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読書評~若者の音楽ライフの傾向は?

●検証・若者の変貌―失われた10年の後に 勁草書房 評価:★★★







この書籍は、ここ10年くらい、特に格差社会が顕在化して以降顕著になってきた今時の若者に対する、

「人間関係が希薄」
「自己中心的」
「忍耐がない」
「無気力」
「すぐキレる」


といった、既に一般的な見解となりつつあり、ともすれば過剰・過激・一方的になりがちであるこれら批判的・否定的若者論に対し、「本当なのか」「実は違っているのではないか」と、一歩引いた立場で社会学的に検証し、再構築したものである。

既に当たり前となっている上記見解であると思うが、若者に対する様々な統計調査の結果が必ずしも上記大人たちが思っているようなものになっていない、ということは、そういう調査をしようとする着想を含め中々に面白いものがある。

もちろん、すべての調査結果が尽く世間的な認識と逆の結果になっているわけではない。調査の仕方やデータの取り方に疑問があるものもある。何だかんだと若者に対して示威的に肯定的な解釈をしている点もなくはない。

が、そもそも若者を取り巻く環境などの変化や、議論の前提となっている条件が「若者批判を熱心にしている大人世代が若者であった時」とあまりに違っているという事実を認識しないままに、安易に結果だけを見、批判することへの、いわば「バッシングのためのバッシング」に陥っていることへの危険性を十二分に示している言える。こういう視点は若者批判で溢れ返っているからこそ、貴重ではないだろうか。


確かに、幼少時からケータイもパソコンもネットも存在する時代に育っている者とそうでない者とを同じような感覚で捉えるのは建設的であるとは言えないだろう。根本的な違いを認識し、それを受け入れた上で議論や分析を進めていかなければなるまい。凝りかまった無責任な言説・分析が事態を好転させることはありえないだろう。


ただ、各章の終わりごとに何故だか分からないが統計学に関するコラムがあるのが理解に苦しむ。これが小休止的、または「知って得する雑学知識」的比較的平易な内容であればいいのだが、エラく難しい。確かに社会学において社会調査・統計調査は学ぶべきことの一つであるが、そもそも今作のタイトルに惹かれて読むような人々や社会学をかじった程度の人々が読むものとしては不適であると思う。


と書いてみたが、実は本題は別にある。まあ社会学部卒業であるのでこういった内容に興味がないわけではないが、今作を読んだ一番の理由は第2章が、今の若者を中心とした音楽ライフの分析~ジャンルの細分化・思想の多様化がもたらした影響について分析しているからである。

過去に書いたような気もするが、いわゆるJ-popをはじめとした一般音楽に対する研究は、音楽の持つ影響の大きさに反し、日本において殆ど進んでいないのが現状。故に、少しでもそういった内容の書籍を見つけたときは極力読むようにしているのだ。


さて、その内容であるが・・・。わずか1章ではあるもの数多くの調査結果が紹介されているのだが、中でも「音楽への関わりの強弱」が面白い。ようはライトリスナーとヘヴィーリスナーとの間にどのような趣向の違いがあるのかを分析しているのだが、その結果は何となく予測がつくとはいえ、改めてここで示された結果は興味深い。

自分は10年程前に捨て去ったものの、依然ヘヴィーリスナーにおける「洋楽至上主義」が強く残っている結果には、苦笑と共に寂しさを感じてしまう。

また、

ポップスやダンス、ニューミュージックやヒーリングといった音楽はライトリスナーからの支持が強く、ロック、ヴィジュアル系、ミクスチャー、ハードロック・ヘヴィーメタル、ラップ・レゲエ、クラシックといった音楽はヘヴィーリスナーからの支持が強い

と、聴いている音楽のジャンルに明確な違いが出ているのも、今更ながらであるが「やっぱりね」と思ってしまう。音楽へのかかわり方が各々のアイデンティティー構築に影響を与え、また、各々の持つ文化資本によって聴く音楽が違ってくることを示している。聴いている音楽ジャンルによって威信効果に差があるわけだ。もっと分かりやすく言えば、「優れた音楽を聴いていると思っているものほど、自分に対し肯定的である」ということだ。この結果は見ていて結構恥ずかしい。とにかく、音楽に「権力作用」「政治的意味合い」があることの証明でもあろう。


まあ、得てしてこういう調査の場合、「自分をヘヴィーリスナーと強く思っている人物」程、メジャーアーティストやメジャージャンルの音楽を調査の回答として記入するのを避ける傾向にあるからして、その信憑性・正確性に疑問がなくはないが・・・。
(ヘヴィーリスナーの定義を「月の音楽代4001円以上」としているのは、どうなんでしょうね? 少なすぎでしょ。)


余談であるが、この調査に用いられた18のジャンル区分のうち、そのひとつであるジャズは「伝統音楽・民族音楽」に次ぐ「支持のなさ」であった。すっかりJAZZレーベル化しているGIZAであるが、この結果を見るに、商的にはあまりメリットはなさそうである・・・。

これでいいのか!!?


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2007/10/13 21:03|読書評トラックバック:0コメント:4

コメント

はじめまして 失礼します
洋楽市場主義というより世界市場主義のように思います
日本は世界のー部にすぎませんから 当然日本の音楽を聞く機会も多くありません
国境が複雑に変化し民族が入り組み激しい戦争を繰り返してきたヨーロッパの音楽に私はいまだに深さを感じます

英語と日本語をくらべても 英語のほうが音楽に向いているのではと思います 
日常会話でも 日本人より西欧の人の会話のほうが音楽的に感じます
日本人女性には 繊細さ柔らかさを感じます
ポピュラー系は若い人が多いせいか ピアニシモの表現のしかたとか深さを感じられないことが多いです
70歳位になれば 深さが感じられる音楽家になるのかな~と思ったりします
人間性が音にでるそうですね 人生経験の深い人のほうが深い音楽が出やすいのではと思ったりします
駄文で失礼します よろしければご教授を
PP #-|2007/10/14(日) 10:39 [ 編集 ]


>PPさまへ

はじめまして書き込みありがとうございます。

えっと、「洋楽市場主義」と書かれそのことで述べられておりますが、これは勘違いかと・・・。本文で書いたのは「洋楽至上主義」でして・・・。要は、邦楽を軽視し無条件に洋楽をありがたがる考えのことです。

>当然日本の音楽を聞く機会も多くありません

すいません、これはちょっと意味が分からないですね。PPさんが日本の音楽を聴く機会がない、ということですかね。それとも外国の人が日本の音楽を聴く機会がない、ということですかね。


欧州の音楽には深みを感じますね。個人的には、北欧独特の荒涼とした雰囲気や、文化的な成熟が生んだ「斬新な音楽性」にいつも感心させられます。

侵略の歴史をたどらされたポーランドは、悲哀に満ちた音楽が魅力的ですし。

大きな経験をすると、それが音楽性に反映されることがありますね。女性では恋愛・結婚・出産がそれに該当しますね。

ただ、最終的には、作曲・編曲・歌唱といった個々の構成要素の完成度及び総合的な完成度であると思いますね。


個人的には、あんまり歌い手の人生とかについて考えることはないですけど・・・。
バツ丸 #-|2007/10/14(日) 22:01 [ 編集 ]


駄文にお付き合いくださり ありがとうございます 

邦楽を軽視し無条件に洋楽をありがたがるということですね
これについては 洋楽でも 邦楽同様あまり好きでない曲もたくさんありますし 無条件ではないですね
邦楽でも好きな曲もありますけど 自然と洋楽を聞く機会がほとんどになります 
なぜなんだろうと 時々考えます

評論家が高い評価をしている曲でも 好き嫌いはもちろんありますし
数十年前とは 好みの変化はあります
自分の脳の状態によっても聞きたい音楽 音量も変わります
曲の評価も長年聞いていると変わることもあります

耳は2つしかないので -生のうち聞ける音楽は限られますので 自然と数十年前に出来たある程度評価の定まった曲を聞くということもあるでしょう

日本レベルで評価される曲より世界レベルで評価される曲のほうがすばらしい曲に出会える確率が高いのかな~とも思います

昔 レコード針やスピーカーを変えても曲の印象が変わったことも思い出しました

できれば長年評価される曲の中から 好きな曲を聞きたい気持ちもあります

現代芸術比較文化論というサイトに”音楽の芸術性と商業性を分析する”などがあります

つまらないコメントですみません
無理に返答なさらなくてもいいですよ 時間をとらせてすみません

PP #-|2007/10/15(月) 16:51 [ 編集 ]


>PPさんへ

何をおいても、一方的に偏った音楽観は持ちたくないものですね。

もちろん苦手なものもありますが、限られた時間の中少しでも良い音楽に出会えたらと日々思います。


>日本レベルで評価される曲より世界レベルで評価される曲のほうがすばらしい曲に出会える確率が高いのかな~とも思います


ヘヴィー系の音楽に関しては、日本より海外で評価されている日本人アーティストの曲は素晴らしいと思いますね。ここでも時々紹介していますけど。

ご紹介してくださったサイト、面白そうなので目を通したいと思います。
バツ丸 #-|2007/10/17(水) 01:13 [ 編集 ]

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