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映画評「カンナさん大成功です」~これは面白い~韓国映画の底力か・・・

・評価:85点


「韓国映画」「恋愛映画」「人気漫画原作」という管理人にとって苦手な要素が多々あり、そもそもの鑑賞対象となりえなかった今作。

しかし、参考にしている映画評や知人の方の評価がかなり高かったこともあり、気が変わって観にいってきました。いや、これはかなり良かったと思います。

年末年始、これといっての作品がない中、数少ないお勧め作品ですね。





<あらすじ>

169センチ、95キロととんでもない巨体を持つ不細工女であるカンナ(キム・アジュン)。そんな体型ながらも美しい声と抜群の歌唱力という2つの才能を持っている彼女は、人気と美貌はあるが歌が全くだめなアミ(ソ・ユン)のゴーストシンガーをしながら、仕事がない日の夜はその美声を生かしテレクラのバイトをすることで、病気の父親の入院費を稼ぎつつ恋愛と全く縁のない自分の寂しさを紛らわせていた・・・。

そんな生活でも彼女はそれなりの満足を感じていた。ゴーストシンガーをしているときは憧れのやり手イケメンプロデューサー、サンジュン(チュ・ジンモ)と会え、そのときだけは自分は「特別」になっていると思えたから・・・。

しかし、そんな彼女の淡い気持ちを踏み潰す出来事が生じる。サンジュンの誕生日を祝うパーティーで受けた様々な酷い仕打ち・・・。

それに追い討ちをかけるように偶然聞いてしまったサンジュンの自分に対する本音・・・。


ショックで打ちひしがれ自殺を考えるが、どうしても死に切れなかった彼女は、デブで不細工な自分との決別を決意する。テレクラの仕事で知り合った整形外科医を脅迫し、破格の値段で全身整形手術をさせたのである・・・。

手術後、彼女は169センチ、48キロのナイスバディーな美女へと生まれ変わった。過去を捨て去った彼女は、スター歌手を目指して新たな人生を始める。その美貌に一般人から芸能関係者まで皆がぞっこんとなった・・・。そして、かつての自分を傷つけたサンジュンも・・・。

失踪し、手術を受けてから1年。彼女は韓国の音楽業界の新星として溢れんばかりの注目を浴びていた。

幸せな未来だけが自分を待っている、そう思っていたカンナではあったが・・・。



<感想など>


全くその出来に期待していなかったが、結果としては2007年の映画の中でも最上位の出来であったように思う。

そう思えたのには、主役であるカンナの心理描写が上手く出来ているからであろう。とにかく、美に対する女性の心理や「外見」に対する捉え方が非常に上手い。


整形したばかりの時に、ディーラーに外見をほめられただけで舞い上がってしまい、即スクラップ行きのボロ車を即決で購入したり、やたらと男性に親切にされたり誘いをかけられたりした時の挙動不審の様など、凡人が突如不相応な能力(ここではブスが圧倒的な美貌を手に入れる)を得たときにありがちな反応・行動を面白おかしく、時にまじめにとしっかりと描ききっている。美人だからというただそれだけの理由でやたらと近寄ったり親切にしたりする男性キャラの数々の描写は、ややオーバーではあるが強烈な説得力を持っており、見ていて「グサっ」とくるものがある。誰しも心に覚えがあろう。


特に良かったのが、世界的に見ても美容整形の本場で、整形人口もかなり多いであろう韓国において、美容整形を否定も肯定もせず、主人公を通して冷静に捉えていることに尽きるだろう。

その美貌ゆえに一気にモテモテになり、芸能界においてもスターダムにのし上がれた反面、過去の自分を隠し続け新たな自分で生き続けていくことに疲弊したり、昔からの友人を失ったり、他人から羨望と嫉妬のまなざしで見られることに腹がたったり、「整形していることがいつかばれるのでは」と不安になったりし、その果てに「本当の自分とは?」と考え始め、答えのない問い・悩みに身を投じていく様の描写は、深い示唆に富んでいる。

そこには、「人間はいったい何をして一人の人間でありえるのか」との哲学的問いがある。

やはり人間は、良くも悪くも内面=「心」とその器たる「体」の両方あってこそ存在が成り立つように思う。これは「アップルシード」で突きつけられた問いでもあるが、例えばデバイスや医療技術の究極的な発達により、「ソフトバンク」のCMよろしく、自分の家族や恋人の脳を機械や犬などに移植し、人間であったときと同じような言動・行動をさせることが可能だったとしても、果たしてそれを家族や恋人として人は認知できるのであろうか・・・。


たぶん無理だと思う。美容整形に関してもそうで、自分の彼氏彼女が美人であることを望むものは大半であろうが、かといって今付き合っている彼氏彼女がある日整形により「別人レベル」の美貌を得ることに「賛成」する人はきっと少ないように思う。

それは、美容整形大国である韓国でもそうで、主人公の憧れの人が作中で言う「自分の彼女でなければ美容整形もいいと思う」的セリフからもはっきりしている。


自分もそうであるが、結局どうしようもない不細工な外見を含めて「自分は自分」であるし、もちろん「他者は他者」なのである。外見を評価されて喜ばない人はいないだろうが、かといって外見ばかりが評価されることに不満を感じない人もいないだろう。


美を得たからとはいえ、必ずしも自分の望むような幸せを手に入れられるわけではなく、逆にそれによる「リスク」を明確に示した点は高く評価できる。

「主人公と意中の男性が最後には結ばれてラブラブに・・・」

という安易な展開・オチにならなかったことからも明らかなように、男は女性の美貌に圧倒的に弱いが、だからといってすべてがすべてそうではないという当たり前のこと~「美」が万能でないこと~をさりげなく、それでいてきちんと「メッセージ」として訴えられていたのは、今作の何よりも評価できる点だと思う。


ヒロインを演じたキム・アジュンは、「木村佳乃+ビビアン・スー」ないしは「木村佳乃+ユン・ソナ」とおぼしきルックスと抜群のスタイルの持ち主の美人。角度によってえらく魅力的に見えたり逆にそうでなかったりするのが少し気になったが、魅力的な女性だと思う。吹き替えなしの歌唱シーンも中々のもので、歌手としても問題なく活動していける実力がある。年齢は若い、というわけではないが、演技も外見もとても瑞々しくて良かった。オーディションで選ばれ&韓国の映画賞をたくさん受賞しているのも納得だ。デブカンナを演じている時の演技も非常に良かった。役作りをきちんとしてきたことがうかがい知れる。



あえて不満点を挙げると、整形美人であることをカミングアウトするコンサート場面が仰々しかったことと、作中でデブカンナをいじめ続けたアミのキャラ造形&演じた女優のルックスが・・・なことか・・・。

後者に関しては、如何にも倖田のパチモノみたいなルックスが・・・。まあ、主人公のナチュラルな美貌を引き立てる上では適役だったのかもしれないが・・・。


それ以上に納得出来なかったのは人物設定。途中歌の下手さを克服すべく一人練習に打ち込む、という描写があり、「ひょっとして努力により成長するのでは?」と思いきや、結局単なる嫌な奴・雑魚役で終わってしまい。

原作の設定があるので、原作未読の私には分からない点もあるのだが、ここは個人的にはこうあってほしくなかった。出来れば、ダメなりに努力して向上していく彼女をカンナが見ることにより、カンナの心境に変化が訪れる、という感じでいってほしかった・・・。


とは言え、久しぶりに満足できた韓国映画。ここ数年はやたらと「死亡」か「超常現象」か「歴史」を強調した作品が多くうんざりしていたが、今作は久しぶりに韓国映画の底力を感じさせられた。残念ながらこういうラブコメ作品に関しては、日本は韓国に先を走られていると言わざるを得ない・・・。


まだ観ていない人が居るとすれば迷わずお勧めしたい良作。「韓国映画だから・・・」という理由で観にいかないのはもったいない。

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2008/01/04 20:35|映画評トラックバック:0コメント:0

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