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映画評「包帯クラブ」~意外にがんばった主演2人

・評価:60点
(但し、本文で説明するが作品の基本設定に対する理解・共感がないと50点以下になる可能性も・・・。)





<あらすじ>

近代的・都会的な雰囲気と、高度成長期を思わせる開発途上のわびしさを感じさせる関東近郊の町、高崎市。

父はおらず母が働きに出ているため決して裕福とは言えないが、「高校卒業したら働こう」と考え逞しく生きているしっかり者の女子高生ワラ(石原さとみ)もそんな街で生きる1人の人物であった。

しかし、ある時料理中に手首を切ったにも関わらず、回りが「リストカット」としか見ないことや、懸命に生きていることが実は他人の大切なものを奪っていることもあるということに気づき、一見しての明るさや逞しさとは裏腹に心に闇を抱えんでしまう。そして、出来心で手首の治療のために行った病院の屋上のフェンスの上に上り街を見下ろす。

そこで、ワラは怪我だらけの少年ディノ(柳楽優弥)に声をかけられる。スカートの中をのぞくかのような仕種を見せる彼にワラは不審がったが、何故か彼女の抱える心の闇を見抜いた彼は、彼女の手からするりと落ちた包帯を先ほどまで彼女が居たフェンスにまき付け、何を思ったか「手当てや」と下手な関西弁で言った。

理解に苦しむ行為ではあったが、ワラは自分の気持ちがすっと軽くなったのを感じずにはいられなかった。同じ気持ちを味わってもらおうと、ワラは失恋したばかりの親友タンシオ(貫地谷しほり)に話を持ちかけ、彼女の心の傷となったブランコに包帯を巻きつけた・・・。

その行為を写した写真と包帯をトラウマの対象にまきつけることによる癒しに興味を示した浪人生ギモ(田中圭)の発案により、包帯を巻くことで様々な悩みを抱える人々の助けに少しでもなればと、「包帯クラブ」を設立し、HPを立ち上げる。

来た依頼に答え、様々なものに包帯を巻きつける彼ら。依頼者からの感謝の言葉もあり、達成感・充実感に浸り楽しむ彼らであったが、次第に人それぞれの抱える悩みの深さに息苦しいものを感じ始めてもいた。他者の心の傷に触れることが自分の持つ心の傷との否応なしの対峙をも迫ったからである・・・。そして・・・。


<感想など>


さて、評価・感想になるわけであるが、いざ書くとなると結構書きづらい。

監督は「トリック」や「ケイゾク」「明日の記憶」を手がけたことで有名な現代を代表するヒットメイカー堤幸彦。作風柄「トリック」や「ケイゾク」のような映像の先鋭さやテンポの良さはないものの、高崎市を一望できるあるところからの風景や、廃墟の場面のつくり、今作のキーアイテムである包帯を上手く用いた映像美など、流石堤監督と言える良さがある。妙な気だるさ・退廃感を感じさせつつもどこか懐かしいものや温もりを感じさせる映像を作らせて今彼の右に出るものはいないのではないだろうか。


但し、映像的な良さがあるにはあったが、それが作品の説得力を上げやストーリーを盛り上げる上で効果があったかというと、懐疑的だ。


結局今作に対し「はまれる」か「はまれないか」&評価に関しては、ある意味シュールな映像美を出しているが、「包帯を巻く」という行為が何故癒しとなるのかに対する説明不足の点及び、その行為をするそもそもの理由である若者達の悩みに対し、「疑問をもたずあらかじめ了承した上で観賞できるかどうか」にかかっているように思う。

個人的には、作中においてこれでもかと出てくる、若者どころか現代社会の風潮であるともいえる、

「些細なことでこの世の終わりの如く思いふるまう」「安易に癒しを求める」「自分を過大視する」

という3つのことに正直うっとうしさを感じついていけなかった。何故ディノがああいう自傷的な行動を常にとり続けるのかの理由説明のところは、ほんと個人的にその自己満足さに全く共感できなかった。

こういうのが苦手な人には、特に序盤から中盤にかけての展開が辛いことこの上ないだろう。

ただ、逆にこれらことをクリアできるのであれば上々の作品のように思う。

そう思わせる一番の理由は出演者の演技と存在感の良さ、中でも主演である柳楽優弥と石原さとみのそれらが非常に良かったからであろう。

柳楽はそのエキセントリックな変キャラ具合をいい具合に出せており板についていた。かなり暑苦しい演技であるが、それに露骨な変さやうっとおしさを感じる一歩手前で良く抑えられている。エセっぽい関西弁もいい雰囲気を出して良い。

ただ、彼自身のルックスは以前に比べるとかなりレベルが下がっておりもはや3枚目の領域へと入りつつある。ちょっと行く末が心配だ。


一方の石原に関しては、何かがきっかけとなって心に葛藤を抱えるごくごく普通の女子高生を映画向けに誇張したようなワラを過不足なく演じていたように思う。以前の「花嫁とパパ」でのダメっぷりが嘘であるかのようなしっかりとした演技・表情で、ファンでない私でも関心した。先日公開した女優格付けでの酷評評価をどうやら改めなければならないようだ。予告でもあった「どんまい!!」のポーズを見るだけでも石原ファンは映画館に足を運ぶべきだろう。

全く両名の演技に期待していなかっただけに大きな収穫となった。


また、常に想像力を働かせ人の痛みを理解する・人を思いやる、という今作全編に渡り一貫して貫かれていた思想は、簡単に人を傷つけたり傍若無人で醜い行動が目立つ今の日本にとって大いに考えさせるものであり、意味があるものであると思う。


万人にはお勧めできないが、青春群像が好きで且つ石原・柳楽の両方ないしはどちらかのファンであれば観に行っても損はないだろう。

それにしても、今作は大手シネコンでもそれなりに上映されていているが、どう考えても小シネや単館映画館向きの内容であろう。私は公開初日でさらにその一番最初の上映で観たのだが、観客は自分を入れてたった3名。恐らく興行はかなり苦しいのではないだろうか・・・。
石原・柳楽主演&堤幸彦監督、という点でシネコンでも行けると思ったのかもしれないが、それは大きな間違いだとしか思えない。



<追記>

今作のサントラを手がけているのはハンバートハンバートという日本人男女デュオ。女性メインのボーカルで、アイリッシュやアメリカンカントリー、様々な民族音楽を取り入れた音楽をやっている。本場に負けない完成度を有しているのみならず、美しく幻想的で、一方そうでありながらも暗黒童話的な怖さや凄みを感じさせる音楽センスにただならぬものを感じる。
http://www.humberthumbert.net/disco.htmlで試聴可能。

この映画や堤監督の持ち味が彼らの楽曲を得ることによりさらに引き立ち、特に退廃感や悲しみの表現の上で絶大な効果を与えていた。

この映画では使用されている曲の殆どが「ハミング」であるのが残念であるが、そんなこと関係なくオリジナル作品を聴いてみたいと思えるものであった。

「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック 「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック
ハンバート ハンバート (2007/09/12)
MIDI(P)(M)

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2007/09/22 01:56|映画評トラックバック:0コメント:0

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