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バツ丸のエンタメ問答

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映画評「東京少女」~設定の上手さと役者の演技が光る秀作

・評価:85点

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「東京少年」が良かったこともあり、それと同じプロデューサーが手がけたその連作的位置づけである今作にも多大な期待を寄せていたわけであるが、上記映画ポスターにおける圧倒的な夏帆の美貌が示すにふさわしい、非常に素晴らしい作品であった。間違いなく今年の上位となるであろう。個人的に、映像の構成面で難があり、堀北のマンパワーの凄さが目立ち・それに依存した構成で作品が支配された「東京少年」よりも今作の方が出来が上であると思っている。





<あらすじ>

SF作家を志望するごく普通の女子高生、藤咲未歩(夏帆)は父を早くに失って以来、母・妙子(秋本奈緒美)と2人で生きてきた。しかし、母から突如、大学教授である塩見(近藤芳正)と再婚することを打ち明けられ、その状況=2人の関係に大きな変化が生じることとなる。亡くなった父への思いや、母が自分だけのものではなくなるといった年頃の子どもならではの親への依存と反発心、潔癖さをないまぜた複雑な感情が、母の再婚や「母にも母の人生がある」との理屈を拒否する。母がよかれと思い相手の男性を交えた一席を設けたが、母の再婚という現実を受け入れられない未歩は、店に足を運びはしたののそこから逃げ出してしまう。その時、突如地震が起き、降りていた階段のヘリから携帯電話を落としてしまった。あわてて下に降り携帯を探すが携帯電話はどこにもなかった・・・。


一方、時は明治45年。夏目漱石の門下生である宮田時次郎(佐野和真)は、日々漱石のような時代に名を残す作家を目指し執筆して出版社に原稿を持ち込んでは、そのどれもが没となり意気消沈して帰宅する生活を送っていた。ある時、今までと同様、原稿が没となりショックを受けながら出版社の階段を下りていると、突如頭上から何かが落ちてきた。それは、何と未歩が落とした携帯電話。どうやら地震により空間にワームホールが生じ、携帯電話がタイムスリップしてきたらしい。もちろん、明治時代に生きる彼には、その落ちてきたものが携帯電話とは分かるはずもなく・・・。

未歩は当然、携帯電話を失くした時にとる行動~自分の電話に電話する~をとったのだが・・・。何度かかけた後、若い男性が電話に出た。しかし、当たり前のことだが、平成と明治の人間の話がかみ合うはずもなく瞬く間に喧嘩になってしまった。


それが、未歩と時次郎の、時間を超えた出会いの瞬間であった。最初は起こっている現実に対する困惑や、両者の間にあるあまりに大きな文化的・時代的隔たりもあり、お互い反発してばかりいたのだが、何度となく会話をしていくうちにやがて打ちとけていき、会えはしないものの徐々に2人の気持は近づいていったのであるが・・・。しかし、やがて2人に訪れる運命をお互い知る由もなかった。


<感想など>

今作は、BS-iをメインに、若手女優を積極的に発掘・起用し、育成することで定評のあるプロデューサー丹羽多聞アンドリウが手がけた数多くのシリーズの1つである「東京少女」シリーズの劇場版であり、先日公開上映された堀北真希主演「東京少年」と連作関係にあたる。夏帆を主演とした作品では、「ケータイ刑事銭形零」「眺める少女」に続き3作目となる。

スタッフや役者が違うものの彼が主導で手がけたこともあり、さらには一連の東京シリーズであることから、

「彼の手がけた作品で主演デビューを飾り、それを契機に今や世代を代表するまでに成長している若手女優の再起用」
「特殊な状況で交流が始まり気持ちを近づけていくも、2人の間にある絶対的な問題が故にそもそも決して会うことのできない男女の悲恋を描いた感動ラブストーリー」


といった共通点がある。が、「東京少年」がヒロインとヒロインの体に潜んだもう一つの人格である男性との関わりであるため、「同一時間ではあるが、相手がもう一つの人格が故に会うことが出来ない」であるのに対し、「東京少女」は「住んでいる時代が違うが故に会うことが出来ない」という違いがある。この作品を決定づける基本要素であるとも言えるだろう。

「東京少年」では、主体を代えはしているものの、終盤において大半が同一映像の繰りかえしになり冗長さがあり、今作においては、「何故ワームホールが開いたのか」「何故月が出ているときに話すことができるのか」といったSF面での考証や説明に不足があるなど、映画として不備を感じることも、両作に共通している。今後の丹羽作品の課題でもあるが、そうであっても、この2作が凡百の、特にここ何年も顕著で最近に来て再び加速している安易なお泣かせ映画やケータイ小説原作の映画や、「とにかく人気の子やかわいい子だしとけばOK」「大人の事情」が多々垣間見える他の若手女優主演映画らと決定的に違い、観ごたえがあったのには、作品を全体を通して何を鑑賞者に見せるのか?訴えていくのかの焦点が定まっており、そのための演出・ストーリー・役者の演技が細部の問題を補ってあまりある良さを見せているからだろう。

時間を超えて主役同士が出会い、交流を深めていくという、今まで多くの作品で試みられた王道の手法ではあるが、「同じ場所(東京)でありながら約100年時間が違う」という設定を生かし、明治と平成各々の時代に生きる各々の文化的・時代的違いによる価値観の違い~「一方の時代の常識もう一方の時代の非常識、またはその逆」を際立たせたギャグシーンをふんだんに盛り込みつつも、親子の確執や進路の悩み、家族愛、自立と成長といった「時代を経ても変わらない人間感情・普遍的事柄」や、各々時代にある文化や物品を明示することによる「時代を経て新しくできたもの」「時代を経てなくなってしまったもの」

を上手く対比させた演出・ストーリー・主役2人のキャラ造形は秀逸で説得力に富んでいる。その最たるものが時空を超えての2人のデート場面であろう。

「あしたの私のつくりかた」「きみにしか聞こえない」をはじめ、電話やメールのみでの主役同士の交流を映像の軸とした映画作品はどうしてもその映像が平坦且つ陳腐(たとえば背景が一色の分割画面)になりがちだ。が、今作においては、主人公達をひっきりなしに動かし、明治村の建物やCGを使用しながら各々の時代にしかないものや両方の時代に実際に存在している店を登場させ、さらに呉服店の「手鏡秘話」をはじめ、その演出を生かした感動的なエピソードを巧みに盛り込むことによりこの問題を上手く回避しているだけでなく、青春ラブストーリー王道のすがすがしさやこっぱずかしさを懐古的に感じさせながらも、時代の移ろいのはかなさや文化の変わり様、何より一方の主役である時次郎が未歩の生きる「平成の時代」に存在しないという厳然たる事実をこのデート場面は鑑賞者に感慨深くつきつける。実に見事だ

このデートシーン&手鏡秘話を踏み台とした最後の場面は、そこまでに至る伏線の張り方と回収の仕方、その映像の美しさ、そして話すべてが感動的で、ここ数年の若手俳優が主演を張る青春ラブストーリー中で傑出した出来と言えよう。一見単純なように見えてその構成・ストーリーとそれらが示すテーマは何とも奥深く考えさせられるものであった・・・。

ただ、個人的に「手鏡」の場面はもう少し引っ張ってほしかったようにも思う。結局このこと自体が最後の感動につながるからこその扱いであるのは分かるのだが・・・。


とは言え、2人が出会った意味・設定・物語・演出・・・、そういった映画を構成するすべてに斬新さや革新性はないものの、従来の王道に安住しない「創意工夫」と何で各々がそうなるのかの説得力、低予算・少人数ながら良いものを作るというプロデューサーの確固たる主義と実践とを感じさせる素晴らしい作品だ。死・病気といった安易で不幸な設定でしか作品を作ることのできないクズ連中は今作を観て猛省していただきたい。ネタ切れやら何やらよく叫ばれるエンタメ業界ではあるが、ほんの少しの創意工夫によりまだまだ良いもの生み出せる余地のあることを今作は見事に示したように思う。


しかし、何より素晴らしかったのは、そういった素晴らしい設定・演出の魅力を倍加させた、今作でヒロインを演じた夏帆のビジュアルの魅力と演技であろう。

流石に製作者らが彼女を発掘し育てただけではあり、服装ひとつ、カメラアングルひとつとっても、夏帆という女優がどうすれば最も魅力的に見えるかを熟知している。スタイリッシュなファッションではないが、夏帆の透明感とピュアさに満ちたかわいさと予想以上に豊満な体~特に胸を~を余すことなくいかしたその服装は問答無用の魅力を放っている。中高年の男性にとってこれほど危険に満ちた魅力もないだろう。話の最後、物語の始めの時よりちょっぴり成長したと思わせる彼女の雰囲気に完全に悩殺されてしまった・・・。

如何にもモデル的美貌や大人っぽいルックスに満ちた今時の娘にはない夏帆ならではの確固たる魅力を余すことなく今作は堪能できる。それだけでも今作は十分にお金をとれるものであると断言する。

もちろん、ビジュアルやスタイルの良さのみならず、演技も非常に良かった。「ケータイ刑事」時代とは次元の違う彼女の成長した演技なくして今作の成立はあり得なかっただろう。

彼女の素晴らしいところは、演技が上手いとか下手とかを認識させない非常に自然な演技ができていることに他ならない。いくら実年齢と作中年齢がほぼ同じとは言え、ここまで作中における「親への反発と甘えとを見せるちょっと生意気で、しかし思いやりにあふれた少女」を自然に演じれる女優もいないだろう。優れた技量や女優魂を見せるWあおいや堀北・上野とも、ビジュアルやアイドル性先行の長澤・新垣・戸田とも、大人顔負けのうまさ・存在感を見せる成海・大後とも違うこの魅力・特性は、夏帆と、彼女と同じ91年生まれの女優である北乃きいに共通したこの世代に顕著なものと言える。昨年の「天然コケッコー」で見せたポテンシャルが嘘でなかったことをまごうことなく証明した。

いや~、末恐ろしい女優に成長したものだ。女優の評価を「演技力」「外見の魅力」「スクリーンを通しての魅力」「主役を演じること」「出演作品の質の高さ」の総合で判断するとすれば、昨年後半から今年にかけて彼女をしのぐ女優はどの世代にも見当たらない。

上映館数は愛知県でも1館のみと極めて少ないが、新春邦画作品の中では恐らく一番のお勧め作。機会があれば是非とも観に行っていただきたい。
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2008/02/29 01:10|映画評トラックバック:0コメント:2

コメント
お久しぶりです&オススメ
バツ丸さま、
なかなか書き込む時間がなくてご無沙汰してしまいましたが、バツ丸さまの素敵な文章は定期的に有り難く見させてもらってます。

夏帆さんは好きな女優サンなので「東京少女」気になります。
ところで今回はバツ丸さんに良かったら見てもらいたいオススメのドラマがありまして。
3月3日から始まる毎日放送のお昼1時30分からの昼ドラ「みこん5姉妹」はかなり面白いです!前作はかなり好きでしたが今回益々パワーアップされる予感。もしかしてバツ丸さんは気に入るかもしれないと思い、報告に来ました。
(もし知っていたなら余計なお世話すみませんです)

あと、映画の女優さんですんごい人を見つけました。今話題のアン・リー監督「ラスト、コーション」に出てるタン・ウェイさんという女優さんの演技が素晴らしかったです。体も張っていて惚れ惚れしました。
(何だか久しぶりなのに長文になってしまいすみません)
紀州犬 #KxwGyqDc|2008/03/02(日) 00:02 [ 編集 ]

お久しぶりです。
>紀州犬さんへ

いえいえ、観てくださっているだけでありがたいです。文章に関しては、今は大スランプで・・・。

私の文章力はごみレベルで、ほんとその能力のなさに辟易しています。

夏帆さんの「東京少女」での演技・魅力は素晴らしいの一言しかありません。

映画はとてもよかったのでお勧めですよ。

昼ドラに関しては、チェックしてみます。

「ラスト・コーション」は観に行っていないのですが、評判は上々のようで。今月は忙しくて映画鑑賞が厳しくなるので、観にけないかと・・・。

とりあえず今月は「雨の翼」くらいかと。
バツ丸 #-|2008/03/02(日) 20:40 [ 編集 ]

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