バツ丸のエンタメ問答

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映画評「うた魂」~キャラの魅力・個性で押し切った作品・・・

・評価:70点
(夏帆のファンならプラス5点くらい。そうでないとマイナス5点くらい。また、30~40歳ぐらいの人はプラス5~10点くらい。それ以外の世代はマイナス10点くらい。さらに、合唱経験のある人は若干のプラス。)


個人的に大注目の若手女優、夏帆が主演ということもあり、当然の如く観に行ってきたわけですが・・・。学生時代に合唱をやり、さらには音楽の授業が異常に厳しい高校出身ということも含め、個人的に楽しめる要素が多かった作品ではありますが、映画としては結構問題や理解に苦しむところもある内容であったと思います。





<あらすじ>

北海道のとある町。七浜高校の合唱部に所属しソプラノパートリーダーを務める萩野かすみ(夏帆)は、当然歌・音楽が大好きなのだが、それ以上に自分のルックスと歌声、何より歌を歌っている自分が大好きな、かなり自意識過剰で変わった女の子。今日も持前のナルシズムと妄想とを発揮し、同じバスに乗り合わせている片思いの相手で写真が趣味のイケメン生徒会長牧村(石黒英雄)のことばかり考える有様・・・。

そんな憧れの彼からある日「歌っている萩野さんを撮りたい!!」とモデルを頼まれたかすみは、もう、完全に「牧村は私のことが好きなんだ」と勝手に確信する・・・。

合唱コンクール北海道予選の壮行会において、写真を撮る彼の期待に答えるが如く、渾身の歌唱とビジュアルを見せつけたかすみであったが、何故か後日彼から見せられた写真はそんな彼女の気持ち及び、歌唱とルックスに対して持っている絶対の自信を完璧に打ち砕くに十分すぎる「インパクトたっぷり」のシロモノであった。それだけでなく、「三蘭中のシャケみたい」と言われ笑われる始末。怒り、悲しんだ挙句傷心にふける彼女に追い討ちをかけるがごとく、幼馴染でかすみと同じく牧村に思いを寄せている青柳レナ(岩田さゆり)に、「正直言ってあんたの歌っている顔って変。自分で気づいていないの?」と言われ・・・。

すっかり自信をなくしたかすみは即、産休教師の代用教員で臨時で合唱部の顧問をしている瀬沼裕子(薬師丸ひろ子)に退部を申し出る。そして、いやいやながらでることとなった「ラストステージ」が、そこにおける湯の川高校合唱部の番長?権藤洋(ゴリ)との出会いが、そんな彼女に大きな転機をもたらすことになった・・・。


<感想など>

まあ、ベタな意見になるが、今作は「スウィングガールズ」「ウォーターボーイズ」「シムソンズ」といった、ここ何年もの映画の主流となっており、もはや一つのジャンルとして確立している「若い子が○○に挑戦し、それを通じて成長する様を描いた青春作品」に類するものであると、「大筋」で言うことができよう。が、もちろん「大筋」と書いたのには理由がある。

従来のそれら作品との決定的な違いは、主人公の設定と扱いだ。総じて従来の作品における主人公に関し、

「素晴らしい潜在能力を持ってはいるが、作品開始時はずぶの素人に近く、敗北や失敗、挫折、友人・仲間との対立、和解を通して、友人・仲間ともども成長していく・・・」

というのが、作風を含めた基本的な有様だ。

しかし、今作においては、主人公のかすみは、性格こそ問題があれど「ソプラノパートリーダー」という地位が示しているように、それ以前に役の基本設定として実力は既に顕在化しており、注目もされている。また、仲間・友人との関わりもなく、あくまで彼女一人に焦点が当てられた作品構成であることや、この手の作品の見せどころのひとつでもある「必死の練習場面」も殆どなく最終場面まで行ってしまうことなどを始め、かなりの違いがある。

よって、従来の作品程には、練習場面や青春模様・見せどころである最終場面を経ての感動や緊迫感・カタルシスがない。代わりにあるのは、漫画チックでコテコテナなギャグと、見る人を絞るキャラ設定。これがクセもんで。今作に対する評価を大きく分ける理由にもなっている。

特に80年代のヤンキー気質やビジュアル系バンドのイメージを外見的な土台とし、尾崎豊を崇拝しているというキャラ設定は明らかに観る人を選んでおり、その対象となっている20代後半~40前後以外の人には、何が面白いのか・何を意味しているのかあまり理解出来ないだろう。若い子を主な対象としながらも幅広い層の人々が見ても抵抗のない普遍性を有すことがこの手の作品の魅力であろうに・・・。夏帆ファンである若い世代にはお勧めできない。

まあ、これを作品の個性・面白みとかなり好意的に解釈しても、映画として見過ごせない問題があるのがいただけない。

まずの問題は、ゴリ演じる権藤が合唱の道に入るきっかけとなった女性ストリート弾き語りシンガーの存在。極めて中途半端な形で正体が隠され、終盤にこれまた極めて中途半端な形で正体が明かされるのであるが、これが理解不能。権藤は彼女のことを「女神」と称えてはいるが、結局彼は彼女の歌唱を通して知った「尾崎豊」に傾倒していき、合唱の道を突き進んだに過ぎない。断じて、彼女に影響を受けたわけではないのだ。
というわけで、そもそもの「彼女」の存在意義に疑問を感じずにはいられない。だったら、はなからこんなキャラを出さずとも、たまたま、<どこぞの誰かが聴いていた・観ていた尾崎豊の歌、ライブ映像を権藤が見聞きして感動した>、との設定・ストーリーにした方がはるかに良かっただろうに・・・。

そして、この尾崎豊からみのことはもう一つの大きな問題をもたらしてしまった。一番の見せ所、今作で言えば全国大会出場をかけた「合唱コンクール北海道地区予選決勝」場面を筆頭とする、今作の大きな要素であろう「合唱の魅力」を伝え切れていないに他ならない。

湯の川高校の面々が尾崎の名曲の数々を実にソウルフルに歌い上げていく様はなかなかの魅力がある。が、複数の人間による集団カラオケ的にただ尾崎の名曲をそのまんま歌っているだけに過ぎない。声域によって区別された「パート」を介した「コーラス」「輪唱」「掛け合い」など、合唱をかじったものならば誰しもが分かる「合唱の魅力・醍醐味」が故の魅力ではないのである。それ以前の問題として、尾崎のような情感型の引き語りソングは根本的に合唱に向いていない。

だが、本来は七浜高校の面々をして「正統・王道」の合唱の真髄を見せるべきなのに、それも上手くいってはいない。ここまで書いた作品の特性もあるが、夏帆一人に焦点が当てられている作品であるのに、当たり前だが合唱している女子生徒の数が多過ぎるからであろう。同種の作品が総じて4・5人程度がクローズアップされていることからも分かるように、最後の大団円においても、引き立たせる人物に絞り込みをかけないと効果は半減以下となってしまうことを、今作は示してしまったように思う。七浜高校の合唱部の練習風景の作りが、そう悪くなかっただけに最期の見せ所に関しもうひと工夫ほしかった。歌っている当事者の魅力をあまり出せずして、それを土台にしてのラストエピソードを設けられてもね・・・。感動が薄い。


しかし、それでもそれなりの評価になったのは、しがない代用教員を巧みに演じていた薬師丸をはじめ、ヤンキー高校生を想像以上に好演したゴリ、ツンデレ系の合唱部部長を演じた亜希子、副部長役を演じた、どの作品においても抜群の魅力と安定した演技を見せる名脇役徳永えり、などなど、各役者の魅力・演技が良かったからだろう。ヒロインを敵視している幼馴染を演じた岩田さゆりもとてもかわいくて。あのスレンダーさであのスタイルの良さは反則だろう。

主役の夏帆に関しては、序盤のコミカルで天然ナルシズムなところと、屈辱を味わい目が覚めてから心を入れ替えていくところ共に実に自然に演じられており、相変わらずのポテンシャルの高さをいかんなく見せつけた。恐らく初であろうコメディー比率の高い役ではあったが、堂々たるコメディエンヌぶりであった。

ただ、あえて苦言を呈すなら、ビジュアルが安定しなかったことか。これは夏帆の問題よりもスタイリストやカメラワーク、ヘアメイク、演出の問題であろうが、彼女の圧倒的なナチュラルさやピュアさを的確にとらえられないと、「四姉妹探偵団」のような悲惨な結果になるという危険性も感じさせてしまった・・・。

後は、かなり背が伸びてしまったことか。実年齢では出演者の中でも恐らく最年少であろうが背は女性出演者の中でも上位3~5位に入るぐらいの高さ。胸も・・・以下略。顔はともかく全体が映ってしまうと、以前ほどのか弱さを感じくなったのも事実。


とまあ、うだうだ書いてしまったが、今作も「ガチ・ボーイ」と同じく、せっかく面白い題材であったのにそれを上手く活かしきれずに中途半端な作品になってしまった感が否めない。夏帆のファンか合唱好き、ないしは尾崎豊やゴリのファンなら観ても損はない作品だとは思う。
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2008/04/13 01:55|映画評トラックバック:0コメント:0

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