バツ丸のエンタメ問答

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「変身」~やはり無謀な挑戦だった・・・

評価:40点/100点

東野圭吾の「変身」・・・。数多くのジャンルで数多くの「大傑作」を生み出してきた天才・東野圭吾の作品の中でも、間違いなく「最高傑作のひとつ」と称すにふさわしい作品である。「歌姫バカ一代」の書評においても、限りなく最高評価に近い4.9点をつけた。ジャンルは恋愛~今風に言うと「純愛小説」。だが、「脳移植を受けた人間が移植された脳に体をのっとられていく」という非現実的設定を通して「人間とは何か」「人間の尊厳とは」「何を以って人は人たりえるのか」「愛とは何か」「現代医療や科学万能主義の問題・弊害」といった深遠なテーマの数々を鮮やかに読者に突き立てる点と、読後に味わう感動の深さ・大きさに関し、ちまたで喧伝されている「純愛小説」やらとは全く次元が違う。はっきり言ってこの小説を前にしては、「セカチュー」や「四日間の奇蹟」といった作品なんぞ子供だましの茶番でしかない。
そういいきってしまいたくなるほどに、今作に対する私の思い入れは深いのである・・・。

よって、今作が映画化されると聞いたとき、不安しかなかった。絶対にまともなものなど出来っこないと・・・。そしてその不安は見事に、本当に見事に的中したのである。

既に今作は、容赦ない採点と論評で知られる映画評論家前田有一氏のサイトにおいて(http://movie.maeda-y.com/movie/00633.htm)、100点満点中なんと「1点」の評価を獲得するという空前の快挙を成し遂げてしまった。俳優に対する見解の違いもあり、私はここまでの酷評にはしないが、それでも概ね氏の論評を支持せざるを得ない。
結論から言おう。この作品を映画化したのがそもそもの間違いであったと・・・。


そもそも、ここ(11月6日分)でかつて記したように、とことん主人公の内面的な葛藤の描写がメインで、話を動かしていく登場人物もわずか4・5人に過ぎないなど、映像でつないでいく「映画」にするに、今作はあまりにも向いていない。いや、映画のみならず、「小説」としても非常に難しい。一歩間違えば確実に駄作・・・。圧倒的な筆力を誇る東野だからこそ可能な小説世界である。

で、このような極端に登場人物が少なく、且つ映像や話のほとんどが主人公のみに焦点が当てられているような作品の場合、重要となるのは、主人公を演じている俳優の「純粋な演技力」だ。今回その役を担ったのは玉木宏と蒼井優。ともに若手俳優の中で評価がとても高いのだが、それでも無理がありすぎた。

上記前田氏は二人の演技に対しめったくそに酷評しているが、私はそこまで酷いとは思っていない。それよりも映画に向いていない今作を映画化したことと、そうであるが故に、原作をどのように映画としてアレンジするかが不徹底になり、その結果俳優に対する演技指導も中途半端になったことにこそ、問題の本質があるように思う。玉木や蒼井でなくとも、極端な話彼らよりも圧倒的に演技が巧い役者が演じたとしても、結果としてはそう代わり映えしなかっただろうと私は考える。

但し、この作品によって、この両名、特に蒼井優に関して蒼井ファンの私であってもその評価を下げざるを得ない。演出の悪さを引いても役作りがきちんと出来ていたとは言い難いからだ。自身の発す素朴さで何とかつくろっていた感が終始否めなかった。
(彼女を「若手4大女優」と評価しているだけに残念である。新年ドラマ「白夜行」での綾瀬はるかの演技しだいでは、その座を入れ替えねばならないだろう。)

しかし、個人的にこの両名よりも、主人公に脳移植手術を施した教授を演じた俳優のへたくそさの方が気になった。もうよぼよぼの爺さんで何をしゃべっているのかわからない。脳移植手術をするような野心と技術を持った医者にも全く見えないし・・・。

と、俳優に対する文句を連ねたものも、一番最悪なのはやはり演出。

原作においては、登場人物の少なさを補い、且つ他者の脳に自我をのっとられていくことによりもたらされる主人公の葛藤をより鮮明とするため、人間以外のものが非常に巧く利用されている。それは、絵=タッチ・色使い、日記=字体・文体、音=音感・ピアノ演奏であり、これこそが作品に少しの謎解き要素と、それ以上の圧倒的なリアルさと感動とをもたらし、今作の評価を著しく高めた大きな理由になっているのだが、映画においては「何一つ」有用に生かせていなかった。

特に、前田氏も指摘しているとおり、主人公が彼女をモデルに描いた絵の「ある部分の描写」に関しきちんと描かれていなかったのは、この作品の根幹を否定しているとしか言いようがない。このことこそが、小説「ラスト1行」によりもたらされる圧倒的な感動へとつながるのだから・・・。それが出来なかった以上、仮に他の要素の出来が良かったとしても、今作を「駄作」と評価せざるを得ない。

以前に上映された、同じく東野原作の「@GAME」でもそうだが、映画制作者はあまりに東野作品をなめてやしないか? 映画化するにおいて、脚本やキャラ設定を変えざるを得ない場合は確かに存在するし、そのことを否定するつもりはない。だた、話の根幹を変えたり否定したりするのはどうかと思う。監督や脚本家は心から反省してほしい。それ以上に映画化の企画を持ち出した連中も・・・。



バツ丸私的「心の名作」である今作。これこそが真の感動作品である。
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2005/11/27 21:49|映画評トラックバック:0コメント:0

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