バツ丸のエンタメ問答

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CDレビュー~優しさとシニカルさに満ちた作品・・・鬼才は梶浦だけではない

●石川智晶 「僕はまだ何も知らない。」 評価:AA


amalogo111.jpg
(2007/08/22)

試聴は→http://www.jvcmusic.co.jp/chiaki/


1. Vermillion
2. ロストイノセント

3. アンインストール
4. ミスリード
5. 美しければそれでいい
~Full Size Remix
6. 涙
7. 僕の空に季節はずれの雪が降る
8. house
9. Little Bird
10. 水槽の中のテトラ
11. アイルキスユー


<問題点・注意点>

1・終盤若干失速しているか・・・?




梶浦御大とのユニットSee-Sawでのボーカリストとして活動のみならず、アニメ・ゲームサントラ業界を主軸にソロアーティストとしての活動や、他者への詞提供・曲提供など、ここ数年は梶浦御大同様極めて精力的な活動をしている石川。

今作はその石川の、知亜紀から智晶へと活動名を変更してから初となるアルバムで、通算では2作目となる作品でもある。


どうしてもSee-Sawでの楽曲制作者であり、コンポーザーとして圧倒的な活動振りを見せている梶浦がいるが故に、その存在感が薄れがちな石川であったが・・・。既にここ最近のシングルからその凄さの片鱗を感じ取ってはいたものの、アルバムである今作を聴いて、この石川も梶浦に匹敵する「怪物」であることをまざまざと思い知らされた・・・。スゲエ・・・。


どちらかと言うとのどかで柔らかい感じの曲が多くヒーリングミュージック的雰囲気を醸し出していた前作に比べると、今作はアルバムオリジナル曲である4曲目を始め、力強い曲がちらほら見受けられる。

とは言え、それはあくまで彼女の今までの楽曲と比べての話。See-Sawでの相方である梶浦の作る楽曲のような起伏や緩急が激しい激的且つ複雑で、プログレッシブな展開を見せる楽曲はない。全体的にエレクトロニカの如く同一旋律の繰り返しを主とした単純且つ平坦な構成となっている。


梶浦の凄みが、楽曲全体をして聴かせる複雑激的な展開や構築美やスケール感にあるとすれば、この石川は一点集中で聴かせる単純さやキャッチーさにあると言える。
(事実シングルである3・5曲目をはじめ、彼女の曲はサビを筆頭とした一部分の旋律がとても印象的で異様に耳に残る。重層的なコーラスの如く頭の中で反響する・・・。一方の梶浦の楽曲ではこういうことはあまりない。あくまで起承転結の巧みさもあり、楽曲全体が印象的。)


しかし、この点にこそ、石川のアーティストとしての・ボーカリストとしての凄さ・特性がある。


単純さやキャッチーさを有しながらも、それを決して「軽い」「面白みがない」などといったマイナス要素として聴き手に認識させるどころか、深遠さや強烈な魅力としてひきつけているのには、音楽を構成する基本要素であるメロディー・編曲・詞・歌唱らすべてが極めて高いレベルにあるからである。

声を張ったり、殊更に歌唱技術を誇示したりせず、あくまで己の能力の枠内でさらりと聴かせる丁寧な発声と発音、適度な脱力、抑制の聴いた感情表現といった彼女ならではの歌唱の魅力と上手さは言わずもがな。


全曲の編曲を担当した西田マサラの上手さも光る。全体的にアコースティックや管弦楽器など生楽器を主体としたシンプルな編曲は全く以って破綻がなく、実に堅実に楽曲と石川の歌唱とを守り立てている。あるべきところにあるべきものがある・・・、見事な編曲だ。


そして、特筆すべきは楽曲の世界観を決定付けている石川の作詞であろう。

作風や彼女の歌唱の雰囲気こそ、一聴癒し系的な要素をはらんではいるが、

4曲目
「背中にサイレンが聞こえるのに満開の花に吸い込まれていく」

5曲目
「誰もが純粋さを私に望むけど 擦り切れそうな空に持っていけるものなど 咲いてる花を折って自分のものにするような罪深いものばかり」


と、人間の持つ愚かで悲しい一面を実にシニカルに捉えている。


しかし、そのシニカルさもさることながら、それ以上に、そういった「どうしようもなさ」「愚かさ」を有した人間に対する慈愛を感じてならない。この両面を多分に感じ取れる3~8曲目の流れは、今年のアルバムの中でも最上のものであろう。音楽を構成するすべての要素が見事なまでに人間の持つ様々な感情や、それとも関わるであろう様々な日常風景や生活の断片を表現しきっている。


彼女も梶浦もそうであるが、この両名の強さは、過去にも何度か言っているように、「当たり前のことをきわめて高いレベルでやっている」ことにある。最高最上へと至る最たる近道にして、しかし、だからこそ最も困難なことをやってのけているこの両名には尊敬の念を禁じえない。


後半の9・11曲目が他の曲に比べると少し弱いかなと思ったのが、今作の唯一気になったところであるが、今作も限りなく名盤紹介作品に近い非常に素晴らしいと言い切れる作品だ。彼女のようなアーティストが世に存在することを多くの人に知っていただけたらと思わずにはいられない。










・アーティスト評価
歌唱力10 ()
作曲10 ()
編曲10 ()
独創性10 ()
安定性9 ()
10 ()
総合10 ()
熱中度10 ()

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2007/08/24 01:01|アルバムレビュートラックバック:1コメント:2

コメント

「一部分の旋律がとても印象的」とバツ丸様もおっしゃっていますが、
それゆえに何度も聴いてしまう中毒性をもつ作品ですね。

作詞においても決して特別な言葉を使っているわけではないのに、
日常的な言葉で絶対的な世界観を作り出す石川さんにはさすがの一言です。

楽曲の系統が異なるので単純に比較はできませんが、
FictionJunction YUUKAの「circus」がすっかりかすんでしまいました。

それにしても、何故これほどまでに作曲能力があるのにもかかわらず、
See-Saw時代は封印していたのかがつくづく疑問に思われます。
作詞・作曲:石川さん、編曲:梶浦さんの作品をぜひ聴いてみたいという
まず叶うことのないであろう願望にとりつかれている今日この頃。
Keisei #8uTc7nbU|2007/09/12(水) 22:48 [ 編集 ]


>Keiseiさんへ

魅力的な同一旋律の繰り返しの持つ中毒性は見事ですね。
シニカルさと優しさとに満ちた詞もすばらしいの一言です。

FJYも素晴らしいですが、現段階では私も石川さんの作品を上位にしますね。

梶浦さん編曲の曲も聴いてみたいですが、やはり石川さんの編曲は現時点では西田マサラさんが一番かもです。
バツ丸 #-|2007/09/15(土) 23:08 [ 編集 ]

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★「僕はまだ何も知らない。」 石川智晶
 石川智晶さんのNew Album 「僕はまだ何も知らない。」 をレンタルしてきました。 彼女は梶浦由記さんと共にユニット 「See-Saw」 のヴォーカルとしてデビューし、ソロ活動及び他のアーティストへの楽曲提供も行なってるビクター所属のアーティストです。 最近気になって.
日本の歌姫たち 2007/09/15(土) 08:35

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