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ザクっと読書評。今回は2作品

では、ザクっと読書評!!


●「隠蔽捜査」 今野敏 新潮社 ★★★☆

隠蔽捜査 (新潮文庫)隠蔽捜査 (新潮文庫)
(2008/01/29)
今野 敏

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警察小説の書き手として名高い今野敏の代表作。吉川英治文学新人賞受賞。今回初めて彼の小説を読んだのですが、結構面白かったと思います。

話としては、東大卒で広報活動をメインとして警察官僚である竜崎と、その彼と因縁浅からぬ関係にあり、竜崎と正反対の性格・生き様を見せる伊丹の、警視庁を揺るがしかねない連続殺人事件への捜査活動を通して、著者が有しているであろう「国を守るとは」「警察とは」「あるべき官僚とは」といった国家論・警察論・官僚機構論を開陳した作品。

読み進んでいるうちに、主役両名、特に原理原則や正義論から全くブレない生き方を見せる竜崎への読者の評価を逆転させていく描写は上手い。「こんなに清廉な奴いね~よ」と思いつつも、ストレスなく読みすすめさせる面白さがありますね。

家族に絡む問題を事件と並行して描写することで、竜崎の人間性を上手く浮き立たせたことと、彼の軸のブレない生きざまとそれが導き出したオチに「時代劇」にも通ずる爽快さがあったからだと思います。

ただ、作品評価になりますと話は別。作品を通しての作者の主張は十分に分かるのですが、じゃあ読後どうなのかと尋ねられると、何かがしっかりと残った感はさしてなく、「全体的に軽かったかな」との印象しかありません。

まず、主役2人の人物描写がメインの作品とは言え、肝心の連続殺人事件の推移・顛末があっさりしすぎたのは気になった所。せっかく事件を「凶悪な殺人事件を起こしておきながら、今の日本の少年法のシステムからさして反省することもなく短い刑期で社会復帰した元少年が何者かに殺される」という設定にしているのですから、オチとか犯人描写に関してもう少しこの設定を上手く反映させてほしかったと思いますね。

また、人物描写に関しても、魅力的に描けている竜崎に対し、もう一人の主役と言うべき伊丹がだいぶ弱かったのが、個人的に大きく引っかかった所でもありました。

今作のように2人の人物を対照的に比較させる手法を取っている作品の場合、比較対象となる相手をそれなりに描けていないと話が締まってきません。伊丹の人物描写をもう少し掘り下げることができれば、つまりは、対照的な2人の描写を通して、より上記論を描くことが出来ていれば、作品のレベルは確実に上がったように思います。

とは言え、個人的な不満は少しありましたけど、適度な時間で爽快な読後感を得るにはもってこいとお勧め出来る作品です。


●「日本人の知らない日本語」 蛇蔵&海野凪子 メディアファクトリー ★★★★★

日本人の知らない日本語日本人の知らない日本語
(2009/02/18)
蛇蔵&海野凪子

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へっぽことは言え、とりあえず文章(え!!?)をそれなりに書いている者として、日本語論に関する本は常時とても気になります。ただ、こういった類の本は多々あれど、読みやすさ・面白さ・内容の充実具合・実用性のすべてを満たしているものは極めて少ないと、日々思っている次第。

そんなこんなと思っていた時に出会ったのがこの本。今現在日本語教師として外国人留学生相手に日本語を教えている方が書かれた「日本語コミックエッセイ」です。上記画像を見れば分かりますが、絵がとてもかわいく、そのかわいさが存分にいかされたコミカルさが、この書籍を非常に読みやすく且つ面白いものにしています。

帯に「日本語学校の先生と外国人学生がくりひろげる笑える日本語バトル」と銘打たれておりますが、これも納得の面白さ。いや、日本語教本的な本でここまで笑わせてもらえるとは思ってもみませんでしたな。

この本の良い所は、上記著者の属性もあり、従来の同種書籍とは違い、「日本語を学ぶ側」と「教える側」両方の立場に立った内容構成ができていることですね。特に、外国人留学生から遠野先生に発せられる「日本語に対する素朴な質問・疑問・不満」は、日本で生まれ育った「日本人」だからこそ中々気づきにくいところでもありますし、考えないところでもあります。丁寧にこれら質問・疑問・不満に応えていく遠野先生の言を含め、日本語の奥深さ日本文化のそれ。そして、日本人自身がそのことを理解していないことを示しているとも思いますね。

「を」と「お」の使い分けや、目上の方に対して「がんばって下さい」と言うのが実は間違いであることは、その典型例でしょう。

(ちなみに、上記「がんばって下さい」の尊敬表現は「お疲れの出ませんように」とのこと。こんな言葉使っている人今まで見たことないですよ。当然、自分も使ったことはありません。)

このこともかなり驚きでしたが、個人的に驚かされたのは、「恐れ入りますが」と「差し支えなければ」の使い分けと、花札の「あのよろし」が実は・・・の意であること。う~む、日本文化奥深し。

それにしても、ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベットを用途によって使い分けることの出来る日本文化・日本語の自由度の高さと、それを可能にしている日本人には、ほんと凄いなと思いました。でも、一番感じとれたのは、日本語の難しさなのかもしれません。


非常にお勧めの書籍です。第二弾・三弾と、今後も精力的に刊行していただきたいですね。
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2009/06/10 23:57|読書評トラックバック:0コメント:0

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