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映画評「ジャンパー」~殺る気(やるき)あるんですか!!?のおバカ映画

・評価:50点
(考証や論理性を求める人だと-10~20点)

この春一番の話題作である今作。宣伝の多さとは対照的におおむね前評判は良くなかったこともあり不安を抱えながら観に行ってきたのですが・・・。思っていた程にひどくはなかったが、かと言って、被害も少なからずあった問題作・・・、といった感じか。





<あらすじ>

5歳の時に母親に捨てられ、酒癖が悪くあたり散らしてばかりの父親との2人ぐらしと、決して楽しい生活をしているわけではない田舎の高校生デヴィットにとって、思いを寄せている幼馴染の同級生ミリーの存在だけが唯一の支えであった。しかし、冬の寒い日、彼女に上げようとしたプレゼントをいじめっ子に凍った池の上に投げつけられ、それを取りにいった際、池の氷が割れ冷え切った水中へと落ちてしまう・・・。冷たすぎる水温と厚みのある氷のせいで水中から抜け出すことができず、本人も周りの人間も最悪の事態を想像したその時、気づいたら図書館へと瞬間移動していた。最初はいったい何のことか理解できなかったが、何度かの「体験」により自分に瞬間移動の能力が備わっていることに気づく。退屈な町、うっとしい父親に辟易していた彼は、その力をしてそれらから「自由」になるため町を出ていった。やがて、その力を上手くコントロールする術を覚えた彼は、悠々と厳重な管理の銀行から大金をせしめていく・・・。

そして10年後・・・。莫大な金と瞬間移動能力(「ジャンプの能力を有すジャンパー」)を有すデヴィット(ヘイデン・クリステンセン)は、仕事もせず時間の許す限り世界中で遊びまわるという、文字通り誰もがうらやむ「自由」な生活を送っていた。

しかし、彼のようなジャンパーの存在を危険視し、その抹殺を至上使命とする組織、パラディンが確実に彼へと迫り、ついに邂逅の時を迎える。

何とかパラディンから逃げ延びたデヴィットは、故郷へと帰る。そこで偶然再会したかつての思い人ミリー(レイチェル・ビルソン)といい雰囲気となり、ローマで楽しいひと時を彼女と過ごす。まさに幸せの絶頂であったが、その幸せに浸っていられたのもほんのわずかであった。ジャンパーとパラディンの、避けようのない闘いが幕をあける。


<感想など>


「アメリカ兵(主に白人)1人の命は敵兵100人の命よりはるかに重い!!」(「U-571」など)、
「主役カップルや主役家族がハッピーになれば、他の人がどれだけ被害を受けようが死のうが問題なし!!」
(「トランスフォーマー」「宇宙戦争」「M:I:Ⅲ」など)

と、アメリカのアクション映画・SF映画には、非アメリカ文化圏の人間が観て感じるであろう「アメリカ文化ならではのバカさ・大味さ」がつきものである。観ていて、そのバカバカしさやくだらなさに失笑してしまうが、一方でそれらが娯楽作品としての面白さをもたらしていることは否定できない。いや、他を全く寄せ付けないバカバカしさが、アメリカ映画の偉大さ・面白さと言い切っても良いぐらいだ。

で、今作もご多分に洩れないアメリカ的バカさ満開の映画である。が、悲しいことにその「バカさ」の内容と、それ以前の段階である映画の基本設計にかなり問題があり、映画館における予告映像の多さや、各種エンタメ・映画雑誌での宣伝・評価に反し、出来に関しては完全に玉砕レベルとなった。ようは、作品にあるバカさが単に映画の面白みを削いだだけなのである。その具体的なことについて以下書いていく。

超常能力を身につけた個人が謎の悪の組織と戦う・・・。典型的アメコミ王道の設定であるが、一般市民や正義のために悪の組織と戦う、というものではなく、あくまで主人公はその力を私利私欲のために使い、一方その彼を追う組織も、世界支配・人類支配という悪の組織の典型的目的のためではなく、ジャンパーに対するとどめの刺し方が示すように宗教的な信条から主役を追い詰めていく点でかなり大きな違いがある。

超常能力を私利私欲のために使用する、という点・設定・話は「スパイダーマン3」にも通ずるものがあるが、より俗っぽさに特化し、多くの時間を割いて描かれた今作でのシチュエーションの数々は、「もしも瞬間移動能力が使えたら」という一般庶民の妄想・願望をストレートに満たしてくれる。「ロケーションが大変だっただろうな」と思わず感じてしまうし、やや長すぎな気もしたが、自分を追うパラディンとの戦いが本格化するまでの今作には、ハリウッドメジャー映画ならではの娯楽性・面白さがあり、それなりに楽しむことが出来た、のだが・・・。

ただ、今作は映画全体の作りがあまりにいい加減にすぎる。アメコミテイストを有す作品に映画的な深みや人物描写の巧さ、論理的な構成などを求めることがナンセンスなのははなから承知であるが、

そもそも、さんざん見せられた映画予告にある「なぜその力を与えられた」をはじめ、何故ジャンパーを執拗に狙う組織があるのかとか、母親と組織との関係とか、などなど観ていて誰しもが疑問に思うであろう作品の根幹を形成する問いに何一つ今作は答えてはくれない。「続編を作ることがありあり」としたその作りには、あきれ返るという言葉が何よりもふさわしいだろう。


挙句の果てに、紆余曲折を経て共闘することになったもう一人のジャンパーは途中でフェードアウトして(させられ)行方知れずとなったり、再会したヒロインとこれと言っての交流なく速効でセックスしたり、大量に盗んだお金が何の処理もなしにそのまんま使用出来たり・・・と、多々ある細部のいい加減さが拍車をかけ、本来は何も考えず観るべきジャンルである今作の鑑賞をいちいち妨げ、苛立たせてくれる。

何よりも致命的なのは、中盤以降のメインであるジャンパーとパラディンとの戦いの描写があまりにいい加減で面白くなかったことだ。

こういう作品は「やるか、やられるか」の緊張感を見せてこそなんぼであろう。父親を殺され、恋人を人質に取られたジャンパーに、古から狂信的にジャンパー抹殺を絶対使命として遂行するパラディン・・・。普通に考えれば、戦いは熾烈を極め、どちらかの死をもってしか終わりようがないはずなのだが、そういった設定・ストーリーに反し、戦いがとにかくヌルすぎて面白みに欠けるのである。とにかく両陣営の人物らがアホにすぎる。

パラディンはジャンパーの家族を殺し、彼の大切な人を人質に取る作戦を執る。確かにジャンパーの特殊能力を考えればこの作戦一見有効に思われるが、今作を観ていてそうでないことは誰しもが理解できよう。瞬間移動して敵の背後に回り込み、ひっ捕まえて南極なり砂漠なり太平洋のど真ん中なり上空1000Mなりに放りだしたり、車や大きな家具を敵に向けてぶちこんだり・・・。催涙弾をぶち込んだり・・・。人質をとられていようとも少し頭を使えば、敵を一瞬のうちに殲滅できる方法がいくらでも存在する。

一方のパラディンにおいても、最後に儀式的にナイフを体に突き立てるという「殺し方のお約束」があるにはあるが、ハイテクの兵器・道具を使わずとも遠くから強力な麻酔銃をぶちこむなり通りすがりにスタンガンなどで気絶させるなり、飲食物に薬を盛るなり、いくらでもジャンパーをひっ捕まえる方法があるのだ。

しかし、観ている誰しもがすぐに思いつくであろうこれら「始末」の方法を全くスルーし、お互い最も回りくどい方法を延々と取り続けるだけ。ジャンパーに至っては、愚直なまでに見事に罠に突っ込み引っ掛かってくれる。それも一度ならず何度も・・・。自殺志願者やM体質がごとく、自分で自分をわざと追い詰めているとしか思えない。揃いも揃ってアホばかり。

いくら優れた知力・格闘技術を有し最新鋭の兵器を所持しているとは言え、所詮「常人」であるパラディンメンバーと瞬間移動能力者との対決を、うまく均衡がとれ且つ娯楽として面白いものとするのは、それなりに難しいものがあるとは思う。が、与えられたテーマとストーリー、設定などを上手く処理することが製作者の当然の仕事であろう。

確かに、王道の香港格闘アクション映画やハリウッドアクション映画のほとんどにおいて、今作と同様主役とラスボスとの対決において、現実的で効率的である最善の殺人方法を作中人物はとってはいない。しかし、それと引き換えに娯楽作品として、アクション映画としての面白みを出せており、そうするに足る明確な理由が存在する。リアルにすれば、合理的にすれば必ずしも映画が面白いものになるわけでないことは、アクション映画の常識であろう。

しかし、今作では登場人物らが多々とる非現実的で非合理的な行動に対するきちんとした理由の明示が一切ないので、延々と終盤繰り広げられる対決シーンは、瞬間移動能力によりひっきりなしに場所を代えることも相まって、まるで「世界有名都市や観光名所めぐり」とも言うべき有様だ。せっかくものすごくおもしろくなりそうな可能性・魅力を秘めた設定・テーマであっただけに、今作の子供だまし以下の出来にはがっかりしてしまった。

但し、あえて心の中で映画に突っ込みつつ楽しむのが今作の正しい鑑賞方法なのかもしれない。大味すぎる設定やストーリー進行に疑問を感じないような人であるのなら、今作はお勧めの作品だ。
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2008/03/14 23:24|映画評トラックバック:0コメント:0

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