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映画評「ランボー 最後の戦場」~究極の反戦映画だけど・・・

・評価:65点
(ゲチョグロなのがダメな人は避けた方が賢明・・・)

各所における評価を見るに、高評価か酷評の真っ二つで「良作か、果てまた地雷作か」と思いつつも、「ランボー」世代である自分は到底避けられるはずもなく・・・。観に行ってきました。

出来はね・・・。何かしっくりこない点がね・・・。








<あらすじ>

かつてのベトナム戦争の英雄であるジョン・ランボー(スタローン)。しかし、帰還兵に冷淡なアメリカを避け、ビルマとの国境近くであるタイ北部の村で、日々蛇の売り買いや船での荷運びで生計をたてる隠遁生活を送っていた。

ビルマにおいては、軍事政権の下、軍事政権と反政府軍との激しい戦闘が今尚続いていた。軍事政権による略奪・レイプ、そしてゲーム感覚で殺されていく住民・・・。それが軍事政権から迫害され続けているカレン族の日常・・・。

そんなある日、ランボーの前に一団が訪れる。サラ・ミラー(ジュリー・ベンツ)とその仲間であり婚約者であるマイケルを中心とするこの一団はコロラド州のキリスト教慈善団体で、この度迫害されているカレン族に物資援助や医療援助をしにビルマ国境近くに来たという。そこで、地雷でいっぱいの陸路を避けるため、この辺りの地理に詳しいランボーに水路での道案内を依頼する。だが、あまりにビルマの実情に疎く理想ばかり振りかざす彼らに呆れた彼は、何度となくその依頼をはねつけるが、サラの熱心さに心打たれ一団をビルマに送り届けることにした。

しかし、移動中に海賊の襲撃を受けた際、躊躇なく海賊らを殺したランボーに一団の面々は強い非難を浴びせる。彼らはまだ、自分たちが支援しようとしている人々が住む国の状況を全く理解していなかった。そして、無事目的地まで送り届けたランボーと別れた後、支援活動の最中に軍事政権につかまり軟禁される・・・。

長い雌伏の時を経て、再びランボーは「自分のために人を殺す戦士」としての本能が目覚め、一団の救出のために立ち上がる・・・。


<感想など>

「ロッキー」シリーズと共にスタローンの代表作である「ランボー」シリーズ。「ロッキー」と同様、10年以上もの月日を経ての最終作の公開もあり、彼の「ライフワーク」と言っていいだろう。

彼に対する評価や好き嫌い、上記作品に対する評価や好き嫌いはともかく、最終作を含めたこの両シリーズ、作品を通してスタローンの思想・主張を徹底して表現できている点は、映画人としての彼の最も高く評価されるべき点であると思う。

シリーズ2・3作目、特に「1分に1人死ぬ」という3作目の内容もあり、どうにも好戦的なアクション映画の代名詞となっている「ランボー」シリーズではあるが、作品の根幹となっているのは、「ベトナム帰還兵」の問題や戦争による心的障害などなど戦争の不条理さや悲惨さであり、「反戦思想」である。
(1・2作目が公開されたのが冷戦期である80年代前半から半ばであるのも、このシリーズに対する誤解の要因であろう。)

今作は、シリーズに共通する「何かに対するルサンチマン」(帰還兵に冷淡なアメリカ政府、ベトナムにおける拷問体験、敵に囚われたベトナム戦争捕虜や恩人の救出など)こそなかったものの、「反戦」に関しては今まで以上に徹底して表現されており、シリーズ最後にふさわしい出来であったと思う。

とにかく「反戦」を表現すべくの残虐性が故にすべて「R指定」であったシリーズ過去の作品を軽々と凌駕する、終始徹底した超ゲチョグロの戦闘シーン・虐殺シーンが凄まじい。「ダイハード4.0」や「トランスフォマー」などなど、近年公開された超メジャー作品において、CG映像の技術は人間の目では全くそれであることを理解できない究極の領域に入ったが、アクション映画としての娯楽性を高める上で最新鋭のそれらが使用された上記作品に対し、今作ではCG技術のみならず、映画制作におけるあらゆる技術が虐殺や戦争によるリアルな人体損傷の描写のために終始使用されている。虐待されている現地住民だろうが、子供だろうが女だろうが虐殺する側である軍人だろうが反政府軍だろうが、人々が飼っている犬だろうが馬だろうが、銃や地雷やナパーム弾らにより血肉吹き飛ばされ肉塊になってしまえば皆同じ・・・。やれ「某国に対する報復だ」、やれ「愛国心」と安全なところから声高に叫んでいるだけの、戦場の過酷さを想像することも出来ない「タカ派」ならぬ「バカ派」で正真正銘の「非国民」である連中をあざ笑う情け容赦のない残酷さ。ゲチョグロなのが苦手な人にとっては、上映開始10分で観に来たことをきっと後悔する映像であるが、人が人を殺すことに大義も正義もなく、当然正当化できるはずもないことを明確に示している。それと組みになっていると思われる、爽快さも何もない、戦闘終了直後のただむなしいだけの場面の構成も実に見事だ。


舞台こそビルマではあるが、軍事政権の設定やら子供を兵士にすることやら地雷の問題やら虐殺の問題やらを見るに、ビルマの軍事政権と言うよりどちらかと言うとポル・ポト政権下のカンボジアや今の北朝鮮に近いだろう。しかし、登場人物皆が見たまんま役柄のまんまに行動する極端にディフォルメ化されたキャラ設定やストーリーは、だからこそ、かつての日本やドイツ、ユーゴスラビア、ルアンダ、ソマリアなどなどといった国は言うまでもなく、多かれ少なかれどこの国にも存在する歴史の暗部や戦争そのものの悲惨さ、人間そのものの愚かさを巧みにあぶりだしている。それらを巧みに盛り上げる迫力あふれる音響やシャープなカメラワークも素晴らしい。

冒頭に少し書いたが、「反戦映画」としての今作は非常に質が高い。唯一気に入らなかったのは、軍事政権に囚われたボランティア団体紅一点で、一応今作においてはヒロイン扱いであろうサラが、囚われて10数日経ったにも関わらず、ランボーが彼女を救出する寸前になって初めてレイプされそうになったことである(絶妙のタイミングで未遂)。軍事政権のボスが少年にしか性的興味を感じないことを差し引いても、若干年をくっていて胸も小さいが十分に金髪美女と言える彼女が他の誰からもレイプされないままでいるのは、あまりに不自然過ぎる。徹底したリアリズムによる反戦表現に徹すのであれば、遠くビルマにまでNGO活動に来た人格者である彼女にも現地の女性と同様の凄惨な目にあわせなければならないはずだ。ここのところだけ如何にも映画的ご都合主義に満ちていてがっかりした。

ただ、反戦映画としてかなり高く評価しながらも、評価点数を低くしたのはこのご都合主義によるものではない。それは、アクション映画として出来が悪いことである。

結局「戦争の凄惨な現実」の描写に大半が費やされたこともあり、それと反比例して終盤の戦闘シーンがえらくあっさりしている。クレイモアを抱えて敵から逃げつつ敵を罠にかける場面こそ極めて優れていたものの、全体的には機銃や爆発力のある地雷をしての殺しがメインで、ランボーシリーズの大きな魅力であり支持された理由でもある、「地の利を生かした罠やハイテク兵器に頼らない創意工夫で作られた武器をしての、1対多数のハンデを覆す一人一人を確実に正確に残忍に仕留めていく」という、ゲリラ戦ならではの緊張感や面白さ」がない。「地雷ゲーム」のシーンを3度も繰り返すぐらいなら、もっとランボーの尋常ならざる強さを示すシーンを盛り込んでほしかった。もし、2作目のようなゲリラ戦の醍醐味が盛り込まれてさえいれば、上記反戦描写の出来の良さもあり、それこそ今作はかなりの傑作となりえただけにとても残念だ。


ゲチョグロなのが苦手な人には絶対にお勧め出来ないが、それを我慢できるシリーズのファンなら観る価値のある作品だと思う。
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2008/05/26 23:40|映画評トラックバック:0コメント:0

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