まあ、真の主役である神木に関しては、既に変声期に差し掛かっていることもありセリフが少し聞きづらくパワー不足の感が否めなかったのだが、ささの・大後両名の抜群の演技力と存在感も含め、監督がこの3人を選出したことに明確な説得力を感じ取れる。


致命的なのは、子供たちの出番及びそのエピソードが予想よりも遥かに少ないということ。特に監督が発掘し、育てたと言っても過言ではない且つ今作のヒロインであるはずの大後が終盤殆ど出番がなかったのには・・・。私のように大後目当てで観に行ったファンは相当フラストレーションが溜まる。


で、それらに代わり実質今作を支配しているのは大人たちのお話である。しかし、これが寒くて仕方がない。出演してる役者は超1級の有力者達ばかりであるが、演出や各々人物に絡むエピソードが最悪なため、3流の喜劇舞台を見ているかのようにつまらなく、また舞台となっている綺麗な自然風景とも合っていない。建設反対派に組しつつも、そのリーダーである人物に不満を抱いているチンピラ連中の存在のミスマッチさなどは今作がファンタジー映画の要素があることを差し引いても尚酷い。


一番理解できなかったのは、伊藤歩演じるサワコ先生と台湾人俳優演じる鳥人間との恋愛エピソード。何のために存在したのか分からない。村の大地主の娘であるサワコ先生が何故某人物と結婚しなければならないかの説明が全くないことも、このエピソードのグタグタさを増大させてしまっている・・・。

また、知的障害者や低身長の人物に対する差別と取られかねないきわどい描写があったりなど、大人サイドのストーリーやキャラ設定が尽く変で面白みに欠けている。空港の滑走路についている「足跡」にまつわるエピソードを20年後にこの土地を訪れた亮介が客室乗務員である女性2人に話すところから始まる今作の構成に関しても、結局それをしたり顔で説明するほどにこのエピソードに面白味がなかったのにも(観た人の大半が「こんなオチかよ!!」とあきれたことだろう)がっかりする。最後に起こる露骨に安っぽい奇蹟も・・・。


そして、このグタグタさに満ちた大人サイドの存在は最終的には子供サイドの話のラストをおかしなものとしてしまう。子供たちは最後、空港建設阻止のためにある行動を取るのであるが、その肝心の部分の描写がかなり短くなってしまっている。子供たちがとった行動に関してはネタばれになるのでここでは書かないが、それが空港建設を阻止できるものでは断じてないとだけ言っておこう。実際、作中においては、空港建設阻止に関し子供たちの行動よりも、話の途中から出てきた公平の父親の行動こそが決め手となるし。子役3人が主役であるはずなのに、おいしいところを尽く小日向演じる公平の父親に持っていかれたのは・・・。

大人サイドでよかったのは、公平の母親を演じた鈴木砂羽とサワコ先生を演じた伊藤歩の「いい女っぷり」のみ・・・。後は尽く観ていて苦痛であった。今作は、田舎を舞台にそこでの子供達の友情や成長を表現している点で夏帆主演「天然コケッコー」と共通しているが、完成度や面白さに関しては全くこの作品に及んでいない・・・。


完全オリジナルで監督・脚本を行定自ら手がけたこともあって、きっといろいろやりたかったのだろうことは容易に想像がつく。しかし、今作はあくまで空港建設反対行動を通じての子供達の友情と成長のみに絞って話を作るべきであったと思う。大人達のエピソードを意味不明に盛り込み、必要以上に大人を子供達の世界に介入させ、変にファンタジー色をつけたのが今作最大の失敗理由であると考える。それでもこの点数に止めたのには、神木・大後・ささのという素晴らしい実力・魅力を有した子役の、まだ子供と言える最後の段階での活動振りを収めた「記録映画」としての価値があったからである。上記行定監督の理念や今作制作の動機に全面的に賛同しただけに、今作の出来はあまりに残念であった・・・。
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2007/08/21 23:20|映画評トラックバック:0コメント:0

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