バツ丸のエンタメ問答

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映画評「ガチ☆ボーイ」~要所要所での詰めの甘さが目立った作品

・評価:70点

自分の知人や各所映画評での評価がえらい高かったこともあり、当初の予定を変え観に行くことになった今作。よって結構な期待を以って鑑賞に臨んだのであるが・・・。

気鋭の小泉監督らしい良さが出た反面、見逃せない要所要所の粗がその良さや映画としての完成度を下げているように見受けられた。





<あらすじ>

舞台はとある自然豊かな大学。ドロップキックの名手である看板レスラー、ドロップキック佐田(川岡大次郎)が至極個人的な理由で去ってから活動が低迷しているプロレス研究会、HWA。そこにひ弱で気の弱そうな男、五十嵐(佐藤隆太)が入会を希望する。昨年の学園祭で彼らのプロレスを観て以来、ずっと同好会のメンバーと一緒にプロレスをするのが彼の夢だったのこと。五十嵐は在学中に司法試験に合格すると目されている(一次試験には合格している)、学内でも「天才」として有名な人物ということもあり、さらには彼の事あるごとにメモを取り、写真を撮るその行動もあり、メンバーは戸惑いを感じたものの、五十嵐の明るくまじめな人柄もあってか、すぐに打ち解けることができた。

しかし、その五十嵐。司法試験の一次試験に合格するほど頭が良く、練習も非常に熱心に取り組んでいるにも関わらず、何故か技や段取りの覚えが物凄く悪い。他の同好会メンバーは不思議に思ったが、そうこうしているうちに「マリリン仮面」というリングネームをOGから直々に賜った五十嵐の、地元商店街でのデビュー試合が決定する。

試合は順調に進行していたものの、途中で段取りを忘れてしまった五十嵐は、何とガチンコで試合に臨んでしまう。そのがむしゃらな戦いぶりが観客に大いにウケはしたが、対戦相手である先輩にけがを負わせてしまう。だが、実力が全くともないまま、その場に居合わせた、学生プロレス界きっての人気レスラーコンビ「シーラカンズ」に目をつけられたこともあり、人気覆面レスラーへとなっていく。当の本人は、それがやらせによる人気であることを知る由もなかった。

しかし、五十嵐が一向に技と段取りを覚えられないのには、彼の体に関わるある深刻な問題があったのである。それは、彼がプロレス同好会に入った理由でもあり、彼の風変りな行動をとる理由でもあった・・・。それでも彼は、家族の反対や周りの反対を押し切ってまでプロレスに打ち込み続ける。


<感想など>

監督は劇場版「タイヨウのうた」で一気に注目されるようになった小泉徳宏。この出世作における、ここ数年のエンタメ業界の安直な流れである「難病・闘病モノ路線」を継承してはいるものの、深刻さ(=闘病シーン)を廃し、病気となる主人公がそれでも明るく生き、何かを残そうと懸命になる様を、こっぱずかしさと爽快さとを見事に織り交ぜた青春ドラマ仕立てで作り上げた手腕・描写の上手さは、素晴らしいものがあった。

今作は「難病・闘病モノ」に「スウィングガール」や「ウォータボーイズ」「シムソンズ」といった、これまたここずっと邦画の主流となっている「素人が○○に挑戦する」、を加えた作風になっていはいるが、上記、この監督ならではの基本路線や魅力は今作でも明確に存在し、全体的にみると「好作」と言える仕上がりとなっている。

特に、前半から中盤にかけて笑いどころとして提示された、各技の練習場面を最後の戦い場面で感動のしどころとして見事に昇華させた所や、五十嵐とサエコ演じるマネージャーとのバスでの下校場面において、先にサエコの号泣場面を見せておいて、その後に何故彼女が泣いているのかの理由を説明する演出方法などには、非常に光るものがあったと思う。今作の見せ所でもある、プロレスシーンの「組み立て」(但し、あえてカッコ書きにしたのには理由がある。後程今作の問題のところで明記する)に関し、恐らく監督がかなりのプロレス好きで、また、みちのくプロレスの指導を長期にわたり受けたこともあってか、今のハッスルにも通ずる「古き良き昭和的ショープロレス」の面白さを上手く出せていた。

吹き替えなしのプロレスシーンをはじめ役者たちのがんばりも光り、大いに青春劇を盛り上げている。そういう役者たちの魅力を上手く活かしたのも監督や作品の称賛点の一つだろう。

総論としては「タイヨウのうた」と同様、楽しく爽快に観れ、感動できる良い作品ではあるのだが、一方で「タイヨウのうた」とは違い、どうにも今作には気になる点が多い。

まずは、これは「タイヨウのうた」と同じ問題ではあるが、映画を通して病気に対する理解を深めようとする意図がほとんど感じ取れないこと。娯楽性を追求する上では確かにこういった要素は邪魔になるのだろうが、それでも少しは入れてほしかったと思う。また、あくまで爽快で前向きな作風ではあるものの、結局「難病ありき・泣かせありき」という基本設定という点には何ら変わりなく、それは個人的に抵抗を感じるところでもある。

また、作品の見せどころが散々流された予告映像によりばればれになっているのも、結構な減点要因だ。「見せるべきところを見せ、隠すべきところを隠しつつ、鑑賞意欲を想起させる」のが映画予告の基本的有様であろうに・・・。主人公の病床も最後の戦いの見せどころである「ドロップキック」も見せてしまうとは・・・。結局宣伝で見せたもの以上に面白い場面や話は最後まで存在せず、いったい何のための予告映像なのかさっぱり理解しかねる。前者に関しては、完全に事前情報をシャットアウトしている人以外誰しもが分かり切っている主人公の症状を鑑賞者に類推・判断させるために存在するメモ・写真のシークエンスを多々見せられる前半の構成に冗長さを感じてならなかったことから、尚のことである。

今作だけでなく、「鏡へのキスシーン」を予告で公開してしまった「東京少年」もそうであるが、最近の邦画は予告の作り方があまりに下手過ぎる。テレビ局主導の作品が多いとはいえ、テレビにおいてはエンタメ情報の部分を意図的に見なければ良いだけの話だが、他の映画を観ているときに見させられる予告映像はそうはいかない。業界関係者には予告映像の製作に関し、もっと考えていただきたい。


そして一番の問題は、今作の一番の見どころでもあり良い点でもある最終決戦がプロレスそのものの作り以外全く上手くいっていないことにあろう。

特に致命的なのは相手となるシーラカンズのキャラ造形。主役たちを魅力的に見せるために敵役を魅力的しなければならないのに、途中からちんけなヒール役になり下がってしまっている。悪辣な攻撃といい覆面剥ぎといい、明らかに娯楽重視の「アマチュア学生プロレス」の枠から逸脱し、それを象徴するかのような後味の悪すぎるシーラカンズの退出シーンと、それとは対照的な、プロレスの流れを強引に止めて、レッドタイフーンが佐藤隆太演じるかえる男爵に「お前なら出来る」と言いまくるところや、その後の「五十嵐」コールは明らかにやり過ぎで、観ていて面白いどころか興ざめしてしまう。後者の応援コールは身内や同好会関係者だけで十分だ。シーラカンズに関しては若干ヒール的要素を盛り込みつつ、純粋にプロレス強者・プロレスを愛する者として描いた方が良かったように思う。ロッキー1的なラストの描写も蛇足であった。

こういった問題がなければ、かなりの傑作になったと思われるだけに残念。


<蛇足だけど>

兄思いのツンデレ妹役を演じた仲里衣紗の演技はかなり良かった。女優として着実にキャリアを形成出来ているとは思う。ただ、依然と比べるとルックスがだんだん3枚目になっていると思うのは私だけか?
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2008/03/27 22:15|映画評トラックバック:0コメント:2

コメント
なるほど
なかなかの高評価ですね。
今回の映画に対して監督は、
障害や病気云々というより、その上でどう生きるかという人間ドラマに興味があるので障害や病気だからという理由で作品を選んでいるわけじゃない。
と言っていました。
それと元々プロレスファンではない自分くらいの人間が撮った方が、一般の人達にも楽しく見れる映画に仕上げられるという確信もあったそうです。
実際、原作の舞台にはファイトシーンはなく、あのクライマックスは監督自身が膨らませて撮った部分なので大成功だったと思います。

最後に、映画を見た多数の人達から、今までプロレスは敬遠してたけどガチ☆ボーイを見て考えが変わった。と言われたそうです。
プロレス好きとしては嬉しい映画です♪
アキラ #k2/3fVuY|2008/04/10(木) 21:47 [ 編集 ]

いや、そういうわけでは・・・。
>アキラさんへ

いや、結構厳しい評価なんですけどね。この監督は、深刻な題材なのにそれっぽくダークにしないところが良いと思います。

監督はプロレスファンじゃなかったんですか? いや、意外です。ファイトシーンも元はなかったんですね。いや、驚きです。

確かに、プロレスの楽しさは伝わってきましたね。もう少し細かなところまで配慮していただければもっといい作品になったのですけど。
バツ丸 #-|2008/04/16(水) 01:14 [ 編集 ]

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