バツ丸のエンタメ問答

音楽・映画・本好きのためのよろずやブログ

ホーム 全記事一覧 << 前の記事 次の記事 >>

カレンダー 

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

ただいまのお時間 

最近の記事 

月別アーカイブ 

カテゴリー 

最近のコメント 

最近のトラックバック 

おすすめ書籍 



読書履歴! 









検索 

ブロとも申請フォーム 

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




--/--/-- --:--|スポンサー広告

映画評「ミッドナイトイーグル」~予想よりは面白かったけど意味不明な作品

・評価:35点
(但し、竹内結子・吉田栄作各々・両方のファンでない、さらに、日本の安全保障に関し右・左関係なく各々の思想を強めに持っている人は10点以上の減点)


<物語の核心に触れるネタバレが書いてあります。>

読まれる際ご注意ください。





<あらすじ>

かつて世界中の戦地に赴き、戦争の現実を優しさと怒りとを以って撮った写真で多くの人々を感動させてきたカメラマン、西崎優二(大沢たかお)。

しかし、戦場で味わったあることをきっかけに戦場カメラマンとしての意欲を失してしまう。さらにそれに追い討ちをかけるように妻は他界し、息子は妻の妹慶子(竹内結子)に引き取られ、たちまち孤独になってしまう。

優二は妻の病気に気づくことが出来ずにいた自分を責め、一人山に登っては星の写真を撮る日々を漫然と過ごすようになってしまった。しかし、ある日不思議な光を放つ物体を目撃し撮影する・・・。


その不思議な光は、実はこの山中に墜落した米軍の戦略爆撃機「ミッドナイトイーグル」であったのだ。

ステルス性能を持つそのことだけでも、アメリカの国家機密を考える上でとんでもない重要性を持つのであるが、さらにそれには、極東の政情・軍事情勢を一変させかねないとんでもないものが積まれていた。

その「もの」の回収のため陸自の山岳部隊を向かわせるのであるが、一方、同じくそれを狙い北朝鮮の工作部隊が既に山中に潜伏していたのである。


優二の後輩である落合信一郎(玉木宏)は、優二の撮った写真に強く興味を惹かれ優二と共に、ミッドナイトイーグルが墜落した山中へと向かう。そこは昔から何度も何度も登った、彼らにとっては「庭」とも言える場所であった。

しかし、山中に到着したとき見慣れたそこは、今まで感じたことのない異様な雰囲気に包まれていた。そう、それは戦場の雰囲気・・・。既にそこは、日本を壊滅させかねない危機で満ちていたのである・・・。



<感想など>


予想していたほどには悪くはなかった。冬山での撮影において俳優たちはかなりがんばっていたし、その俳優らの演技がつむぐ話も思っていた以上に感動的だったし・・・。

ただ、やりたいことはわかるしそれなりの面白みがあったのだが、それへと至る設定・ディテールがかなり荒っぽい、というよりも尽く黙殺されており、全く生かされていない。


山岳に墜落したステルス戦闘機が積んでいる、下手をすると極東の軍事バランスや政情に大きな影響を与える「あるもの」をめぐり、主役二人及び彼らと成り行きで組むことになった自衛官らが、その自衛官の仲間を殺し、そもそものステルス墜落の原因を作った北朝鮮工作員らと戦うのだけど、これが・・・。


今作で決定的なまずいまずの点は、一般人=つまり素人であるが、「ジャーナリスト」という特殊な職業にあり、さらには冬山登山のプロフェッショナルであり且つ舞台となる穂高岳を誰よりも知っているという特殊な設定が作品において全く生かされていない、どころかそうであることを示す描写の断片すらないこと。

これは、一般人である彼らが、通常なら到底勝てようはずもない戦闘・工作のプロである工作員に対抗できる論理性と今作見所の核であるからして極めてまずい。


その象徴なのが工作員との戦闘シーンである。


工作員からの熾烈な攻撃を、山を熟知し登山技術に長けているからこその知恵・経験・技術・地の利、戦争カメラマンとしての経験が培った(であろう)危険察知能力・回避能力、そしてそれらを生かした「罠」をして凌いでいく、ということは全くない。今まで数多く見させられてきたハリウッドアクション同様、

「主人公らの放つ少数の弾は敵に確実に当たり、敵さんの放つ雨あられの弾はまるで主人公らをかわしていくかのように当たらない」

を見せているだけ。主人公らは何もしていない。論理性もへったくれもない。少なくともある時点までは主要登場人物が死なない、ということが作品の決定事項であることを観ていて明確・容易に分かってしまうのである。

「オレ、地上最強」とも言うべきキャラが主役を張る「ギャグ」のようなアメリカンアクション映画であるのならそれでもいいだろう。だが、今作のような作風でそれをやってしまうのは致命的で、一歩間違えば敵の銃撃や冬山の極寒で死んでしまうかもしれない緊張感や恐怖が全然伝わってこない。少なくともこの点に関しては、「山岳のプロである一般人がテロリストと戦う」という今作とかなり近い作風・設定である「ホワイトアウト」と比べてかなり劣る。


また、まあお約束と言えばお約束なのだろうが、圧倒的な武力を介した自己犠牲で話を終わらせてしまうのも・・・。

他者が指摘しているように「アルマゲドン」そのものだ。「泣かせよう」とのあざとさがプンプンとしていてお話にならない。


そして、個人的にもっとも鼻についたのは、今作製作において自衛隊・防衛庁からの協力を多々得ているであろうこともあってか、まるで「国民の皆々様のために自衛隊・政府は日夜働いておりますよ・存在してますよ~」的プロパガンダになっていることだ。

吉田演じる自衛官が言う「軍隊ではない、自衛隊だ!!」の言はその最たるもので・・・。


さらに、そういった「政府・自衛隊より」のプロパガンダ臭を発しまくっているのにも関わらず、終盤の様々な展開がそれを尽く否定しているのにはあまりに酷すぎる。

まあこの辺りは原作の問題も絡んでくるのであろうが、結局今作の幕引きをもたらしたのは、アメリカ様のミサイルでござい。「日本国の問題は日本国で片付ける」と言っておきながらこのオチは何なんだろう。

そもそも、横田基地から飛び立ったステルス戦略爆撃機が核を搭載しているという非核三原則が破られていることに対し誰も言及しないのもおかしすぎる。現実世界では確かに形骸化しているこの原則であるけれども、日本人である限りは例えフィクションであってもこの点に関してはやはり言及すべきではないだろうか。

つまりは、映画を通して、

「自衛隊は役に立っていませんよ」「日本はアメリカの忠犬ですよ」

ということを示しているだけなのである。鼻息荒い右よりの人も、平和・反権力の左よりの人もその内容に到底満足できまい。

所詮この程度が映画においても実際の政治社会においても日本の悲しい「現実」であり、ある意味日本の「平和さ」を反映しているのかもしれないが、だとしても、各々の思想の理想と娯楽作品としての面白さを追求してほしいと思う。どれもかれも中途半端なのは観ていてイライラしてくる。


ただ、内容・構成面での問題の多さに反し、主出演者はそれなりにがんばっていた。

特に優二の義理の妹(原作では妻であるけど)の慶子を演じた竹内と、自衛隊特殊部隊の唯一の生き残りとなった自衛官を演じた吉田栄作の演技・存在が光った。

竹内結子はほんと良い。


プライドは高いけど、ちょっとドジでまじめで優しいライターという設定にぴったり。今年の大活躍ぶりもあってか少し疲れている感も出ていたが、それがさらに役にあっており魅力的過ぎる・・・。

現時点で最強の20代女優であることを、今年公開された3作で完璧に示したように思う。今年の最優秀女優賞は彼女しかいない。


吉田栄作も「こんなにいい役者だったの」と思ってしまうほどの奮闘振り。しかも渋い!!


ただ、この両名の存在により主役の二人を演じた大沢・玉木の両名がイマイチ目立たなかったのも今作のマイナス点。特に玉木が・・・。

首相を演じた藤竜也はただただミスキャスト。一部場面で演技が光るところもあったが、全体的には何か場違いなところにいるじいちゃん、との印象がぬぐえない。


現実の首相はもっと冴えないが、映画の場合とりあえずビジュアル・イメージ重視で役者を選出したほうが良かったように思う。


とまあ、結構厳しくいろいろ書いたが、特に政治や国防に対する思想や関心がなく、泣ければ細部の問題も気にしない、というような方は、結構楽しめる作品であると思う。
スポンサーサイト




2007/11/25 21:24|映画評トラックバック:0コメント:0

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://badtzmaru.blog34.fc2.com/tb.php/639-d8f38b74

プロフィール 

聴いた曲の履歴!! 



プレイリスト詳細

アクセスカウンタ 

,
・トータルアクセス



・ユニークアクセス





ランキングに参加しています。よろしければクリックしていただき、投票にご協力いただけたらと思います。

その他コンテンツ 

・バツ丸のヲタク拝見
・過去のレビュー
・以前の他事争論
・名盤紹介
・墓場に持って行きたい曲
・月別CD DVD購入&試聴記録
・アルバムレビューについての説明

リンク 

ブログ検索 

おすすめCD!! 

購入・試聴CD 











DVD・その他 

Copyright(C) 2006 バツ丸のエンタメ問答 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。