バツ丸のエンタメ問答

音楽・映画・本好きのためのよろずやブログ

ホーム 全記事一覧 << 前の記事 次の記事 >>

カレンダー 

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ただいまのお時間 

最近の記事 

月別アーカイブ 

カテゴリー 

最近のコメント 

最近のトラックバック 

おすすめ書籍 



読書履歴! 









検索 

ブロとも申請フォーム 

この人とブロともになる

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




--/--/-- --:--|スポンサー広告

ザクっと映画雑感「ベンジャミンバトンの数奇な人生」

・評価:80点

今公開中の「レボリューショナリー・ロード」が、レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレットの「タイタニックコンビ」に対し、ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットのこちらは「バベルコンビ」である。

ほぼ同時期にかつて話題作で共演したコンビが再び別作品である話題作で共演・・・。

ま、そんなことはどうでもよい。

天下のブラピ様が特殊メイクとCGで死亡寸前の爺さん姿になったことが公開前から話題となっているが、そういった話題性とは全く関係のない示唆に富んだ良作であったと思う。監督があの「セブン」の監督であり、脚本も「フォレストガンプ」のそれであったことから、不安しかなかったのだが、思いの他楽しむことが出来た。







「ありえないこと」「ありえない設定」をあえて押し出すことで、その対極であり真の表現主題である「あること」・「ある設定」を効果的に表現する手法が古来より存在する。SFやファンタジーはその代表例であろう。

80歳ぐらいの「最も死に近い状態」で生まれ、年を経るごとに若返っていくという主人公ベンジャミンの特殊な設定を通し、老いや死、他者との関係性を巧みに描いた今作も、その一つであると言えよう。

この映画、とにかく特殊体質のベンジャミンに絡む数々の事柄に対する設定や様々な事柄の対比のさせ方が絶妙としか言いようがない。

第一次世界大戦における数多くの若者の死に憤りを感じ、「時間が逆に戻れば若者たちが死ぬことはない」とのコンセプトの下、針が逆回転する時計を作り公開した時計職人を描写した冒頭は、この映画の主題を完璧に表現できており見事と言う他ない。そして、それに続くベンジャミン誕生のシーン。

産まれたその時に母親を失い、産まれたばかりにも関わらず齢80が如くの見た目ということもあり父親に捨てられることになったベンジャミン。その彼を運命的に拾ったのが、死を迎える老人たちの面倒を見る養護老人施設で働く黒人夫婦だ。これは単純なようでかなり見事な設定であろう。

人は成長し、誰かの死を知ることにより、命や死というものを体感的に学んでいく。自分もまた確実に年をとり、死に向かっているのだということを・・・。しかしベンジャミンは違う。

施設にいる老人たちとベンジャミンとでは、見た目的には同世代であるが実年齢は全くの対極にある。

同じ時間を共有していても、年をとって確実に老けたり死んだりする通常の者に対し、彼は日に日に若返り死から遠ざかっていく。年の差はあれど、確実に自分が老いていれば、誰かの死によってもたらされる別れでもたらされる悲しみやさびしさ、孤独感といったものへの耐性が出来るが、そうでないからこそ、彼の苦悩や他者との心的な溝ははかりしれない深まりを見せる・・・。それがまず端的に出るシーンは、NYで今作のヒロインであり彼の生涯に最たる影響を与える人物、デイジーと再会するシーンだろう。

彼女が大人の女性となり、一方さらに若返り既に「実年」となったベンジャミンとは、見た目的には「年の差カップル」として成立し得るものとなった。しかし、本当に「大人」になった彼女に対し、ベンジャミンは見た目的にはおっさんであるが、精神的にはティーンズの男の子に毛の生えた程度。大人の女性である彼女の気持ちを汲み取り・受け入れるまでには彼の精神は成長していなかった・・・。

お互いの見た目と実年齢とがほぼ一緒になる両者が40歳程度の時、ようやく2人は結ばれ幸せを得るが、それも長くは続かない。子を授かったはいいが、既に確実に彼女より年下になっていた・・・。

人は誰しも年を重ねていくことに恐怖や不安を感じていく。誰もが確実に年をとっているものの、自分もそうであるが、職場にバイトに来ている学生バイトの若さがうらやましくてならない。年をとったという事実を何らかの形で突き付けられるといい気分ではない。

しかし、今作では「年をとるたびに若返っていく」というベンジャミンの突飛な設定を通し、生きてきた年月とかみ合わない若さというものがはたしてどういうものか、ということを鮮やかに鑑賞者に突きつける。それが端的に出たのは、完全に見た目での年が逆転し、デイジーを愛するが故にその事実にベンジャミンが耐えられなくなったことで別れ、既に再婚をしたデイジーと再会する場面であろう。そこでデイジーは久しぶりにベンジャミンに抱かれる。デイジーを演じたケイトの好演をして幸せ絶頂の時のものとは全く違う壮絶な悲壮感を出しているこの場面は今作の見どころの一つであろう。見た目と内面とが一致しない状態が、対人関係において何をもたらすのかを見事に表現し切っていた。


今作、ストーリーや設定等にお涙頂戴作品であるはずなのだが、あまりそれを感じさせず、どちらかというと寂しさや切なさ、及びそられと同時に充足感を鑑賞後に感じさせるのが大きな特徴と言える。

これは、映画タイトルが「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」となっており、基本ブラピ演じるベンジャミンの視点で語られていくのであるが、今わの際であるデイジーが娘にベンジャミンの手記を語らせる形で進行していく。これにより、観客に一歩引いた視点で鑑賞させることにより押しつけがましさを低減させ、逆に作品世界へと上手く観客を引き込む効果を発揮していることが、上記特徴の理由であろう。

また、この手法により、若返っていくベンジャミンと老人養護施設に居る老人との対比やベンジャミンと老いていくデイジーとの対比だけでなく、今死にそうになっているデイジーとベンジャミンとの対比構造をも生み出し、今作の大きな見どころとなるベンジャミンの最期の場面の感動を確実に盛り上げた。

圧倒的なマネーと技術とにより構築されたCG映像の数々や特殊メイクも見事。アクションやSF作品ではなく、時代設定が過去がメインの作品においてここまでCGを効果的に作品世界の構築のために用いれた作品もなかなかないのでは? 日本の「K-20」のCGも結構良いなと思っていたが、ハリウッドトップクラスのCGとはやはりレベルが違う。

さて、主役を演じたブラピであるが、CG補正が入っていたとはいえ、白Tシャツにデニムの姿がかっこよい。こういう素朴な服装が似合う男は良いと思う。

上映時間160分とかなり長いのだが見応えのある作品だと思う。

スポンサーサイト




2009/02/13 23:22|映画評トラックバック:0コメント:0

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://badtzmaru.blog34.fc2.com/tb.php/850-33397b7e

プロフィール 

聴いた曲の履歴!! 



プレイリスト詳細

アクセスカウンタ 

,
・トータルアクセス



・ユニークアクセス





ランキングに参加しています。よろしければクリックしていただき、投票にご協力いただけたらと思います。

その他コンテンツ 

・バツ丸のヲタク拝見
・過去のレビュー
・以前の他事争論
・名盤紹介
・墓場に持って行きたい曲
・月別CD DVD購入&試聴記録
・アルバムレビューについての説明

リンク 

ブログ検索 

おすすめCD!! 

購入・試聴CD 











DVD・その他 

Copyright(C) 2006 バツ丸のエンタメ問答 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。